ROASとROI・CPAの違いから使い分け方法と広告目的別指標一覧

ROASやROI・CPAなどの用語の認識が招くリスク

マーケティングには、様々な手法が存在します。インフルエンサーを活用するインフルエンサーマーケティング、爆発的に普及したSNS媒体を利用するSNSマーケティングなど、日々新しい手法が次々と誕生しているのです。新しいマーケティング手法の誕生に合わせて、理解していかなければならないのが、効果測定方法や関連する用語についてです。どれだけ新しいマーケティングを取り入れても、効果的とされるマーケティングを実施しても、全ての企業や商品に適しているとは限りません。現状を正しく把握するためにも、効果測定方法及び、用いられる関連用語について、詳しく理解しておかなければならないのです。

効果測定ならびに用語を正しく理解する必要性は、現状把握だけにとどまりません。マーケティングの修正や、KPI・KGIとのすり合わせ確認など、あらゆる場面で効果測定ならびに関連用語は活用されます。また、マーケティングに参加している全ての人々と、意識や知識を共有する際にも用いられるため、用語に関する認識のずれが大きなトラブルを招く場合もあるのです。用語に関する知識の偏りや、認識のずれが生じる可能性は決して低くはありません。用語に関する認識のずれが生じる背景には、用語の類似や意味の類似、使用する状況の多さなどが関係しています。

ROASやROIも、誤認されやすい効果測定関連用語の1つです。使用される場面や、用語そのものも類似しているため、混同されていることが少なくありません。そこで今回は、混同されやすいROASやROIの正しい意味と使い方から、認識にずれが生じやすいCPAの活用方法まで、詳しく解説していきます。それぞれの意味を正しく理解し、効果的な使用方法から、場面に応じた使い分けまで徹底的にマスターしていきましょう。

ROAS(Return On Advertising Spend)とは

それではまず、ROASの正しい意味や基本的な計算式について、解説していきましょう。ROASを使うことによって生じるメリット及びデメリットについても、解説していきます。どのよな場面、マーケティングに適しているのかなど、応用編もご紹介していきましょう。

計算式

ROASは、宣伝広告に関する費用対効果を測定する指標として用いられます。広告掲載料にたいして、どの程度売り上げが回収できたのか、パーセンテージで求める指標です。まずは、計算式について、ご紹介していきましょう。広告費用を10万円かけた際、売上は50万円となりました。ROASを求める計算式は、50万円(売上)÷10万円(広告費用)×100%(率)となります。このような場合、回収率(ROAS)は、500%と考えることができるのです。また、広告費用1円あたりでは、5円の売上があると考えられます。ROASは、広告費用の回収率だけではなく、広告費用1円あたりで得られる売上額としても使用される指標です。

他にも、広告経由の売上額広告費を算出する際にも、用いることができます。10万円(広告費用)×500%(ROAS)÷100%(率)で、広告経由の売上50万円を算出することが可能です。広告費は、50万円(広告経由の売上)÷500%(ROAS)÷100%(率)で算出することができます。

特徴

ROASは、数字が大きければ大きい程、その広告に関する費用対効果が高いと判断することができます。ROASが100%を下回った場合、費やした広告費用に見合った売り上げがなかったと判断することができるため、売上を高めるもしくは、広告費用を抑えるといった対処が必要です。またROASは、売上額によって大きく左右されるため、できるだけ新しい売上額もしくは、対象の事柄に関する純粋な売上額を用意する必要があります。大雑把な売上額や複数の要素を含んだ売上額を用いてしまった場合、正しい回収率を算出すること、費用対効果の把握ができません。そればかりか、現状の認識間違いによる、広告費用の見直しが必要か否かなどの、重要な判断も間違ってしまう恐れがあるのです。

メリット・デメリット

ROASのメリットは、一目で売上にたいする広告の貢献度がわかる部分です。かけた費用によって、どれだけの売上がもたらされたのか、数値で把握することができます。広告1つ1つの貢献度が把握できることから、より自社に適した広告やマーケティング手法を選択する際にも役立てることが可能です。貢献度の低い広告を分析し、導線や表示形式の修正にも活用できるでしょう。

しかし、ROASでは売上額を使用するため、売上額の算出が難しいサイトやサービスには適さない指標です。会員登録や使用請求、視聴回数を目的とするサイト、サービスの場合、売上額として数値を算出することが難しく、ROASを計算することもできません。このように、適しているサイトが限定されているという部分、また活用しづらいサービスがあるという部分は、デメリットだと言えるでしょう。

またROASは、算出された数値が100%以上だからといって、企業全体としてプラスになるとは限りません。ROASが100%を超えていたとしても、後項で紹介するROIが100%を割り込んでいた場合、総利益がマイナスになるということも十分に考えられるのです。そのため、ROAS1つだけで、多くの判断を下せないという部分も、デメリットだと言えるでしょう。広告など、1つ1つの事柄を判断する際には、大いに役立てることができますが、全体を把握する場合は、ROASだけではなく、ROIや他の指標が必要となります。

ポイント

ROASは、広告やマーケティング1つ1つの有益性だけではなく、広告費用の事前設定や、機会損失を抑える際にも活用することができます。過去のROASのデータを用いることにより、現状の広告費用設定にも役立てることができますし、季節やイベント等に応じた広告費用の増減の参考にすることも可能です。広告費用を、都度適切に設定することにより、過剰なコストも利益の減少も防ぐことができ、結果機会損失を抑えることができます。

また、ROASを使用する際は、「単発による利益」を目的とするのか、「リピートによる利益」を目的とするのか、明確にしておく必要があるでしょう。なぜなら、「単発による利益」を目的とする場合は、とにかくROASの数値が大きくなることを求めるのに対し、「リピートによる利益」では、ROASの大きさだけではなく期間とROI、その他の指標も大きく関係してくるからです。リピートを目的とする場合は、1回の利益ではなく、単価引き下げによるリピートのしやすさ、回数が重要となります。自社がどのような戦略を用いるのか、KPIやKGIとしてどのような要素を設定しているかにより、ROASが使用できる場合とROAS以外の指標を用いるべきかがわかるでしょう。

Googleショッピング広告のROASは低い

ROASに関する噂として、Googleショッピング広告が話題になることも少なくありません。Googleショッピング広告とは、検索エンジンGoogleを使用した際、画面上部に表示される広告のことです。機械学習により、自動的に検索者の意向が反映されるため、効果的なマーケティングとしても知られています。このGoogleショッピング広告について、Amazonや楽天、Yahoo!モールなど大手検索エンジン広告に比べて、ROASの値が低くなりやすいという噂があるのです。ROASが低ければ、Google内に掲載する広告は、費用対効果が低いと判断することができるため、「宣伝効果がない」「いまいち」などと認識することができます。

しかし、各モールやECサイトは、顧客の特徴が異なるため、ROASの値だけでは判断できない部分も、多々ある事を理解しておきましょう。Amazonや楽天などの大手モールは、会員登録者が多く、購入率も高いため、ROASの値が大きくなりやすいのです。Googleショッピング広告は、新規ユーザー比率が高いため、実際にROASが低くなってしまうこともあります。前項でも解説したように、企業の状況や実施するマーケティングに応じてROASを参考にするべき場合と、それ以外の指標を用いるべき状況が存在するのです。広告を判断する際、ROASが万能に活用できるというわけではありません。何かを判断する場合は、現状を把握したのち、必要な指標の洗い出しから始めてみましょう。そのためにも、多くのマーケティング用語や、ROAS・ROIなどの効果測定に関する意味を、正しく理解しておく必要があります。

ROASとROI(Return On Investment)どちらを使用するべきか

続いてここからは、ROIの意味や活用方法について、解説していきます。ROIは、名称も使用場所もROASと近しいことから、混同される用語の1つです。しかし、前項でもご紹介したように、ROASでは適さない場所で用いられたり、ROASと合わせて使用することにより、異なる現状を表す場合もあります。ROASと合わせて、ROIの正しい意味と活用方法について、理解していきましょう。

ROIとは

ROIは、費用に対する、利益率を表すことができる指標です。(売上-売上原価-投資金額)÷投資金額×100%(率)で算出することができます。ROASとの違いは、広告費用に対する売上率を算出するのか、費用に対する利益率を算出するかです。ROASは、広告費用に対する売上率を算出し、その広告が優れているか否かを判断したり、売上見込みに対する広告費用の設定等に活用します。ROIとは異なる特徴として、ROASとして算出された数値が100%以上であっても、企業全体としてプラスになるとは断言できません。一方ROIは、投資額つまり費やした費用に対する利益率を算出するため、算出された数値が100%だった場合、企業にとってプラスになったと断言することができるのです。

ROIが積極的に使用されるようになった背景には、事業やツールの複雑化、フローの複数化があげられます。商品やサービスに合わせ、規模・フロー等が大きく異なるため、それぞれを比較したり、修正を加えることも容易ではなかったのです。ROIを用いることにより、基準となる指標を算出でき、比較はもちろんコストや規模の増減にも、大いに役立てることができるようになりました。

メリット

数値が100%を超えた場合、企業にとってプラスになると断言できる部分は、ROIのメリットです。ROASは、広告の有益性を表すことができるものの、企業にとってプラスとなるか否かは、単独の数値で判断することはできませんでした。そのため、他指標と併用したり、別指標を用いて算出・判断する必要があったのです。またROIには、異なる事業同士を比較できる、という経営戦略的メリットもあります。1企業が、事業規模の異なる企業を複数抱えていることは、それほど珍しいことではありません。

規模の大小に関わらず、ROIを算出・比較することにより、利益や現状を簡単に把握することができます。また、事業単位だけではなく、マーケティング領域での分析、提供する商品やサービス単位での、比較・検討も可能です。それぞれ、どの程度利益を出せているのか、実際にどの分野が最も優れているかなど、一目で比べたり決定することができます。ROIは、事業に関するシミュレーションにも活用できるため、早期撤退等の重要な決断時にも用いることが可能です。キャッシュフローを基準として算出するため、より精度の高い判断材料となり得ます。事業を継続するか撤退するか、明確な数値を元に判断することができるのです。

デメリット

ROIのデメリットは、数値に囚われ過ぎた場合、多くの可能性を見逃す恐れがあるという部分です。ROIを活用することにより、現状の結果である利益率を明確に表すことができます。売上額とは異なり、事業やマーケティングそのものの良し悪しを明確に表す数値のため、ROIのみで進退を決定する事業者も少なくありません。しかし、ROIは現状の全てを表す数値ではないのです。現状の利益率を明確に表せるものの、未来の数値を意味しているわけではありません。

長期的なマーケティングを実施する場合、現状の利益率のみを信頼し、継続するか否かを判断することは非常に危険なのです。なぜなら、どれほど優れたマーケティングであっても、すぐに効果が表れるものばかりとは限りません。リピート率を高める要素が強く、現状では利益率が低いことも十分に考えられます。また、マーケティングは、利益率が全てではありません。利益率とは、顧客の「確保」を表すものであり、その他の「認知」や「誘導」を表す数値ではないのです。KPIやKGIで、認知や自社への誘導を目的としている場合、利益率であるROI以上に参考にするべき数値があります。つまり、ビジネスにおいて非常に重要な利益率を明確に表してしまうROIは、固執されやすいという部分がデメリットなのです。マーケティングには、様々な目的が存在し、目的に合わせて使用する指標も様々あります。必要な場所で適した指標を使用するためにも、各指標の意味を正確に理解していかなければならないのです。

活用事例

ROIは、(売上-売上原価-投資金額)を別の数値に変え、利益率を表すことができます。例えば、(コンバージョン数×平均利益単価-コスト)などです。この計算式の場合、投資対象効果を利益ベースで表すことができます。広告費用1円にたいして、どの程度の利益を生み出したのか、算出することが可能です。ROASは、広告費用1円に対して、いくらの売上が発生したのか割合で表す指標ですが、売上と利益は大きく異なるもののため、認識には注意しておきましょう。

改善方法

ROIとして算出した数値を、改善させる方法についても、ご紹介します。ROIである利益率を改善させる方法としては、「投資額を減額」「原価コストの減額」「販売価格の増額」「販売件数の増加」「販管費の減額」などが考えられるでしょう。利益率を上昇させるためには、原価や販売価格の見直しから、マーケティングにおいて発生するあらゆるコストの減額が必要です。コストの減額では、材料費から人件費など、あらゆる費用が含まれます。

また、販売価格の増額や販売件数の増加は、自社だけで完結させることが難しいため、長期的な対策が必要となるでしょう。ROIの数値をできるだけ早期に改善させるのであれば、自社のみで完結できる可能性の高いコストの減額がおすすめです。しかし、極端なコストカットは、現場や社内の雰囲気を極端に低下させます。必要な部分まで強制的に削減した場合、後々大きなトラブルを発生させる可能性もあるでしょう。まずは、削減させるべき部分を洗い出すためにも、作業や費用の細分化及び洗い出しが必要だと言えます。

ROASとCPA(Cost Per Acquisition/Action)どちらを使用するべきか

ROASと同じく、広告の効果測定として用いられるCPA。ここからは、CPAの意味と、ROASとの違いについて、詳しく解説していきます。また、広告の効果測定において、どちらを用いるべきか、状況や使い分け方法についても、解説していきましょう。適切な場所で正しく指標を活用するためにも、違いや類似点、ポイント等をしっかりと理解してみてください。

CPAとは

CPAとは、顧客を獲得するまでに使用した単価を表す指標です。1人の顧客を獲得するまでに、どの程度コストが発生したのか表すことができます。CPAで使用する「獲得」の定義は、それぞれの企業によって異なります。広告のクリックを意味する場合もあれば、購入や参加など、金銭の発生を意味する場合もあるため、自社のKPIまたはKGIに合わせて設定してみましょう。CPAは、コスト÷コンバージョン率で算出することができます。10万円の広告費用をかけ、100件の成約率だった場合、10万円÷100件=1,000円となり、1人の顧客を獲得するまでに、1,000円のコストがかかったと算出することができるのです。

CPAと類似する指標として、CPC(Cost Per Click)という用語も存在します。CPAは、顧客を獲得するまでに発生したコストを表すのに対し、CPCは広告を1クリックさせるまでの費用を算出する指標です。広告を10万円で掲載し、200人がクリックした場合、10万円÷200人=500円となり、1クリックあたり、500円の費用が発生したと考えることができます。

メリット

CPAのメリットは、明確な数値が算出しづらい場面でも、活用できるという部分です。ROASの場合、売上額という明確な数値がなければ、ROASを算出することはできません。そのため、会員登録や資料請求など、売上額を算出できない場面では、活用することができませんでした。一方CPAは、件数によって、算出することが可能です。購買行動がサイト内で完結しない場面、購買行動だけが目的ではない場面でも、数値を算出し、指標として参考にすることができます。CPAは、低ければ低い程、マーケティング効果が高いことを意味しています。CPAの数値により、宣伝広告やその他マーケティングを常に適正化していきましょう。

デメリット

CPAの値は、顧客の種類により大きく変動します。今すぐ購入したいと考えるロイヤリティの高い顧客と、検索結果の1つとして広告を見た顧客とでは、算出されるCPAに大きな乖離が見られるのです。当然、今すぐ購入したいと考えるロイヤリティの高い顧客の方が、CPAの値は低くなります。ロイヤリティの減少に応じて、CPAの値は徐々に高くなっていくのです。そのため、ターゲット層や顧客に合わせて、CPAが変動することを理解しておくことはもちん、別途異なる指標を用いて、詳細な状況を把握しておかなければなりません。購入者を顧客として一括りにし、CPAを一括で算出した場合、正しい状況が把握できない恐れがあるため、注意しておきましょう。

また、CPAの値は低ければ低い程、優れているといった単純な物でもありません。CPAの値を下げることに注力してしまうと、適切なターゲット層へアプローチできない恐れもあります。具体的に、炎上という手法を使用すれば、簡単にクリック数やサイトへの訪問数を上昇させることが可能です。しかし、それでは本来のターゲット層以外の層へアプローチしていることになりますし、炎上で得た注目度や訪問者数は長期的に利益をもたらすものではありません。一時的に得た顧客は、LTV(Life Time Value)も低いため、企業にとってはメリットだと言えないのです。

活用事例

CPAは、広告の最適化に活用することができます。CPAの値が高ければ、それだけ顧客を獲得するまでに費用を費やしていることになるため、費用の見直しが必要となるのです。CPAを低下させる方法として、CPC品質スコアの見直しがあげられます。CPCとは、広告をクリックするまでに費やされる費用の事であり、CPAの前段階と言えるでしょう。CPCが低下することにより、必然的にCPAも減少し、数値の改善が期待できるのです。品質スコアの見直しとは、広告そのものの品質が適切か、またさらに向上させられる部分はないか調査します。広告の品質、つまり質の高い消費者にとって良質なものであれば、CPCも改善し、CPAの減少も期待できるのです。

広告の目的と各広告指標【認知:インプレッション効果】

前項でも解説したように、広告の目的は売上高増加ばかりではありません。ビジネスにおいて、最終的に売上高、利益率が重要となりますが、広告にはそれ以外を目的とするものもあり、当然測定する指標も異なります。ここからは、広告の目的別に使用する広告指標について、ご紹介していきましょう。まずは、認知を目的とする広告で使用する広告指標について、解説していきます。

認知

認知では、企業名や商品名を、広く消費者に理解してもらうことを目的としています。「なんとなく聞いたことがある」程度であれば、認知を満たしているとは言えません。このような状況の場合、知名度を得たと考えられるものの、認知の上昇までには至っていないと言えます。認知を満たすことにより、商品やサービスを選択肢の1つとして考えてもらえるようになります。人間は、優れた効果を得たいという欲求よりも、失敗したくないという欲求が強く働く傾向があるため、認知していない商品を手に取ることは、ほとんどありません。広告により認知を高めるというのは、マーケティングにおける第一歩だと言えるのです。

インプレッション(impression)

広告により認知度が上昇したか否かを判断する指標として、インプレッションがあげられます。インプレッションとは、広告が表示された回数を表す用語です。媒体は限定せず、どの程度広告が表示されたのか、数値化したものになります。インプレッション数が多ければ、それだけ多く広告が表示されたことになり、知名度上昇からの認知度が期待できるでしょう。インプレッションに関連した指標として、インプレッション単価、CPMなどがあげられます。インプレッション単価とは、広告が1,000回表示されるまでに発生した費用を表す指標です。インプレッション単価やCPMは、広告料金算出方法として使用される場合が多く、インプレッション課金方式と呼ばれます。インプレッション数に応じて料金が発生する仕組みとなっており、ディスプレイ広告で採用されることがほとんどです。

リーチ(reach)

リーチとは、掲載した広告が何人に視聴されたか、また同広告に1回以上接触した人が何人いるか表す指標です。例えば、1人の消費者が1日に、6回同じサイトを訪問したとします。その場合、6リーチではなく、6PVとカウントします。このサイトに1つの広告が設置されていた場合には、6リーチではなく1リーチとカウントされるのです。リーチが多いという事は、それだけ大勢に広告が接触したことを表しています。認知度を計る指標として、非常に重要視されるものです。また、Web広告では、UU(ユニークユーザー数)が採用されています。同一人物が、異なる媒体で同じ広告を視聴しても、2リーチとカウントされない仕組みです。重複することなく、広告に接触した人数だけを知ることができます。

フリークエンシー(frequency)

フリークエンシーとは、消費者が広告に接触した回数を表しています。1日に、同じ広告を複数回視聴した場合、フリークエンシーも比例してカウントされるのです。リーチが人数を表しているのに対し、フリークエンシーは広告表示の回数を表しています。フリークエンシーは、多ければ多い程優れているといった指標ではありません。最適な回数が既に分かっており、3~5回だと言われています。つまり、適正な頻度で視聴者と接触できているか、認知度上昇に効果的な頻度で表示されているか把握するための指標なのです。フリークエンシーを活用する際ともに使用されるのが、リーセシー(recency)と呼ばれる指標です。リーセンシーとは、同じ広告が表示される間隔を意味しています。リーセンシーもフリークエンシー同様、適切なタイミングで効果的な広告表示ができているのか、確認するための指標です。

広告の目的と各広告指標【誘導:トラフィック効果】

続いて、誘導のために用いられる広告指標について、解説していきます。

誘導

誘導では、ランディングページ(LP)やECサイトへの誘導を、目的としています。実際に購入、利用に至ったケースではなく、目的としているサイトや事柄へ、適切に誘導できているか否かを判断基準としている場合がほとんどです。誘導した人数を重要視する場合もあれば、狙ったターゲット層が適切に誘導できているかを重視する場合もあります。適切な誘導が実現していない場合、広告枠の見直しやクリエイティブが適切か確認する必要があるでしょう。掲載する時間帯、掲載する媒体も重要となります。

クリック数(click)

誘導を目的とした広告測定で、最も頻繁に使用されるのが、クリック数です。クリック数とは、広告が実際にクリックされた回数を表しています。表示された件数ではなく、広告をクリックしたのち、外部サイト等への移動を表しているものです。クリック数は、他効果測定にも用いられます。例えば、クリック率やクリック単価などです。クリック数を改善するためには、広告の訴求ポイントの変更や、季節やイベントに関連したトレンドを含む表現方法の変更など、広告そのものの改善が必要となります。消費者の興味を惹く内容でなければ、クリック数は上昇しません。また、消費者が広告を判断する、つまり視聴する時間は非常に限られているため、前半に興味深い内容や分かりやすいポイントを表示することもおすすめです。インパクトのある言葉選び、表示方法が求められます。

クリック単価(Cost Per Click)

クリック単価(CPC)は、広告が1クリックされるまでに費やされた費用を表しています。広告費用÷クリック数で、算出することが可能です。CPCが低い程、低価格で該当サイト等へ誘導できていることを表しているため、効率的な広告だと評価することができます。CPCの値を改善するためには、広告費用を下げるという方法が一般的です。マス広告や、検索ツール上部など限られた枠への広告掲載は、大きな効果が期待できる一方、広告費用も高額になってしまいます。現在は、低額で広告利用できるSNS媒体、それらを補助するインフルエンサーもいます。これまでのように、高額な広告費用を捻出する方法ではなく、低額で効果的な広告掲載が実現できるSNS媒体やインフルエンサーの活用を検討してみると良いでしょう。

広告の目的と各広告指標【確保:レスポンス効果】

最後にご紹介するのは、顧客の確保を目的とした広告に関する効果測定です。「認知」「誘導」「確保」の3つの目的を理解し、それぞれに適したマーケティング、効果測定を実施していきましょう。

確保

顧客の確保とは、実際に購入・利用など対価を支払った消費者を指すこともあれば、メルマガ登録、資料請求など、利益に直結しない事柄を示す場合もあります。企業が達成するべき重要な指標となるため、各指標の持つ意味や特徴を、適切に理解していきましょう。

コンバージョン数(conversion)

コンバージョン数とは、掲載している広告を経由し、どの程度顧客の確保が実現したか表す指標です。つまり、広告経由により、資料請求や会員登録など、出稿者が求めている結果が、どの程度得られたかを表しています。前項でご紹介したクリック数が高いにもかかわらず、このコンバージョン数が低い場合、誘導した先のサイト等が不適切であることが考えられるでしょう。訴求力が乏しい、コンバージョンまでの過程が煩雑など、様々な問題が考えられます。コンバージョン数を改善するためには、コンバージョンまでの手順を明確に、そして簡潔にすることが重要です。他にも、誘導媒体では得られなかった、魅力的な情報の掲載、購入・利用するべきだと感じられる最もな理由を掲載しておきましょう。

コンバージョン率(conversion rate)

コンバージョン数を使用し、コンバージョン率(CVR)というものを算出することができます。コンバージョン率とは、広告がクリックされた件数に応じた、コンバージョン割合を表す指標です。コンバージョン数÷クリック数により、算出することができます。コンバージョン数の把握だけでは、利益が出ているのか否か、把握することができません。クリックされた件数つまり、使用したコストに対し、どの程度の割合でコンバージョンが発生したのか把握するための重要な指標なのです。ちなみに、一般的なコンバージョン率は、1~3%程度だと言われています。インフルエンサーの能力や成果を表す際も、コンバージョン率が用いられますが、インフルエンサーのコンバージョン率は10~30%になる場合も少なくありません。インフルエンサーがいかに優れた宣伝媒体かは、言うまでもないでしょう。

オーダー獲得単価(cost per order)

オーダー獲得単価とは、1コンバージョンあたりの広告費用単価を表しています。顧客獲得単価(CPA)と呼ばれることもある指標です。広告費用÷コンバージョン件数により、算出することができます。CPAのような、問い合わせや訪問などではなく、登録や注文などをコンバージョンに設定した際、用いられる数値です。CPAは、顧客のアクション1回に関する広告費用であり、CPOは注文1件に関する広告費用と認識しておきましょう。CPAとCPOは、同様の要素として認識されていましたが、近年では無料お試し後に本注文といった手法が頻繁に見られるため、CPAとCPOを分けて考える必要があります。CPAが低く適切な数値でも、CPOの数値が悪化する場合もあるのです。

広告指標の意味と使い方を習得し自社の現状を正しく認識していこう

マーケティングや広告の種類、それらを評価する指標の数は、年々増加しています。マーケターとしては、増え続ける多くの用語を、常に適切に把握し続けなければならないのです。各指標を適切に理解することにより、インフルエンサーを起用するべきか、最新マーケティングであるSNS媒体を導入するべきかなど、マーケティングの修正も正確に行うことができます。マーケティングや広告、効果測定の悩みから、インフルエンサーやSNS媒体を活用したマーケティングの悩みなど、不安点や疑問点がある企業は、マッチングプラットフォームであるトリドリマーケティングを活用してみましょう。最新マーケティングの確かな実績と、低価格マーケティングなど、様々な協力を得ることができます。無料で活用できるサービスや、優れたインフルエンサーの紹介など、力強いサポートが受けられるでしょう。