口コミマーケティングの利点・問題点と成功事例7選

話題の口コミマーケティングについて徹底解説

マーケティング手法にはインフルエンサーマーケティングのように比較的最近生まれたものから、バイラルマーケティングのように歴史が古い手法など色々な手法があります。

その中でも、近年は特に「口コミマーケティング」という手法が注目されています。従来の口コミとは違い、近年ではSNSなどの台頭により直接的に関わりがない人たちの間でも爆発的に口コミが拡散していくようになりました。そのため、口コミの存在感も企業は決して馬鹿にできるものではないのです。

口コミマーケティングとはどういった特徴を持ったマーケティング手法なのか、そしてマーケティングに口コミマーケティングを利用するメリットや注意点、また実際の事例や成功率を上げるために覚えておきたい点など、今後口コミマーケティングを始める上で大切になることを把握しておきましょう。

口コミマーケティングとは

マーケティングの手法の中でも口コミマーケティングとは、その名の通り消費者同士の口コミによって商品やサービスの認知度が高まり、売上額が伸びていく手法のことを言います。消費者の中でも特に最重要としているターゲット層の注目を集めることに成功すれば、その後は企業が広告に対して力を入れなくても自然にターゲット層に口コミが広がっていき、多くの消費者が企業の存在や商品・サービスの重要性に気付いていく状況が得られるでしょう。

一つの商品やサービスに対して口コミが広がることでその商品およびサービスの売上額が伸びるだけではなく、話題になることによって自然と次の商品に対する期待度も高まるため次の商品は発売前から予約が殺到するような状況になることもあります。たとえば国民的に人気の高いゲームや漫画であれば、一度話題になるとシリーズの次回作は内容が公開される前から多くの人が「次はいつ発売されるのか」という情報を集めたり、内容が公開されなくても発売日前日から店舗に並ぶ人が後を絶たない状況になることもあるでしょう。そうした状況を、企業がそれほど意図しなくても発生させることができるマーケティング手法が口コミマーケティングです。

口コミマーケティングは2種類

単に「口コミマーケティング」といっても1種類だけではありません。口コミマーケティングは大きく分けると2種類に分けられると言われています。それぞれの口コミマーケティングを知り、特徴や違いを把握していきましょう。

まず1つ目の口コミマーケティングは、「仕掛け型」と呼ばれるタイプの口コミマーケティングです。仕掛け型の口コミマーケティングは、その名の通り企業が積極的に口コミが増えるように誘導するマーケティング手法です。たとえば商品を発売する前から企業が意味深なCMを多く流すことで消費者の興味を惹くように誘導したり、口コミが生まれるのを待つのではなくインフルエンサーなどを積極的に起用して消費者に商品やサービスの存在をアピールするのも口コミマーケティングの一種であるといえるでしょう。こちらの手法の口コミマーケティングは、企業が消費者が興味を抱いて徐々に売上がアップするように誘導するバイラルマーケティングと手法が似ていると言われていて、実は両者にはそれほど大きな違いはありません。

この仕掛け型の口コミマーケティングは、「面タイプ」や「点タイプ」の口コミマーケティングであると呼ばれることもあり、企業が主導して仕掛けを施すからこそ広範囲に口コミが広がって大きな効果を出す一方で、短期的に効果は出るものの仕掛けを行わなくなった時点で一気に売上が落ちてみえるというデメリットがあります。仕掛け型の口コミマーケティングを行う際には、仕掛けを施さなくなった後も自然発生的に消費者間で口コミが生まれていくような仕組みを構築しておくか、商品やサービス自体の質を高めて消費者から長期間にわたって重宝されるようなものを上市するようにしなければなりません。

もう一方の口コミマーケティングは、仕掛け型とは対照的に「自然発生型」と呼ばれる口コミマーケティングです。こちらも名前から推測できる通り企業が特に口コミが発生するような仕掛けを施さなくても自然と消費者の間で話題が発生する現象のことをいいます。たとえば冒頭で例として挙げたような「前作の期待値が高かったため、最新作に対しても消費者の期待が自然と高まり企業が広告を出さなくても購入することを決めているファンが多く存在している」というような状況も、自然発生型の口コミマーケティングの一例だといえます。

仕掛け型の口コミマーケティングが面タイプや点タイプと言われるのに対して、自然発生型の口コミマーケティングは「線タイプ」と呼ばれることがあります。企業の仕掛けがなく自然に口コミが発生するためじわじわと売上が伸び効果を実感しづらい一面がある一方で、自然発生であるために長期間にわたって口コミが発生し続け、売上が安定しやすいというメリットがあります。また、自然発生型の口コミマーケティングは、企業が意図していない商品やサービスに対して発生することもあります。たとえば、新商品の宣伝に力を入れているのになぜか数年前に発表した商品やサービスに注目が集まり売上が伸びるなど、予測できない動きをするのが自然発生型の口コミマーケティングの特徴の一つだといえるでしょう。

企業としては、この2種類の口コミマーケティングのうちどちらを選ぶかという観点ではなく、どちらのメリットも両立させるという観点で行動しなければなりません。仕掛けを作ることによって一瞬だけ売上が大きく伸びてもすぐに終わってしまっては意味がありませんし、逆に何もしなくても売上が発生するのは喜ばしいことですがそれでは目標額に到達しない恐れがあります。そのため企業は口コミが自然発生するほど顧客と強い関係性を構築しつつ、仕掛けによってさらに盛り上げを生み出していく必要があります。「面か線か」を選ぶのではなく「太い線を作る」というようなイメージで行動していくようにしましょう。

企業が口コミマーケティングを行う利点

「口コミ」という言葉の持つイメージは曖昧で、企業として頼るには心もとないと感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、企業としては口コミマーケティングを行う利点は多くは存在しています。ここでは、その多くのメリットの中から特に有名な3つのメリットを紹介していきます。

費用対効果が高い

口コミマーケティングの最大のメリットは、なんといっても費用対効果が高いという点です。特に自然発生型に関しては言うまでもなく、企業が何もしなくても消費者が自然と商品やサービスに対して興味を抱いてくれるため、極論をいえば広告費用を1円をかけなくても大きな売上を生み出すことも不可能ではありません。特に、一度でも大きなヒットを生み出すことができれば、その時点で多くの顧客と強いエンゲージメントを結べるチャンスが生まれるため、今後の売上額の確保にも非常に役立つことでしょう。広告にかける予算を削減した分は商品やサービスの開発に回すこともできるため、さらに消費者からの期待に応えることが可能になります。

自然発生型の口コミマーケティングはもちろんとして、仕掛け型の口コミマーケティングであっても費用対効果は十分に高いと言われています。仕掛け型の口コミマーケティングも、あくまで必要なのは「消費者が口コミを発信しやすいと感じる環境」を作ることだけです。たとえばInstagramやTwitterなどで「新商品を使った感想をコメントしてくれた人の中から、抽選で〇名様に豪華景品をプレゼント」などのキャンペーンを行えば、安価にインターエネット上の盛り上がりを生み出すことが可能です。定期的にキャンペーンを行うことでSNSのフォロワーも増えてエンゲージメントを高める機会にも恵まれますし、キャンペーンが盛り上がれば盛り上がるほど、今までアカウントをフォローしていなかった人に対しても商品やサービスの知名度をアップさせることができるようになります。また、副次的な効果としては企業がなかなか手に入れることができない消費者の生の声を聞く機会を増やすこともできるでしょう。

いずれにせよ、自然発生型の口コミマーケティングも仕掛け型の口コミマーケティングも、非常に費用対効果が高いことが特徴です。消費者の口コミが発生するメカニズムを理解することができれば、広告に対して多くの予算を割く余裕がない企業であっても大きなベネフィットを得ることができるでしょう。

消費者からの信頼度が高い

最近の消費者は、ワイドショーやバラエティなどのやらせ報道を多く目にしているため広告に対して非常に懐疑的な考え方を持っています。そのため企業が自社のホームページ上で商品のメリットとデメリットを余すところなく紹介していても「でもどうせメリットは大げさに言っているだけに違いない」という考え方をすることもあれば「デメリットは隠されているだけで、実はもっと多いに決まっている」と内容自体を否定的に考えることも少なくはありません。実際に商品を利用した人の口コミを掲載している場合でさえ「この口コミは企業が捏造したのかもしれない」と疑ってしまう消費者もいます。そのため、企業が主導する広告の効果は以前よりも大きく減少してしまっています。

しかしながら、口コミマーケティングの場合は企業が口コミが発生しやすいような仕掛けを作っている場合であっても口コミの内容にまでは介入しないのが特徴です。すなわち現代の消費者が嫌う「企業のやらせ」がなく、消費者としては「信頼できる友達」や「信頼できるインフルエンサー」、あるいは「信頼できるSNS上で繋がっている人」たちから商品やサービスに関する情報を得ることとなります。そのため、単に企業が主導する広告を見た時よりも、誰かからの口コミを聞いた時の方が圧倒的に実際に購買のための行動を起こす可能性が高くなるのです。もちろん「信頼できる誰か」は身分がはっきりしている人でなくても構いません。食べログやじゃらんのコメント欄に書かれた匿名の口コミでも構いませんし、App Storeなどで書かれている口コミでも構いません。あるいは、個人が定期的に更新しているブログなども口コミマーケティングにおいては重要視されます。

いずれにせよ、企業としては低コストで売上がアップすることを予測できながら口コミの内容によっては消費者に与える影響がさらに大きくなりますますコストパフォーマンスが良くなるという利点があるといえるでしょう。

インフルエンサーによって爆発的に拡散可能

口コミマーケティングのもう一つのメリットとして覚えておきたいのが、企業はインフルエンサーを起用することによって爆発的に口コミを拡散させることができるという点です。インフルエンサーを起用するマーケティング手法はインフルエンサーマーケティング以外にもコミュニティマーケティングやバズマーケティングなど色々なマーケティング手法がありますが、口コミマーケティングにおいてもインフルエンサーの起用は非常に効果的です。

先ほど既に触れたように、消費者は企業が主導する広告に対しては非常に懐疑的で影響を受けづらい存在です。しかしながら、自分が信頼するインフルエンサーであればたとえ「#PR」というハッシュタグがつけられていても消費者は信じてしまいがちです。また、芸能人の場合は消費者から「企業にお金をもらっているから、使っていない商品でも宣伝している」と思われてしまいがちですが、インフルエンサーの場合は「企業にお金をもらっていても、自分のイメージに関わるからしっかり使って宣伝しているに違いない」と思われるというメリットもあり、インフルエンサーの信頼度は芸能人よりも高いと感じる消費者も少なくはありません。芸能人の中にも自分の納得した商品やサービスのCMにしか出演しないと決めている人もいますが、消費者にとってはそれでもインフルエンサーの方が信頼度は高いと言われています。

そうしたインフルエンサーが商品の口コミを投稿する仕掛け型の口コミマーケティングは、当然ながら消費者に対して絶大な影響力を発揮します。インフルエンサーの好意的な口コミ自体が拡散されることもあれば、商品をPRしている投稿が拡散されて多くの人が影響される場合もあるでしょう。企業としては、仕掛け型の口コミマーケティングを行う際にはインフルエンサーの起用も優先的に検討する方が好ましいでしょう。

口コミマーケティングの問題点・注意点

口コミマーケティングはコスパ良く消費者の購買意欲を促進し、それほど広告に予算を割かなくても良いというメリットがある一方で、口コミマーケティングに頼りすぎてしまうと思わぬ危機に陥ってしまう恐れもあると言われています。実際に口コミマーケティングに頼ることによってどのような問題点が発生するのか、注意点も含めて2つ覚えておきましょう。

ステルスマーケティングになりやすい

口コミマーケティングと非常に似通っているマーケティング手法の一つに、ステルスマーケティングがあります。ステルスマーケティングはたびたび様々な企業が炎上することによって一般にも認知が広がっていますが、企業の関係者が一般人を装って商品やサービスに対して好意的なコメントをすることによって人為的に口コミマーケティングを引き起こそうとするマーケティング手法のことを言います。

仕掛け型の口コミマーケティングと混同されがちですが、仕掛け型の口コミマーケティングは企業が主導していることを隠さないのに対して、ステルスマーケティングは徹底的に企業が関与していることを隠そうとし、あくまで口コミが自然発生したように見せたがるという違いがあります。仮にステルスマーケティングが成功すれば、自然発生で多くの好意的な口コミが発生したように見せることができるので消費者の購買意欲を大きく刺激することが可能ですが、多くの場合はステルスマーケティングを行っていることがバレてしまって企業イメージに大きく傷をつけてしまいます。

口コミマーケティングはステルスマーケティングとは全く異なるものの、消費者の見方によってはステルスマーケティングに誤解されてしまうというリスクがあります。そのため、誤解した消費者が大きな影響力を持っていると、全くの誤解であるにも関わらずステルスマーケティングに手を出す企業であると噂されてしまう恐れもあります。口コミマーケティングを行う際には、万が一ステルスマーケティングであると誤解された時にすぐ釈明できるような準備をしておくことでリスクヘッジが可能になるでしょう。

コントロールが難しい

仕掛け型であっても自然発生型であっても、口コミマーケティングは非常にコントロールの難しいマーケティング手法です。というのも、口コミマーケティングは企業が口コミが発生しやすい状況を作り出す仕掛け型であっても、あくまで仕掛けるのは環境の整備だけであり口コミの内容に介入することはありません。また、口コミが消費者の間で自然に発生する自然型の方は言うまでもないでしょう。

商品やサービスに対して好意的で企業にベネフィットをもたらす口コミが多く掲載されている間は問題ありませんが、企業にとって悪い口コミが広がってしまう恐れもあります。また、そうした悪い口コミによって売上が下がったからといって、意図的にそれらの口コミを削除してしまうと不誠実な企業だと認識されてしまい企業イメージが大幅にダウンすることは免れません。また、口コミマーケティングにおいてインフルエンサーや芸能人を起用して商品やサービスの良いイメージを広げるのは非常に効果的である一方、ターゲティングを誤ってしまっていると期待通りの効果が得られない可能性も十分にあります。

口コミマーケティングを行う際には、ステルスマーケティングを行っていると誤解されるリスクよりもむしろ、悪い口コミが広がってしまうリスクを重要視し事前にリスクヘッジを行っておくべきでしょう。企業としては自信をもって販売した商品であっても、消費者のニーズに合っていなくて期待通りの売上額を確保できないというのはどんなに老舗の大企業であっても起こり得ることです。

口コミマーケティングの成功事例7選

費用対効果が高い一方で、悪い口コミが広がった時にコントロールをするのが難しく常にリスクと隣り合わせなのが口コミマーケティングの特徴です。しかし、企業によってはそうした難易度の高い口コミマーケティングを成功させている事例も少なくはありません。

そこで、ここでは口コミマーケティングに成功した実際の事例を7例紹介していきます。それぞれの企業がどういった姿勢で行うことによって口コミマーケティングを成功に導いたのかを知り、自社のマーケティングへと活かしてください。

はなまるうどん


はなまるうどんはエイプリルフールの企画として、当時流行していた「ダイオウイカ」の天ぷらを発売することを公式ホームページやTwitter上で告知しました。大きさも非常にインパクトがあったことからTwitterでも非常にリツイート数が多く、公式ホームページに関してもアクセス数が普段の約25倍になったと言われています。

あくまでエイプリルフールの企画なので実際にダイオウイカの天ぷらが発売されることはなかったのですが、それでも大きなインパクトがあったため企業の存在感を老若男女問わず多くの人たちにアピールすることに成功しました。このように、インパクトの高い画像や動画を用意するだけで、企業はインフルエンサーや芸能人を起用しなくてもSNSの拡散といった恩恵を受けることも可能です。やりすぎると誇大広告になってしまい消費者離れを起こしてしまうリスクはあるものの、エイプリルフールなどの多くの企業が面白いネタを投稿するシーズンであれば消費者からも受け入れられるでしょう。

ヒゲストロー

 

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We have a new lineup of #Slurpee #MustacheStraws for all your sleuthing needs. #SlurpeeStache

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口コミマーケティングは日本だけではなくアメリカでも盛んなマーケティング手法です。アメリカのセブンイレブンが発売しているシャーベット飲料の「スラーピー」は、単に飲料にストローをつけて飲みやすくするだけではなく、そのストローに「ヒゲ」をつけた「ヒゲストロー」を付属とすることで話題を集め、口コミマーケティングに成功しました。

ヒゲストローは結婚式のテーブルラウンドで用いられるフォトフロップスのような形状をしていて、通常通り飲み物を飲むだけでも面白い写真が撮れると若年層を中心に支持されました。特に「インスタ映え」する写真を撮るのが好きな若者たちの間では、自撮り写真のためにわざわざスラーピーを購入する人も後を絶たず、結果として売上額が大きく伸びたと言われています。

この事例の面白いところは、企業は単に商品を通常とは違うものとしただけで積極的に口コミマーケティングを引き起こそうとはしていない点です。もちろんInstagramを中心としてSNS上で話題になることは想定していたでしょうが、それでも積極的にヒゲストローを使った写真を撮るように推奨したわけではありません。すなわち、このスラーピーの事例は口コミマーケティングの中でも珍しい自然発生型の口コミマーケティングであると考えられています。

ル・クルーゼ


ル・クルーゼの口コミマーケティングの事例は、キャンペーンを行うことによって企業が主体的に盛り上がりを引き起こす仕掛け型口コミマーケティングの代表例として知られています。2016年、ル・クルーゼはInstagramで「#ルクルーゼサクラ」というハッシュタグを付けて、桜に関する写真を投稿することにより参加者にプレゼントが当たるキャンペーンを開催しました。これはル・クルーゼが定期的に発売している「Flower Colleciton」という花をモチーフにしたコレクションシリーズから桜が新発売となったことを契機に開催されたキャンペーンで、キャンペーン内容も桜になぞらえていることが話題を集めました。

ル・クルーゼのキャンペーンは応募件数によってプレゼントの内容が変化し、100件以上の投稿があれば五分咲きとしてティーカップとフルールソーサーを5名に、200件以上であれば八分咲きとしてミニ・フルール・デイリーセットを3名に、300件以上の応募があれば満開状態としてウィンザーポットを1名にプレゼントするというキャンペーンでした。計9名に新シリーズの商品が当たるということで、ル・クルーゼファンのみならず普段はル・クルーゼを使わない人からも多数の応募がありました。

応募件数によってプレゼント内容が変わるキャンペーンは珍しくない中で、、このル・クルーゼのようにプレゼント商品である桜をモチーフにすることでユーザーに興味を抱かせるのは非常に良いアイデアだと言わざるを得ないでしょう。また、写真を投稿するプレゼントキャンペーンというと「自社の商品を含んだ写真」などの応募条件がつくことも多いのですが、ル・クルーゼはあえて「桜に関する写真」といった誰でも参加可能な条件をつけたことにより多くの応募があっただけではなくユーザーに対して「親切な企業」という良いイメージを持たせることに成功したと言われています。

AKB48

日本を代表するアイドルのAKB48も口コミマーケティングを活用して成功したことでよく知られています。AKB48は2014年に開催する東京ドームコンサートのタイトルを一般公募しました。一般的に、コンサートのタイトルは事前に発表されてそのコンセプトに基づいたコンサートが行われる中で、試み自体が非常に新しくファンのみならず多くの人の注目を集めることは想像に難くないでしょう。口コミマーケティングにとって、多くの人の間で話題になることはマーケティングを成功させるための最低条件であると考えられています。AKB48はコンサートタイトルの公募という大胆な手法で、その条件をクリアしたのです。

さらにこの試みは、単に話題にのぼる回数を増やすことだけで口コミマーケティングを成功させたわけではありません。「人気アイドルのAKB48のコンサートタイトルに採用された」という事実は、多くの人の自尊心をくすぐることになるでしょう。ファンはもちろんのこと、キャッチフレーズなどを考えることが好きな人にとっても楽しめる企画になっているため多くの人が関心を持ちやすくなっています。

さらに、若者にファン層が多いアイドルであるためインターネット上の応募だけでも多くの応募数が見込めましたが、AKB48は敢えてメールだけではなくFAXや公式LINEでも応募を受け付けました。これはインターネットの利用に不慣れな年代にも興味を持ってもらえるだけではなく、LINEという手軽な手段も用意することによって通勤や通学の途中のちょっとした時間に応募できるというユーザーの利便性を考慮したのではないかと推測されています。結果として、このコンサートタイトルの公募には17万通を超える応募があったと言われています。「コンサートタイトルを考える」という応募の難易度を考えると、非常にたくさんの応募があったといえるでしょう。

グリコ

グリコが行った口コミマーケティングは、2013年11月11日のポッキーの日当日に「ポッキー」とTwitterで呟くことにより、世界記録を狙うキャンペーンを行いました。前年である2012年には「ポッキー」と呟くことを促し、「1日で最も多く呟かれた菓子名」という項目でギネス記録に認定されたポッキーですが、翌年も同様のキャンペーンを行うことによって、ユーザーの中に「11月11日はポッキーの日」という印象を強く残すことに成功しています。

また、2013年はTwitter上のキャンペーンだけではなく「ポッキーロケットプロジェクト」も同時に行い、ポッキーの形をしたロケットを飛ばす企画を実施し様子を生中継することにより前年よりもさらにユーザーの関心を集めることに成功しました。結果的に当初の目標は200万ツイートでしたが、最終的に目標の1.5倍以上の371万ツイートを記録したとして話題になったキャンペーンです。

ル・クルーゼの事例と同じように「目標のツイート数」をユーザーと共有することによって一体感が生まれ、さらにインターネットの特性を活かして結果を生中継するということにより多くのユーザーの興味を惹けることが分かる事例だといえるでしょう。また、時間制限を設けることには「翌日以降の失速が著しい」というデメリットもある一方で、ポッキーのように毎年内容を変えながらも継続的に開催できるキャンペーンを企画すれば、それほどユーザーを落胆させることなく短期集中型のキャンペーンも成功できることは覚えておくべきです。

ハーゲンダッツ


ハーゲンダッツは、「あのフレーバーをもう一度!」というキャンペーンを各SNS上で開催しました。過去に好評だったフレーバーで現在は売っていないものの中から、復活させたいものに投票することで人気のフレーバーナンバーワンを決めるという企画です。過去に好きだったフレーバーがなくなってしまい残念に思っている昔からのファンはもちろん、1位に選ばれたフレーバーに投票していたファンには抽選で1,000名に実際にフレーバーをプレゼントするという企画で、過去に食べたことのあるファンだけではなく最近の定番商品しか知らないファン層も巻き込むことに成功した企画です。

さらにTwitter上だけではなくInstagramなど、SNSごとに1日1回投票できるという投票形式を採用したため、多くのユーザーが参加しやすいだけではなく拡散力もその他の企業のキャンペーンより高かったと言われています。このキャンペーンは「過去の思い出を共有する」というファンならではの心理を利用しているだけではなく「復活した商品をスーパーなどで売らず、抽選で選ばれたファンだけが食べられる」というプレミア感を付与することによって、多くのファンを熱狂させ総投票数は16万票を記録しました。単に「選ばれた商品を再度商品化する」というよりも、「投票しなければ食べられる可能性がない」という条件をつけたことにより、ユーザーの興味を惹くことに成功したと考えることができるでしょう。ポッキーの例でも紹介したように、このように「限定感」をつけることは、キャンペーンを盛り上げて口コミを加速させるためには非常に効果的です。

さらにハーゲンダッツは、SNS上で定期的に新フレーバーの追加の告知を行っています。キャンペーンを開催するだけではなく、こうした継続的なフォローによってさらに顧客のエンゲージメントを高められることは言うまでもないでしょう。

ロッテ


ロッテは、近年若年層の「ガム離れ」が進んでいることに危機感を覚え、口コミマーケティングによる対策を行いました。2017年、ロッテは主力商品の「Fit’s」の動画広告をYouTubeやTwitterで限定的に公開し、プロモーション活動を行いました。従来のテレビ広告は全年齢層をターゲットとしているものですが、このように「若年層の売上を伸ばす」という明確な目的がある場合は、敢えて広告媒体を制限することでコストを削減する方法をとることもできます。

公開された動画は若者たちから支持を集め、さらにTwitter上では動画広告の中で実際に登場する人物たちのアカウントを作って口コミを行うことで、動画広告に対して親しみを持たせエンゲージメントを高めることに成功しました。プロモーション活動としてターゲティングの精度が高い事例というだけではなく、エンゲージメントマーケティングの手法も取り上げた事例として覚えておくと良いでしょう。

このプロモーションによる効果は単に若年層におけるガムの売上額が伸長しただけではなく、映像の中に登場するFit’sのダンスを高校生たちがYouTube上に「踊ってみた」動画として投稿するなど、インターネットを介した口コミマーケティングとしても成功を収めました。元の動画の動画再生回数は、プロモーション開始時点からわずか1ヶ月で1,000万回を超えるなど、非常に反響が大きかったことが分かります。

口コミマーケティングの成功率を上げる方法

難易度は高いものの、口コミマーケティングに成功することで今までファンではなかった層をファンにしたり、あるいは既に離れてしまったファン層をもう一度呼び戻す効果が期待できるなど、費用対効果が高いだけではなくマーケティング手法としても非常に優秀なのが口コミマーケティングです。

しかしながら、単に口コミを披露しやすい仕組みを作るだけで口コミマーケティングが成功するわけではありません。口コミマーケティングを成功させるためには、さらにテクニックが必要になります。最後に、口コミマーケティングの成功率を上げるための3つの方法について解説していきます。

コンセプトを明確にする

口コミマーケティングは、誰かから誰かへの口コミによって売上額をアップさせるマーケティング手法です。そのためには、ターゲットをしっかり選定するなどマーケティングのコンセプト自体を明確にしなければなりません。コンセプトが明確ではない商品やサービスで口コミマーケティングを行っても、ユーザー間での口コミは発生せず一部のコミュニティ内で話題を集めるだけに終わってしまう恐れがあります。

一方で、コンセプトが目的であればロッテのように限定的な広告しか出さなくてもじわじわと口コミが広がり反響を大きくすることも不可能ではありません。市場に商品やサービスを提供する段階から、どのようなターゲットを狙い、どの程度の拡散効果を期待するのかをしっかり考えるようにしましょう。また、それだけではなく「SNS上での拡散を狙う」のか「食べログなどのサイトを通じた口コミの拡散を狙うのか」といった、口コミの伝播方法も考えておくことでさらに成功率を上げることができます。

インフルエンサーを起用する

既に紹介したように、口コミマーケティングにはインフルエンサーを活用することで爆発的に拡散力を伸ばすことができるというメリットがあります。もちろんインフルエンサーを起用しなくても十分な口コミを発生させることも不可能ではありませんが、成功率を上げるためにはインフルエンサーを起用した方がより確実になるでしょう。

インフルエンサーを起用する際にも、コンセプトを明確にしておくことが役立ちます。どのターゲット層を狙うかによって、インフルエンサーの選定方法が大きく異なってくるでしょう。企業のブランドイメージに合うだけではなく、ターゲットとするユーザー層を多くフォロワーに抱えるインフルエンサーを起用して、口コミマーケティングの効果をさらに上げていきましょう。

キャンペーンを開催する

口コミマーケティングを行う際には、「プレミア感」や「限定」といったユーザーの興味を惹くようなキーワードも非常に重要です。ル・クルーゼのように商品コンセプトに合ったキャンペーンを開催したり、ハーゲンダッツのようにプレミア感を前面に押し出したキャンペーンを開催することによって、口コミの拡散力を大きくアップさせることができるでしょう。

インフルエンサーを起用することで口コミの拡散力は十分に上がりますが、そこにキャンペーンの開催を取り入れることでさらに口コミ効果をアップさせることができます。インフルエンサーからキャンペーン内容を告知してもらうなど、ユーザーに伝わりやすい工夫をするのもおすすめです。一人でも多くのユーザーがキャンペーンに参加し、また、キャンペーンへの参加をきっかけとしてますます企業のファンとなるようなキャンペーンを企画してみてください。

消費者の口コミを利用して売上を大きくアップさせよう!

インターネットが発達した現代では消費者間の口コミは軽視されてしまいがちですが、ネットが発達しているからこそ口コミの拡散力は馬鹿にはできません。口コミマーケティングを活用することで、単一の商品やサービスの売上額をアップさせるだけではなく今後の商品やサービスも積極的に購入してくれる顧客となるように消費者を育てていきましょう。

また、何度も紹介したように口コミマーケティングを行う際にインフルエンサーの協力はほぼ不可欠です。一人でも多くのフォロワーを抱えつつ企業ブランドに貢献してくれるインフルエンサーを探している際には、ぜひ「コラボマーケティング」に相談してください。ぴったりのインフルエンサーの紹介はもちろん、起用方法に至るまでインフルエンサーを起用するマーケティングのノウハウに関してもお伝えいたします。

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