富裕層マーケティングのポイントと成功事例4選

富裕層マーケティングで顧客単価をアップさせよう

マーケティングでは色々なターゲットを定めて、そのターゲットの求める商品やサービスを提供することが成功するための秘訣です。仮に市場に存在する全ての顧客の需要を同時に満たすことができる商品やサービスを開発することができれば、その市場におけるシェアは100%となり圧倒的に優位な立場に立つことができるでしょう。

とはいえ、市場に存在する顧客はそれぞれ違った思考回路を元に消費行動に至るため、全ての需要を同時に満たすことは絶対に不可能です。それぞれ好みや予算も違いますし、消費行動に至るタイミングも異なるでしょう。そのため、企業はそれぞれ商品やサービスごとに適切なターゲットを定めてブラッシュアップしていくことで選ばれる商品・サービスを生み出すことを目指します。

若年層をターゲットとするマーケティングや家族連れをターゲットとするマーケティングなど様々なマーケティングがありますが、今回は富裕層マーケティングについて詳しく解説していきます。富裕層の行動特徴からアプローチの方法、実際に富裕層マーケティングを行っている企業の事例や富裕層マーケティングを成功させる時に抑えておきたいポイントなど、富裕層マーケティングにまつわることを解説していくので参考にしてください。

富裕層マーケティングとは

そもそも、富裕層マーケティングとはどのようなマーケティングをいうのでしょうか。富裕層マーケティングを理解するためには、まずマーケティング上で「富裕層」と呼ばれる層がどの程度の層なのかを知らなければなりません。世間的な価値観では「年収1,000万円」を超えると富裕層の仲間入りをすると認識されますが、マーケティング上では所持している金融資産が1億円を超えている層を富裕層と定義することが多いと言われています。この金融資産とは、資産の中から土地や建物、機械や設備といった実物資産を除いたもののことをいいます。具体的には、現金はもちろんとして預金・貯金・株式・出資金・株式以外の国債や投資信託などの証券、そして金融派生商品、保険準備金・年金準備金等が金融資産にあたります。すなわち、マーケティングにおいては仮に1億円のマンションを購入したからといって富裕層にはカウントされません。もちろん1億円のマンションを購入できる人は、多くの場合それ以上の金融資産を持っていることがほとんどですが、不動産だけで金融資産を持っていないと富裕層として定義されないという点は少し世間的な認識とのズレがあるので覚えておくと良いでしょう。

さて、この富裕層マーケティングですが、実は以前から富裕層を狙ったマーケティングは存在していました。そもそも富裕層は持っている資産が多いため、気に入った企業に対しては多く消費する傾向があります。そのため、普段から高額商品を富裕層向けに用意し、一気に目標を達成しようと考える企業も少なくはありませんでした。このように元々そういう傾向があった富裕層向けのマーケティング戦略ですが、特に2000年代に入ると急速に発達を始め「富裕層も購入するための商品やサービス」ではなく「富裕層のみをターゲットとしている商品やサービス」も生まれ始めました。途中、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災などをきっかけに富裕層マーケティングは一時的に失速しますが、現在ではまた富裕層人口が増えてきているため富裕層マーケティング自体も2000年当時の勢いを取り戻しつつあります。実際、2017年時点で日本国内には金融資産だけで1億円を超える富裕層が約320万人いると言われているため、そうした富裕層に向けて単価の高い商品やサービスの提供が常に行われているのです。

富裕層の行動特徴

マーケティングを成功させるためには、ターゲットとなる層の行動様式やライフスタイルを知り、どのような時に消費行動に至るのかを知らなければなりません。しかしながら、金融資産が1億円を超えている富裕層が消費行動に至るまでのカスタマージャーニーマップを作ろうと思っても、なかなか富裕層がどのように考えて行動するのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、ここでは富裕層マーケティングに役立つ富裕層の行動的な特徴をアプローチのための具体的な方法とともに紹介していきます。富裕層マーケティングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

自分で調べることを好む

誰かに依頼をすればすぐに自分が望む情報を手に入れられるイメージの強い富裕層ですが、実はそうした世間的なイメージとは裏腹に富裕層は基本的に自分で調べることを好みます。商品やサービスを利用する際には、自分で情報を集めて詳しく口コミなどをチェックするのです。口コミは自分の友達に聞くこともあれば、一般家庭のようにAmazonや楽天市場、@コスメや食べログといったレビューサイトを活用することも少なくはありません。富裕層にとって「自分で調べて情報を得る」ということは、消費行動を決定する上で非常に重要なプロセスなのです。

そのため、富裕層マーケティングを行うさいにはしつこい営業は悪手となってしまいます。仮にターゲットとなる富裕層にとって理想的な商品やサービスであり絶対的に得をする内容であっても、しつこい営業によって情報を押し付けられると心理的に拒否してしまい、それ以降は絶対に営業の話を聞こうとしてくれません。そのため、富裕層に対してアプローチをする時には企業側が能動的に声をかけて情報を与える手法はとらない方が良いでしょう。あくまで富裕層から求めてきた時に必要な情報を必要な量だけ過不足なく提供し、営業活動をするというよりは富裕層とコミュニケーションをとるような意識で接することがおすすめです。

これは高額なマンションや保険商品といった取引でも、富裕層が日常的に使うブランドバッグやジュエリーなどの装飾品でも同じことです。実際、比較的手に取りやすい価格帯の店舗に行った場合には店員にすぐに声をかけられて煩わしい思いをした経験がある人でも、ハイブランドの店舗に入った時にはこちらから声をかけるまで店員から話しかけられずに自分のペースで快適に商品をチェックできたという経験を持つ人もいるでしょう。そうした経験はハイブランドの店舗が「自分で能動的に調べたい」という富裕層の行動的な特徴を熟知しているからこその対応だと言われています。

最終的には人を活用する

自分で調べることを好み、どんなに良い情報であっても望んでいない時に営業から押し付けられると拒否してしまうという特徴を持つのが富裕層です。しかしながら、実は富裕層は自分でどんなに調べた情報であっても最終的な活用は人に任せるという特徴があります。最終的な判断まで自分で下して実働のみを人に任せるという富裕層もいれば、最終的な判断に至るまでの材料は自分で集めて自分の意見も持ったうえで、本当に判断を下す際には人の意見を聞き入れるという富裕層もいます。この時、富裕層が頼るのは単にその時にたまたまそばにいる営業ではありません。富裕層が最終的に自らの決断を任せる際に選ぶのは、判断を下すまでに集めた材料から「信頼できる」と判断した相手だけです。

たとえば、今までにノウハウを持っていない不動産の運用を検討している富裕層がいるとしましょう。その時、一般的な人は「不動産の運用をしてみたい」と考えている時に目に留まった広告の会社に任せたり、たまたま知り合った不動産会社に決めることが多いと言われています。しかしながら、富裕層の場合は判断基準が異なります。富裕層は「その時にたまたま目に入った人」ではなく、そこまでの情報を集める時点で「直接セミナーなどで出会った講師」に頼る傾向があります。仮に営業してきた企業の方が知識が豊富で実際に利益を出すためのノウハウをたくさん持っていたとしても、そこまでに富裕層の信頼を得ることができていなければ選ぶことはありません。それどころか、少しばかり損をしても講義内容などを通して交流し、信頼できる人物だと認めている講師の方に全幅の信頼を寄せるのです。

この行動の理由としては、「富裕層は普段から多くの営業と接しているため、営業自体に拒否反応が出ているから」とも「富裕層は常人とは違う量の資産を持っているため、少しの損は気にしないから」とも言われていますがはっきりとした理由は分かっていません。明らかなのは、富裕層は損得よりもその人へのエンゲージメントで物事を決める傾向があるちおうことだけです。こうした富裕層の行動的な特徴を見てみると「消費者の需要を満たす商品を用意することができれば選ばれる」というマーケティングの基本的な常識が覆されてしまうため、どのようにアプローチしていけば分からなくなってしまうかもしれません。しかしながら、「人へのエンゲージメントで活用する人物を選ぶ」という特徴に注目してみれば、自ずと富裕層へのアプローチ方法も見えてくるのではないでしょうか。

富裕層に営業を仕掛ける際には、能動的な営業よりも受動的な営業の方が好まれることは既に説明しました。それと同じで、富裕層に活用される際には営業としてのみ接するよりも深い関係を築く知人になるような気持ちで接していくのが望ましいとされています。自分の目の前に金融資産だけで1億円以上持っている人物がいると営業としては焦ってしまいがちですが、目先の利益だけにとらわれずにゆっくりとコミュニケーションを行うことで「企業と消費者」という垣根を超えた信頼感を築き上げることを優先しましょう。そうすることで、企業から能動的にアプローチを行わなくても富裕層の方から声をかけてもらえる存在になることができます。こうした「待つ姿勢」こそ富裕層マーケティングでは覚えておきたいことなのです。

富裕層は群れる

どの年にも一つはあると言われている高級住宅街を想像しても分かる通り、富裕層は基本的に群れたがる性質があります。もちろん富裕層が集まることによって高級スーパーやデパートが進出し、一般的な所得の人は土地を買いたくても買えなくなるから富裕層しか集まれないという構造もありますが、そうした構造を抜きにしても富裕層は富裕層独自のネットワークを構築している場合がほとんどです。すなわち、富裕層はほぼ確実に富裕層の友人を持っているのです。

ここであなた自身が企業の営業であると仮定してみましょう。営業電話が功を奏し、営業としてだけではなくほぼ友人といっても良い距離感まで親しくなった富裕層にさらに富裕層の友人がいる時、新たな人脈を形成するためにも一刻も早く富裕層の友人を紹介してほしいと思うのは当然の心理なのではないでしょうか。もちろん、現在の関係性の良い顧客から新しい顧客へとネットワークを広げていくのは営業として決して間違った手法ではありません。

しかしながら、ここまでで解説してきた通り基本的に富裕層は能動的な営業をされることを嫌います。すなわち、富裕層の友人を紹介してもらうようにこちらから働きかけることで、今までどんなに親しくしていた富裕層であっても心を閉ざされてしまうリスクがあるのです。他の人よりも圧倒的に資産を持っている富裕層だからこそ、これまでの経験で利用されてきたことも少なくはありません。だからこそ同じくらいの資産を持つ富裕層同士で群れ、おかしな利用をされないように自衛しているのです。

とはいえ、富裕層の持つ富裕層友人が営業として魅力的なことには変わりありません。そのため、そうした富裕層の友人を紹介してもらいたいのであれば、こちらも待つことを意識しましょう。企業側が頼んで紹介してもらおうとしても、上手くいくことはほとんどありません。それよりも、富裕層自身が「この人なら信頼できるから友人を紹介しても良い」あるいは「友人が困っていることをこの人の知識なら解決できそうだから紹介しよう」と思えるまで待つことで、結果的に能動的に働きかけるよりも多くの富裕層の友人と知り合うことができるのです。

クローズドな環境を好む

群れたがる傾向がある富裕層ですので、オープンな環境よりはクローズドな環境を好む傾向があります。富裕層だけが集まっている独自のネットワークを形成し、招待されていない人は入れないような環境を自分たちで作り出すことも決して少なくはありません。

富裕層同士の閉じた交流の例としては、たとえ入会審査のある会員制のクラブや会員制のレストランが挙げられるでしょう。誰かの紹介がなければ入店自体ができない一見さんお断りの店も富裕層のクローズドな環境を好むという行動特徴が生み出したものです。子どもの教育などを目的として一般的なファミレスなどを利用する富裕層もいますが、どちらかといえば会員制の安心できる環境を好む富裕層の方が多いでしょう。こういったクローズドな環境で、富裕層は単に他の人に利用されたり追求されたりしない状況を楽しんでいるだけではありません。富裕層という同じ価値観同士での交流や情報交換を楽しむ一方で、「お金を使っている」という行為自体に満足感を覚えることもあるのです。

こうした富裕層の行動特徴からは、富裕層がプレミアムな付加価値を求めていることが分かるでしょう。単に「お金を出せば買える」ということだけではなく「富裕層だからこそ持てる」あるいは「持っていることで富裕層であると周りに分かる」という付加価値をつけることで富裕層マーケティングを効率的に進めることができるようになります。次に紹介する富裕層マーケティングの実際の事例から、どのような付加価値が好まれるか参考にしてみてください。

富裕層マーケティングの事例4選

富裕層マーケティングは一件あたりの単価が高くなるため日本でも注目されているマーケティング手法ですが、一方で金融資産が1億円を超える富裕層は約320万人ということでそれほど市場が大きいわけではありません。さらに「富裕層も含めたマーケティング」ではなく「富裕層のみを狙ったマーケティング」ということで必然的にさらに市場は小さくなります。

そのため現時点でも富裕層マーケティングを行っている企業は非常に限られているのが実状です。しかしながら、富裕層マーケティングに成功することができれば富裕層はもちろんそれ以外の人たちからの知名度も高まり憧れの存在になることができるでしょう。ここでは、そんな富裕層マーケティングの実際の事例を四つ紹介していきます。

レクサス

車は移動の際に欠かせない交通手段です。そのため富裕層の中にはランボルギーニやロールスロイスのように「見ただけで富裕層であることが分かる」という車を好む人も少なくはありません。しかしながらそうした富裕層ばかりではなく、中には「あくまでも移動の手段の一つでしかないので、その手段を使うだけで注目されるのは極力避けたい」と考える富裕層もいます。そうした後者の富裕層にとって、車に詳しくない子どもでも名前を知っているような海外の高級車は選択肢としてふさわしくないでしょう。注目されないためには、乗っていて不快にならない快適な乗り心地を提供してくれつつ、国産車として目立たないビジュアルの車が必要となってきます。快適な乗り心地を追求すると狭い車やシートの固い車は選択肢から外れてしまうので必然的に大衆車を買う選択肢はなくなるでしょう。

そうした富裕層の心理に目をつけたのが、トヨタ自動車です。トヨタ自動車は分かりやすい高級感がないため知らない人からも注目をされることはないながらも、持っていることでステータスになり乗り心地なども富裕層に納得を与える車を提供するためにレクサスという高級車ブランドを展開しました。ランボルギーニやロールスロイスのように目立つことなく乗りこなしながら「富裕層が購入する車」というプレミア感を与えることで心理的な満足感も生み出しています。

このようなレクサスというブランドの確立によって、トヨタ自動車は富裕層マーケティングに成功しました。さらにトヨタ自動車は、レクサスの高級感は失わないまでも比較的購入しやすい価格帯の車も発売することによって富裕層以外にもマーケティング戦略を成功させています。車はそれ自体を趣味にしていて憧れを抱いている人も多いため、高級車のステータスに惹かれて購入する富裕層以外の人も少なくはありません。そこでトヨタ自動車は、最初に「レクサスは富裕層向けの車である」というイメージを強烈に与えることで富裕層以外の人も含めた憧れの車としてのイメージを確立し、少し低価格帯のレクサスも販売することによって実際の購入にまで結びつけたのです。

そのため、このレクサスの事例は現在では厳密に「金融資産1億円以上の富裕層のみをターゲットとしているマーケティング戦略」とは言えないかもしれません。しかし会員制クラブのように年収による制限や紹介による招待制を用いて意図的にクローズドな環境を作り出さない限り、遅かれ早かれ富裕層マーケティングは「金融資産1億円には届かないまでも高級感に憧れを抱く人たち」に向けたマーケティング戦略に変化していくのです。その考えると、トヨタ自動車はレクサスで強烈に高級車のイメージを与えたという点で富裕層マーケティングのみならずその後のマーケティング戦略でも成功を収めているといえるでしょう。

リゾートトラスト

リゾートトラストは、富裕層に向けた会員制のホテルやゴルフ場を運営している会社です。特に会員制のホテルは非常に有名で、所持していなくてもホテルの名前は目にしたことがあるという人も多いかもしれません。リゾートトラストのコンセプトとして「ハイセンス・ハイクオリティ」と「エクセレントホスピタリティ」が掲げられていて、そのコンセプトに基づき一定の年収以上の人にしか会員権が販売されていないホテルです。

「ホテル」と名がつきますが実際は別荘のように使うことが可能で、最初に部屋を使用する権利を購入した後は年会費を払うことで自分の好きな時間に予約して好きな部屋タイプを使うことができるシステムとなっています。ただしホテルによっては既に会員権は売られていないこともあり、必ずしも自分の好きなホテルの好きな部屋の会員権を購入できるとは限りません。また、仮に「ラグジュアリーな旅行に憧れを持っている一般的な所得帯の人」が会員権を購入しようと思っても容易に購入できるものではないでしょう。

たとえば2020年9月現在で販売されている会員権を見てみると、会員権自体が約3,900万円かかるだけではなく、運営管理費として年間約30万円を要するなどとてもではありませんが一般的な所得層が気軽に手を出せる価格帯ではありません。これは一般的な新築マンションの購入額に相当するため、イメージとしてはマンションを二部屋所有するということになるでしょう。しかも、購入したとしてもここに住めるわけではなく、上記の金額はあくまで年間の宿泊数の上限が26泊となるプランです。いくらラグジュアリーな旅行に憧れを持っていても、この会員権を買える人は限られているのではないでしょうか。

リゾートトラストもそうした経済状況を熟知しているため、大々的に告知を行うことはほとんどしていません。富裕層のネットワークの中で口コミ、あるいは会員制のクラブなどで案内をすることにより、富裕層向けのビジネスとして成立しているのです。もちろんリゾートトラストの公式ホームページから資料請求などを行えば富裕層ではなくても説明資料を手に入れることはできますが、富裕層マーケティングに原則に基づき能動的に営業活動をされることはないでしょう。トヨタ自動車のレクサスの事例とは違い、プロモーションを行う相手を選別することで情報入手自体を難しくするのがリゾートトラストの行う富裕層マーケティングの戦略です。市場を狭くしても富裕層がクローズドな環境で過ごすことを好んでいるから売れるという自信があってこその戦略だといえるでしょう。

ダイナースクラブ

日本における富裕層マーケティングといえば、真っ先にダイナースクラブのクレジットカードをイメージする人も多いかもしれません。ダイナースクラブのプレミアム会員となりクレジットカードを利用すると、通常のクレジットカードとしての機能はもちろんコンシェルジュサービスを利用することも可能です。コンシェルジュサービスの詳細としてはレストランやゴルフ場といった一般的な施設の予約はもちろん、旅行の手配やコンサートや演劇のチケットの手配、記念日のプレゼントの手配も含めたきめ細やかなサービスを受けることができます。さらに、このコンシェルジュサービスが付帯しているプレミアムカードの会員となると、銀座の中央に位置する銀座プレミアムラウンジを利用できるだけではなく、会員だけが利用できるレストランの利用なども可能になります。

こうしたコンシェルジュサービスだけではなく、国内外の空港で利用できる専用のラウンジやゴルフのプライベートレッスンの割引などのサービスも利用できるダイナースクラブのプレミアム会員になりたいと考える人もいるでしょう。しかし、もちろんこれらのサービスも富裕層に向けたサービスですでの誰でも簡単に受けられるわけではありません。ダイナースカードのプレミアム会員になるためには2020年9月現在で143,000円の年会費がかかります。これだけであれば払えるという人も多いかもしれませんが、入会には年会費だけではなく審査も必要となっているため誰も入れるわけではないでしょう。さらに入会審査の詳細は非公開となっているのも、富裕層のクローズドな環境を好むという行動特徴が反映されています。上質なサービスを提供する代わりに誰でも入れるわけではない条件を設け、さらに審査基準も非公開とすることで興味本位での資料取り寄せなどを防ぎ会員である富裕層のプレミアム感を高めるということで、ダイナースクラブは富裕層マーケティングのお手本といっても良い戦略をとっていることが分かります。

ヒルトン・グランドバケーションズ

国内の高級ホテルとして知られているヒルトンも、リゾートトラストと同様に会員権を販売するサービスを行っています。タイムシェアというサービスで国外のヒルトンホテルの会員権を販売し、年間で数泊好きな時に予約して使えるサービスを展開しています。リゾートトラストはどちらかというと国内のホテルが中心でしたが、ヒルトン・グランドバケーションズはハワイやニューヨークなどの海外のバカンスポイントを中心にサービスを展開しています。さらに、ヒルトン・グランドバケーションのオーナーになるとニューヨークとワシントンと小田原にあるヒルトンクラブのリゾートでオーナー専用のラウンジに泊まれるなど、タイムシェア以外のサービスも充実しています。

海外旅行が好きな人の中でも、特にハワイでのバカンスが好きな人にとっては非常に魅力的なプランだと思う人も多いのではないでしょうか。何度もハワイに泊まる人であれば、最初に会員権の購入さえすませてしまえば長期的に見て非常にコストパフォーマンスが高くなることは間違いありません。海外のリゾート地に別荘のような施設を所有できるという特典も非常に魅力的でしょう。

しかしながら、このヒルトン・グランドバケーションズの会員権も簡単に購入できるものではありません。会員権自体の値段は公開されていませんが、会員になるためには説明会に参加しなければなりません。その説明会の参加資格として、夫婦合算で年収750万円以上の家庭という条件が設定されています。ここまでで紹介した他の三つの事例に比べると少し条件は緩いように思われるかもしれませんが、それでも日本における給与所得者全体の中央値が360万円前後であることを考えると厳しい条件であることが分かります。また、さらに年収750万円を突破していることは最低限の参加条件であり、当然ながら会員権も決して安いものではないことが推測されます。こうした条件からも、海外旅行に行き慣れていて現地で慌ただしく観光やショッピングを楽しむよりは、のんびりとバカンスを楽しみたいという富裕層をターゲットとしたマーケティング戦略であることが分かるでしょう。

富裕層マーケティングを成功させるためのポイント

富裕層マーケティングを行うために色々な準備を進めていると、「富裕層との接点がない」という壁に直面することがあるでしょう。ハイブランドの商品を扱っている企業であれば富裕層との接点も持っているかもしれませんが、これからコネクションがない中で富裕層向けのビジネスを始めていく際には、まず富裕層とのコネクションを作ること自体が非常に高いハードルとなってしまいます。

では、そんな富裕層マーケティングを成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、最後に富裕層の行動特性も踏まえて富裕層マーケティングを成功させるために知っておかなければならない三つのポイントを紹介していきます。

富裕層向けのクラブへ広告を依頼する

富裕層と全く接点を持っておらず、接点を作るためのコネクションも持っていない企業の場合、まずは富裕層の間で認知されるように働きかけなければなりません。どのような商品やサービスを富裕層に向けてプロモーションしていく場合であっても、富裕層の中である程度の知名度を得ていなければ門前払いされてしまいかねません。

そのため、まずは富裕層向けのクラブへと広告出稿の依頼をすると良いでしょう。広告出稿といっても、街中の掲示板のように大々的に広告を飾ってもらえるわけではありません。しかしながら、クラブの会報の片隅などに企業の広告を入れてもらうことができれば、少なくとも富裕層の一部に認知されることができるでしょう。まずは富裕層多く利用しているレストランやクラブ、あるいは会員制のクローズドな性質を持つレストランやクラブに依頼して富裕層からの認知度を高めるのも富裕層マーケティングを成功させるために重要なポイントです。

富裕層と交流がある企業とコラボする

一般企業はなかなか富裕層へのコネクション自体を持っていないことも少なくはありませんが、実は今まで富裕層をメインターゲットにしてきた企業は一般的な所得層へのマーケティングノウハウを持っていないことも少なくはありません。トヨタ自動車のような事例を除くと、お互いにコネクションやノウハウが不足していて困っているということもあるでしょう。そのため、そのように富裕層と既にコネクションはあるものの一般的な所得層に対するノウハウを持たない企業とコラボすることもおすすめです。

そうした企業は富裕層の情報を多く持っているため、こちら側としてもベネフィットは大きくなるでしょう。もしかしたらコネクションの紹介をしてもらえるかもしれません。もちろん、単に恩恵を受けるだけではなく富裕層マーケティングに詳しい企業に対しては一般的なマーケティングノウハウを紹介することで相互に協力できる関係性を築くこともできます。身近に富裕層マーケットを行っていてコラボできそうな企業がないか探してみるのも良いのではないでしょうか。

富裕層向けのWebメディアの作成

残念ながら、富裕層向けのクラブやレストラン自体のコネクションもなく、また周りに富裕層マーケティングを行っている企業がないということもあるでしょう。あるいは、富裕層マーケティングを行っている企業があってもこちらから提供できるベネフィットではコラボを受け入れてもらえない場合もあります。その場合、自分たちで富裕層向けのWebメディアを作成するのもおすすめです。

富裕層の行動の特徴として自分で情報を調べ、さらにクローズドな環境を好むということを紹介しました。実は富裕層向けのWebメディアの作成は、この二点の行動特性を同時に満たすことができるので喜ばれやすいと言われています。最初はコンテンツ自体の知名度を高めるために全員がアクセスできるWebメディアを運営し、知名度が上がってきたところで富裕層限定のコンテンツを公開すると良いでしょう。年収などの一定のラインで制限をつけることで、プレミア感を演出でき富裕層を心理的に満足させることが可能です。

さらに、富裕層は自分で情報を集めることを好むので広告媒体は避けがちですが、自分自身で検索してWebメディアを見つけたという経験があれば受け入れてもらいやすくなります。その富裕層限定のコンテンツで商品やサービス、企業の紹介をしていけば富裕層向けのマーケティング戦略を始めることができるでしょう。そうしたWebメディアを作成するためには、自社の提供する商品やサービスがどの地域に住んでいる、どの年代の富裕層に受け入れられるかを詳細に分析しなければなりません。そうした分析を元にWebメディアを構築し、SNSなどを利用して認知度を徐々に高めていけば待っているだけで富裕層の方からアクセスしてくれる状態を作り出せることは間違いありません。

さらに爆発的にアクセス数を増やすための方法としてはインフルエンサーの起用もおすすめです。富裕層から好まれるインフルエンサーを起用することで、単にSNSなどを使って周知させるよりもクリティカルにターゲットに対してアプローチを行い認知度を高めることができるでしょう。もちろんそうしたインフルエンサーのフォロワーも富裕層だけではないので、トヨタ自動車のレクサスの事例のように富裕層だけではなく富裕層に憧れる層に対しても同時にアプローチができ、非常に効率的になります。

富裕層マーケティングはターゲットを絞って行おう

元々の市場がそれほど大きくない富裕層マーケティングでは、なによりもターゲットを絞ってクリティカルにアプローチをすることが大切です。車に分かりやすい高級感を求めない富裕層、ハイクラスな旅行やバカンスを楽しみたい富裕層、クレジットカードに機能をつけることでお金を払う時に満足感を得るだけではなく様々な恩恵を受けたい富裕層など、しっかりターゲティングを行うことで取るべき戦略も自ずと見えてくるでしょう。

もちろん、そのようにターゲットが明確になっているからこそインフルエンサーの起用も功を奏します。もし富裕層マーケティングにインフルエンサーを起用して爆発的な効果を得たいのであれば、ぜひトリドリマーケティングにご相談ください。

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