マーケティングコンセプトの歴史と成功事例4選

マーケティングコンセプトを理解して消費者にアプローチしよう

現在、マーケティング市場は年を経るごとにどんどん複雑になっています。当然ながら、消費者に感情や消費行動に至る契機もそれに伴いどんどん複雑化しているため、以前までと同じ方法では消費者に受け入れられなくなってしまい、市場シェアを大きく落としてしまう恐れもあります。

以前までとは違い、現在では消費者にアプローチを行う上でマーケティングコンセプトの理解が非常に重要になってきています。そのマーケティングコンセプトも、決して固定されているものではないので歴史や現状を理解した上で、今後の展望も考えながら活用していく必要があります。では、消費者に求められる企業となる上で理解が必要なマーケティングコンセプトとはどのようなものなのでしょうか。今までにどのようにマーケティングコンセプトが変化してきたのか、そして今後はどのように変化していくことが予想されているのか、実際にマーケティングコンセプトを意識した企業の事例などを見ながら考えていきましょう。

マーケティングコンセプトとは

マーケティングコンセプトとは、その名の通り企業がマーケティング戦略を立案し、実行していく上での考え方の軸となるものをいいます。たとえば市場に対し創造的に適応するための目標や、広告・宣伝・販売などの各種活動の方向付けなどをマーケティングコンセプトであると定義することができるでしょう。時代によって定番商品を安価で大量に販売することが求められる場合もあれば、独創的な商品をオーダーメイドのような形式で誰かのために特別に販売することが求められる場合もあるでしょう。

このように、マーケティングコンセプトはそれぞれの市場によって異なるのはもちろんとして、時代の変遷とともに変化していくものであると考えられています。企業のマーケティングコンセプトの変化によって消費者の意識も変化しますし、あるいは消費者の生活水準の変化やライフスタイルの変化によって求められるマーケティングコンセプトが変わってくる場合もあります。いずれにせよ、企業はそれぞれのブランドとして確固たるコンセプトを持ちつつも細部は柔軟に消費者に合わせることができるような姿勢が求められているでしょう。

マーケティングコンセプト変遷の歴史

マーケティングコンセプトを理解して消費者に対して効果的なアプローチをするためには、古いマーケティングコンセプトを軸に行動していてはいけません。現代の消費者がどのように考えているのか、どういった点を重視してマーケティングコンセプトを構築すれば求められる企業になるのかを知る必要があるでしょう。

そうしたマーケティングコンセプトに必要な知識を得るためには、まずマーケティングコンセプトの変遷の歴史を知らなければなりません。日本におけるマーケティングコンセプトは当初の企業視点から顧客視点、そしてさらには徐々に社会視点へと変化していっていると言われています。その変遷の歴史について、詳しくおさらいしていきましょう。

生産志向

戦後の日本のマーケティングコンセプトは、まず生産志向から始まりました。この「生産志向」という考え方は高度経済成長期のように需要に対して供給が圧倒的に不足している市場の時に生まれやすいマーケティングコンセプトで、まさに「作れば売れる」という企業としては非常に楽な状況となります。

市場自体が未成熟ですので、生産力自体が価値を持つこととなります。すなわち、価値ある生産力を大量に持ち生産性を向上させることができれば、それだけでマーケティング市場における競争優位を獲得することができるのです。日本では、戦後すぐの物資が不足していた時代から、1960年代の新・三種の神器であるカー・クーラー・カラーテレビがもてはやされていた時代が、この生産志向の時代にあたります。

1956年に発行された経済白書に記された「もはや戦後ではない」という言葉通り、輸出拡大による契機が上向きとなり、企業が作れば作るだけ市場シェアを拡大することができ、消費者もほしいものがどんどん市場に出てくるので競合他社と比較することなく消費に勤しんでいた時代です。そうやって消費者が消費に勤しむことでさらに企業は資金力を手に入れ、その資本を生産に再分配することによってさらに生産性が向上していくという循環が生まれていた時代でもありました。

製品志向

生産志向の時代は企業も消費者も活気に溢れる時代ですが、そのマーケティングコンセプトも長続きはしません。生産志向の時代が続いていると、次第に企業からの供給が消費者に求める需要に追い付いてきます。そうなると消費者は慌てて商品やサービスを確保しなくてもよくなるため、商品同士を比較検討するようになります。そうなると、必然的に「作れば売れる」という時代は終焉を迎えることになるのは解説するまでもないでしょう。

生産志向の時代では、少しばかり耐久性が低い粗悪品であっても消費者に選ばれる商品となることができました。しかしながら、消費者が比較をするようになることで、良い商品出なければ市場で淘汰されてしまうことになります。すなわち、数多く作るよりも高機能・高性能の商品・サービスの価値が高まっていくのです。この時代を表すのであれば「良い商品を作れば売れる」という表現が適切でしょう。

マーケティングコンセプトがこのフェーズに達すると企業としても単に闇雲に商品を作るのではなく、マーケティング論に基づいた経営戦略を立てるようになります。競合他社の商品を分析したり、競合他社と競合しないようなポジショニングで商品を販売することもあるでしょう。企業が自社の生産性だけではなく他社の商品やサービスを強く意識し始める時代を迎えるようになるのです。

販売志向

生産志向の時代と同じように、製品志向の時代もいずれ終焉を迎えます。消費者の需要に対して供給が徐々に追いついてくるだけではなく、最終的には供給が完全に需要を上回り企業は過剰在庫を抱えることを余儀なくされてしまいます。すなわち企業は良い商品を作るだけではなく、手元に残ってしまった商品を「どう販売するか」というマーケティングコンセプトの元で行動しなければならなくなります。

すなわち、良い商品を作り続けることは前提として、その生産力に加えて消費者に対して強く印象付ける企業が競争優位に立てるようになります。つまり、生産力や競合他社と比較した上でのポジショニングだけではなく、プロモーション活動も市場では重要な要素の一つとなってくるのです。そのため、企業は自社企業のコンセプトを消費者に伝えて多くの共感を呼ぶためにキャッチフレーズを作ったり、消費者から憧れられる存在となるために人気のある芸能人を広告に起用するようになっていきます。製品志向の頃から「消費者にほしいと思わせることが、消費行動を促すために重要である」という認識が生まれてきますが、この販売志向の時代になると「どのように消費者にほしいとという気分に変化させるか」あるいは「消費者のほしいという気持ちを今まで以上に刺激するためにはどうのようなプロモーション活動を選ぶべきか」という認識が浸透していきます。

マーケティング志向(顧客志向)

これまでの生産志向や製品志向、あるいは販売思考といったマーケティングコンセプトは「どのように多く作るか」、「どのように他社よりも良いものを作るか」、「どのように印象に残って商品を売っていくか」というように、全てが企業視点となっているマーケティングコンセプトです。そのマーケティングコンセプトが頭打ちになる頃に、マーケティング志向あるいは顧客志向と呼ばれるマーケティングコンセプトが生まれるのが一般的です。

このマーケティングコンセプトは今までの企業視点でのマーケティングコンセプトとは全く異なり、消費者視点でのマーケティングコンセプトになっていると言われています。すなわち、今までの企業視点では需要がないように見える商品であっても、消費者の心理や行動特性を知ることにより、需要を生み出すように企業が努力して売り込むことが重要になってくるのです。このマーケティングコンセプトに至って初めて、企業は顧客の心理や消費行動に結びつく動機に対して強い関心を抱くようになります。つまり「どのように消費者にほしいという気分に変化させるか」という意識が「どうすれば消費者に納得感を持って購入してもらえるのか」とい意識に変わっていくのです。

尚、前述したように一般的には企業視点のマーケティングコンセプトが頭打ちとなった頃に顧客視点を重視する意識が生まれ、マーケティング志向のマーケティングコンセプトが生まれてくると言われています。しかしながら、日本においては例外的に特殊なマーケティングコンセプトの変遷をたどっており、実は1950年代には既に「消費者はどうすれば購入してくれるのか」という意識は育っていたと言われています。つまり、日本では世界でも非常に珍しい例として1960年代の生産志向と、この企業視点のマーケティングコンセプトが頭打ちになった時に出てくるはずのマーケティング志向が両立していたのです。

ソーシャル・マーケティング志向(包括的マーケティング志向)

マーケティング志向では、消費者の好みを考えて商品やサービスを生み出していきます。すなわち、消費者が求めるものを作ることによって売上を維持することができていた時代だといえるでしょう。しかし、そうした状況であっても常に需要が生まれるわけではありません。企業の生産性の向上もあり、消耗品以外は一度購入すれば長持ちするようになってくるので、次第に消費が停滞してくるようになります。

また、この時期になると高度経済成長期などの大量生産・大量消費の時代を経ることになるので環境汚染などの環境問題も出てくるでしょう。そうすると、消費者自身が消費に対して罪悪感を持つことも珍しくはなく、こうした背景も消費を停滞させる要因の一つとなります。そのため、企業としてもマーケティングコンセプトを変更して消費者を満足させて顧客満足度を高めて消費者とのコミュニケーションを取って選ばれる企業となるだけで半く、社会全体の利益や福祉の向上といった視点も持っていく必要があります。

このソーシャルマーケティング志向あるいは包括的マーケティング志向に至る頃には、消費が停滞しているだけあって消費者の生活水準も生産志向の頃に比べると大幅に上昇していて経済的なゆとりを持つ消費者もそれほど少なくはありません。そのため、日常的に消費する日用品で大きく値段が変わらないのであれば、少しくらい高くても従来のものより環境に配慮された日用品を意識的に選択するという消費者も少なくはありません。まさに、企業だけの視点や消費者だけの視点だけではなく、社会全体も含めた包括的な視点を持つことで生まれるマーケティングコンセプトだといえるでしょう。

マーケティングコンセプトの成功事例4選

市場によってマーケティングコンセプトの変遷に時期的な差異はあるものの、現在の日本においてはほとんどの市場でソーシャル・マーケティング志向あるいは包括的マーケティング志向の段階に至っているといっても良いでしょう。ではそうした包括的な視点が求められるマーケティングコンセプトを構築する上で、企業は現在どのような工夫をして商品を生み出しているのでしょうか。

ここでは、マーケティングコンセプトを適切に構築し消費者に選ばれている企業の成功事例を四つ紹介していきます。それぞれのマーケティングコンセプトの詳細についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。

コカ・コーラ

コカ・コーラ社は代表商品のコカ・コーラやアクエリアスなど色々な清涼飲料水を販売している会社です。しかし、そうした商品とは少し違い飲料水として発売されている「い・ろ・は・す」もコカ・コーラ社の商品であることはご存知でしょうか。実はこの「い・ろ・は・す」こそ、コカ・コーラ社が消費者が環境を憂慮するという視点を包括したマーケティングコンセプトによって生み出した商品なのです。

「い・ろ・は・す」を一度も飲んだことがないという人でも、「い・ろ・は・す」のボトルが他のペットボトルに比べて圧倒的に潰しやすいということはご存知の人が多いでしょう。実はそれがコカ・コーラ社の戦略の一つで、環境に良いボトルを使っていることをテレビCMなどを通じて大々的にアピールしているからこそ、そうしたイメージが浸透しているのです。「い・ろ・は・す」は飲み終わった後にボトルをしぼることで小さくできるため家庭としても利便性が高く環境にも配慮しながら捨てられるとして、消費者の利便性を向上させつつ、環境問題に配慮したペットボトルであることを強調しています。

さらに、「い・ろ・は・す」の公式ホームページを見てみると、ペットボトル自体が使用済ボトルをリサイクルして作られていることが明言されていて、石油から新規に製造されるプラスチックの使用量を軽減していることが分かります。また、そのように環境に配慮しながら作ることにより、ペットボトル1本を作成する際に排出される二酸化炭素の排出量も従来より49%と半分近く軽減しています。さらに、キャップにも商品名等を印刷せずに一色のキャップにすることによりインクも一色にして環境に配慮しているのです。

このような「い・ろ・は・す」のイメージ戦略は、まさに先ほど紹介した包括的マーケティングコンセプトの考え方に基づいているといえるでしょう。「ペットボトル飲料を買って飲みたいが、環境問題を考えると少し罪悪感を抱いてしまう」という消費者に対し「今までのペットボトル飲料よりも圧倒的に環境に配慮したペットボトル飲料」という選択肢を提示することにより、比較的気軽に手に取れる商品として人気を集めているのです。

ユニクロ

ユニクロは以前は生産志向の考え方に近く「安く手に入るものの、すぐに悪くなる恐れがある」すなわち「安く購入できるのだから、長持ちしないのも当然のことである」というマーケティングコンセプトの元で商品を販売していました。しかしながら、現在では「低価格ながらも高品質な商品」というイメージをユニクロに抱いている人も多いでしょう。

そのように「低価格ながらも高品質な商品を購入できる場所」というマーケティングコンセプトに転換する契機となったのは、ユニクロが販売しているベビー服です。ユニクロは、ベビー服としては初となるエコテックス100という基準を取得しました。このエコテックス100というのは、350以上の有害化学物質が対象となる厳しい分析試験をクリアした製品にだけ与えられるという世界最高水準の安全案繊維製品であることを証明するものです。ベビー服は赤ちゃんの成長が早く長く同じものを使うことができないため価格を抑えたいと思いつつも、安全性に気を配る人が多い商品です。そのベビー服に対して高品質な商品を提供することにより、心配なく購入できる状況にしたのです。

このベビー服のエコテックス100の取得を契機として、ユニクロは現在のように「低価格・高品質」という方針に転換していくことになります。すなわち「赤ちゃんに安全な服を着せてあげたい」という需要を持つ消費者をターゲットとすることで、その消費者を満足させるマーケティングコンセプトを示したのです。

QBハウス

最近ではQBハウスを中心に、簡単に短時間で安く髪を切ることができる美容院も増えてきました。しかしながら、QBハウスが台頭する以前の従来のヘアサロンといえばヘアカットだけで終わることはなく基本的にシャンプー・ヘアカット・ヘアセットが一つのセットとなっていて、1時間~1時間30分くらいかかる上に料金も5,000円以上となるのが一般的でした。もちろん、そのように美容師とコミュニケーションを取りながら丁寧にシャンプーやヘアセットをしてもらうことがリフレッシュになるとして価値を見出している消費者も少なくはありません。

しかしながら、消費者の中にはそうした時間や美容師との会話を望まないという人も少なくはありません。さらに料金自体が高く、家でも十分にできるシャンプーに対して料金を支払うことに抵抗感があるという人もいたでしょう。大人であれば問題はなくても、子どもの美容院に5,000円以上を払うのは厳しいという人も少なくはありません。そうした消費者が抱く「美容院でシャンプーやヘアセット、または美容師との会話は不要」という潜在的なニーズに目をつけ「ヘアカットのみを10分1,000円で行う」というマーケティングコンセプトを打ち出したのがQBハウスです。今までの美容院と明確に異なるポジショニングをとることで、潜在的なニーズを持つ消費者を獲得し市場シェアの奪取に成功しました。まさに消費者が消費をする時にどのような心理状態にあるかを分析した結果の成功事例だといえるでしょう。

セブンイレブン

セブンイレブンのパンコーナーを見てみると、通常よりも高い価格帯の食パンである「セブンゴールド」という食パンを見つけることができるでしょう。このコンビニにふさわしくないセブンゴールドという高級路線の食パンは、セブンが消費者の潜在的なニーズを見抜くことによって大ヒット商品となった食パンです。セブンイレブンは、「コンビニで高級食パンという選択肢を与えられれば、通常売られている食パンではなく高級食パンを買いたいという人もいるはずだ」という仮定を元に、高級食パンであるセブンゴールドを発売しました。このように価格帯の違う商品を新しく発売する時、一般的には今までの消費者からのアンケートなどから消費者のニーズを掴む方法が一般的です。しかし、セブンゴールドに関してはセブンイレブンは特に消費者のアンケートを参考にせず、独自の仮定を元に発売し成功を収めたと言われています。

実際、コンビニをよく利用している人がアンケートに回答した場合を想定してみると「コンビニでも高級食パンを買いたいか」という項目に対しては「NO」と答える人が多いことが予想できるでしょう。コンビニを多く利用する人はほとんどの場合、仕事やドライブの最中に短時間で目的の商品を購入することを目的としているため高級な日用品を買うことは想定していないでしょう。高級な食品や日用品を購入したいのであれば、短時間で目的の商品を購入できるコンビニではなく、高級スーパーやデパートまで足を伸ばすことを考えるのが一般的です。

しかし、実際は高級スーパーやデパートに足を伸ばす時間的な余裕がない人、退勤時に翌日の休日に自分へのご褒美として楽しめるように高級食パンを買いたいと考える人からセブンゴールドは支持されました。これは、セブンイレブンがアンケートなどの一般的な手段を使わず、消費者の心理を想像したり利用客のペルソナを複数設定することによって打ち立てたマーケティングコンセプトが合っていたことを証明するといっても良いでしょう。「消費者のニーズにあった商品を販売する」や「消費者がほしいというものを考える」というテーマをマーケティングコンセプトとすると、アンケートへの回答を参考とするなど実際の消費者の声にのみ翻弄されてしまいがちですが、多くの企業の場合は現在利用していてアンケートに答える機会を持つ人だけをターゲット顧客とするわけではないでしょう。むしろ、現在は利用する機会自体がないものの潜在的なニーズを抱えている消費者をターゲットとすることで市場シェアを大幅にアップさせることができます。

このセブンゴールドのような今までのチャネルとは大きな変更を要する画期的な新商品や先ほどのQBハウスのような新たな業態の店舗を出店する際には、消費者の現在の声だけに目を向けていれば良いわけではありません。「現在の消費者をもっと満足させるためにはどうすれば良いのか」という視点に加えて「現在は選択肢がないから利用してはいるものの、潜在的なニーズを求める消費者はいないだろうか」という視点も重要になってくるのです。すなわち、消費者のニーズだけではなく潜在的なニーズ、ひいてはインサイトにまで目を向けることで強く消費者の心が掴めるようになるでしょう。

マーケティングコンセプトの今後

マーケティングコンセプトの変遷の歴史でも解説した通り、最初はとにかく素早く商品を生み出すことで競争優位に立てた状況だったのが、市場の成熟とともに良い商品を作ることで競争優位を獲得できるようになり、消費者へのプロモーション活動が売上に影響を及ぼす時代を経て社会的な環境問題や福祉を含めて複数の視点を持つ包括的なマーケティングコンセプトに至るようになりました。では、今後マーケティングコンセプトはどのように変化していくことが考えられるのでしょうか。実は今後のマーケティングコンセプトの変遷に関しては、大きく分けて三つの予想が有力視されています。それぞれが完全に独立しているわけではなく関連性を持っている部分もありますが、今後の消費者に対するアプローチ方法を考えるためにもマーケティングコンセプトの今後を予想してみましょう。

①ソーシャル・マーケティングが続いていく

割り箸を廃止してMy箸を持つ風潮やマイバッグを持ってきてレジ袋を使わない消費者に対するエコポイントの付与、そしてプラスチック製のストローを廃止し紙製のストローを使うというように環境問題に配慮するソーシャル・マーケティングは十数年前から重要視されています。2020年になってもその流れは変わらず、7月からは政策としてレジ袋が有料となるなど「大小問わず企業は環境に配慮しながら経済活動を行うべきである」という雰囲気が形成されつつあります。こうした政策あるいは企業の活動の影響を受け、企業活動だけではなく消費者の中にも「環境に配慮しながら消費行動を行うべき」という意識が強く根付いていることは企業としては見過ごすことはできないでしょう。

企業の売上に大きな影響を及ぼす消費者自身の意識が強く環境問題に集中していることを考えると、今後しばらくの間は環境問題を中心に考えるソーシャル・マーケティングが続いていくことが予想されます。そうなると、2020年7月からレジ袋が有料になることが発表されてからエコバッグを販売する店舗が増えたように、消費者の意識あるいは政策に合わせて企業としてもマーケティングコンセプトを柔軟に変えていけるようにしていかなければなりません。世間的な流行も含めて、外部環境の変化には以前よりもいっそう敏感でいることが求められるでしょう。

②コーズ・リレーテッド・マーケティングの増加

コーズ・リレーテッド・マーケティングとはマーケティング手法の一つで、消費者が商品を購入することによって生じる収益の一部を寄付することを明言した商品やサービスを売り出す手法です。企業自体が「今年度の利益は〇円だったので〇円寄付しました」のように総合的に寄付金額を表明するのではなく、消費者が手に取る段階で「このAという商品を買うことによって、購入価格の〇%にあたる〇円を〇〇という団体に寄付します」とすることで、消費者に当事者意識を持たせ、競合する商品やサービスよりも選ばれやすくなると言われています。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの事例としては、化粧品メーカーのKOSEが販売している雪肌精を特定の時期に行われるキャンペーン期間内に対象商品を購入すると、その商品の底面積分のサンゴを植えるための費用をKOSEが寄付する、といったように消費者にとっても分かりやすい指標を示す活動が知られています。この雪肌精の事例のようにコーズ・リレーテッド・マーケティングには環境問題に配慮している事例が多いと言われています。しかし決して環境問題にのみ的を絞って行われるマーケティング手法というわけではなく、たとえばイオンの「黄色いレシートキャンペーン」のように消費者が能動的に寄付する団体を選ぶことができる活動も知られています。黄色いレシートキャンペーンは、毎月11日にイオンで買い物すると発行される黄色いレシートを、イオン内に設置されている任意の団体のボックスに入れることでレシートの買い物額の合計の1%に相当する商品をその団体に寄付するという活動です。団体には環境保全団体もありますが盲導犬協会や地域のボランティア団体など様々な団体が含まれているため、コーズ・リレーテッド・マーケティングの事例の中でも特に能動的な参加ができる事例として知られています。

このように消費者自身に参加意識を抱かせるコーズ・リレーテッド・マーケティングも今後はますます増加していくと言われています。実際、2020年はレジ袋有料化などの環境問題にまつわる問題はもちろん、新型コロナウイルスへの対策などにおいて医療業界や配送業界の負担にも多くの人の目が向けられています。このように社会情勢が大きく変化すると消費者の関心も移り変わりやすいため、その時の自分のライフスタイルを考えて最適な団体に寄付できることで、消費者からのエンゲージメントも高まります。マーケティングコンセプトの観点でいえば、単に「消費者が望む商品を提供することによって選ばれる」という段階から「消費者自身が望む社会貢献を、消費活動によって実現できる商品が選ばれる」という段階に進んでいると言わざるを得ないでしょう。

③消費者とのコミュニケーションの重要度が高まる

前述のコーズ・リレーテッドマーケティングの事例でも触れたように、現在の消費者の関心事は環境問題にとどまりません。医療情勢に関心が強い消費者もいれば、地域のボランティア団体に貢献したいと考える消費者もいるでしょう。さらに、関心事といっても環境問題や寄付だけが選択肢となるわけではありません。QBハウスやセブンゴールドの事例のように、既存の商品やサービスに満足しているわけではなく新たな選択肢を求めている消費者も増加しています。そのように消費者の関心事やニーズが多様化している現在ですので、以前よりもますます消費者とのコミュニケーションの重要度が高まっています。マーケティングコンセプトの変遷の歴史を振り返ってみると、消費者とのコミュニケーションは望むプロモーション活動の実現や商品やサービスを購入する時の動機の分析に留まっていましたが、今後は消費者の新たなニーズあるいはインサイトに着目し、顕在化する前の段階で企業から消費者に商品やサービスを届けていく必要性がますます高まるでしょう。

こうした状況下において消費者とのコミュニケーションを強化するためには、SNSが果たす役割が非常に大きくなるでしょう。以前は消費者とコミュニケーションを取ろうと思っても、基本的にはCMや公式サイトなどで一方的に企業側が情報を発信し、消費者からはメールマガジンなどで配布するアンケートの回答や公式ホームページの多くに設置されているお問い合わせ窓口あるいはメールフォームからしか企業に自分の意見を伝えることはできませんでした。しかし、現在はSNSが普及したことにより企業が自らのアカウントを運用している事例も増え、結果的に消費者側から企業に対するアクションも取りやすくなっています。こうした状況下において、多くの企業はSNSを活用して消費者と活発にコミュニケーションをとり、そのコミュニケーションの中で消費者のニーズやインサイトを探りながら次のマーケティング戦略に役立つペルソナを構築しています。今後のマーケティングコンセプトの変遷がソーシャル・マーケティングが続くのがコーズ・リレーテッド・マーケティングが今よりも圧倒的に増えるのか、それとも全く別のマーケティング手法が主流になるのかは分かりませんが、その時に迅速に対応したマーケティングコンセプトを打ち出すためにもSNSを活用して消費者とコミュニケーションを取っておくことは重要となるでしょう。

マーケティングコンセプトを使い分けて消費者に求められる企業になろう

マーケティングコンセプトは時代の変遷に応じて急速に変化することも珍しくはありません。今日まで求められていたものが明日には古いものになっているかもしれませんし、逆に今まで見向きもされなかったものが急に脚光を浴びる事例も決して珍しいものではありません。企業としてはそのような時流に置いて行かれないためにも、消費者のニーズや市場の状況、あるいは政策の方向性によってマーケティングコンセプトを複数使い分け、どんな状態であっても消費者から求められる企業とならなければなりません。

当然、消費者から求められる企業となるためには企業が掲げているマーケティングコンセプトを分かりやすく消費者に提示し、それに対する共感を得られるような仕組みを作っていく必要があります。そうした状況では、インフルエンサーが非常に強い効果を発揮するでしょう。インフルエンサーが企業のマーケティングコンセプトを伝えることによって、従来の広告などを用いて伝える手法よりも「企業が主導して押し付けている」という感覚を減らして消費者に届けることができるため消費者側も受け入れやすくなります。さらに、企業のブランドイメージに合うインフルエンサーを起用することができれば、ターゲット層に対してクリティカルにマーケティングコンセプトを伝えることもできるため企業としても費用対効果が非常に高くなるでしょう。もし、そのようにインフルエンサーを起用してマーケティングコンセプトを消費者に届けることを検討しているのであれば、ぜひトリドリマーケティングにご相談ください。貴社のブランドイメージを最大限効果的に伝えることができる最適なインフルエンサーを紹介させていただきます。

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