企業アカウントはユーザーをフォローしていい?各SNSごとのフォローの意味合い

企業アカウントは気になるユーザーをフォローして良いのか?

SNSは情報発信に使われることが多いツールですが、自分が一方的に情報発信をするだけだった以前までのホームページとは違い、双方向のコミュニケーションを取ることができるというメリットがあります。個人でSNSを利用している人は、今まで接する機会のなかった遠い土地に住む人と毎日のようにコミュニケーションを取り、お互いがどんな仕事をしてどのような日常を送っているのかをまるで昔から知っている友達のように把握しているという人もいるでしょう。このように、SNSを使うことで従来よりもコミュニケーションが取りやすくなり、同時にフォローしている人の好みも把握することが容易になりました。

しかし、個人同士のSNSの利用とは違い企業アカウントの場合は簡単にコミュニケーションが取れないケースも多々あります。一般的に、企業アカウントがSNSを使う場合は企業から情報を発信し、それに対するフォロワーの反応を見るだけで終わってしまうというケースが多いでしょう。それに対して企業が返信をして個人間のやり取りのように盛り上がったりするケースもないわけではないですが、やはり稀なものとして認識されてしまいがちです。

また、一言で「SNS」といっていてもSNSごとにユーザーの利用意識は異なっています。「あるSNSでは企業からフォローされたいと思っているが、別のSNSでは企業からフォローされることはむしろ迷惑だ」と考えるユーザーは少なくありません。企業としてもユーザーの利用意識の差に着目しなければ、善意でフォローを返したつもりが逆にユーザーからの好感度を下げてしまう結果をもたらす恐れもあります。

そこで今回は、InstagramとTwitter、Facebookの3つのSNSでユーザーをフォローすべきかどうか、それぞれのSNSを利用しているユーザーの利用意識に着目しながらフォローすることでユーザーに与える印象を解説していきます。そして、どのSNSにおいても企業がユーザーをフォローする時に覚えておきたい注意点についても解説していくので参考にしてください。

Instagramでユーザーをフォローすべきか

インフルエンサーマーケティングは既に各SNSで重要視されているマーケティング手法です。その中でもインフルエンサーの活躍の場として最も選ばれるSNSがInstagramであり、インフルエンサーの中でも特にインスタグラマーは消費者の消費行動に与える影響が大きいことでも知られています。そうしたInstagramにおいて、ユーザーに対して広告を投稿したり新商品やキャンペーンの情報を提供したり、あるいはクーポンコードを配布することを目的としてアカウントを持っている企業も多いことでしょう。では、そんなInstagramでは企業がユーザーをフォローすべきか考えてみましょう。

Instagram利用者の意識

各SNSと比較してみるとInstagramはTwitterやFacebookと比べて10代~20代といった若年層の利用率が高いことでも知られています。男女比はそれほどありませんが、どちらかといえば女性の方が頻繁にInstagramを更新したりチェックしている率が高いというデータもあります。SNSのメリットとして実際には会ったことがない人とも情報を共有できるというものがありますが、Instagramの場合はその点はそれほど重視されていなく、フォローするのも実際に顔を知っている人の中でも特に親しい間柄の人が多いと言われています。

そういったSNSごとに特色が違う色々なSNSがある中でも、Instagramは特に利用者が自分で発信した情報を誰かに見てもらうことを期待して利用している人が多いと言われているSNSです。「インスタ映え」という言葉からも分かる通り、Instagramに投稿される写真は他のSNSに比べて凝ったものであることも多く、そうした投稿に対して誰かから「綺麗」や「センスが良い」と褒められたいと考えるユーザーは少なくありません。

もちろん企業の凝った投稿を見ることを目的にInstagramを利用しているユーザーがいないわけではありませんが、どちらかといえばそうしたユーザーは少数派であり、Instagram利用者の大半は誰かに自分の投稿を見つけてもらって褒めてもらう機会を待っているといっても過言ではありません。

他のTwitterやFacebookといったSNSとは違うInstagram特有の特徴として、Instagramはフォローしている間柄の中で「いいね」数を競う傾向が強いSNSです。さらに「いいね」の数を競うだけではなく、お互いの投稿に対してフォローしている間柄である以上は絶対に「いいね」をするべきであるという不文律を持っているグループも少なくはありません。冒頭でSNSは双方向のコミュニケ―ションを可能にする画期的なツールであると紹介しましたが、その中でも特にInstagramはコミュニケーションツールという一面が強くユーザーにおいても「自分が投稿を見ている人には自分の投稿を同じように見て欲しい」という意識が根強いと言われています。

フォローすることでユーザーに与える印象と効果

Instagramは各種SNSの中でも特に自部の投稿を見て欲しいと思う意識が強いSNSです。さらにInstagramユーザーにとって企業は「自分にお得な情報を発信してくれる」だけの存在ではなく「自分の憧れの存在」であることは少なくありません。そのためInstagramで企業がユーザーをフォローするということは企業側がユーザーの投稿を認知しているだけではなく、確認する価値があると認めたということになります。こうしたことを考えると、Instagramにおいて企業がユーザーをフォローするということはユーザーにとってある種の名誉であることが分かります。

企業側からフォロー時に特にユーザーに対してコメントや「いいね」といったアクションをしなくても、ユーザーは自分のフォロワーが増えた時点で誰にフォローされたかを確認して相手が企業であることが分かれば、それだけでユーザーに満足感を与えることができるでしょう。そもそも企業をフォローしている時点でユーザーは企業のファンである可能性が高いですが、さらに企業からフォローが返ってきたことが分かればさらに企業のファンになることは間違いありません。

そのためInstagramにおいては企業側がファンを熱心なファンであると認識した時点でフォローを返すことが推奨されています。特にユーザーが企業の熱狂的なファンであったりインフルエンサーのような立ち位置を目指している投稿が多いと判断した場合は、フォローを返すだけでユーザーを他の企業へと目移りすることがないような熱狂的なファンへと育てることも不可能ではありません。

特にInstagramは他のTwitterやFacebookといったSNSに比べると、いわゆる「自慢が受け入れられる」風土が出来上がっています。すなわち憧れの企業にフォローを返されたユーザーがそれを自身のフォロワーに拡散する可能性が高く、それがきっかけで今まで企業のアカウントを知らなかった存在からもフォローされることでフォロワーが増える可能性もあるでしょう。さらにフォローが返されたとユーザーが自慢する投稿を見ることでフォローされた本人以外からも「この企業はフォロワーに対して情報を発信するだけではなくフレンドリーに接してくれる」という印象を抱くことが予想されます。ユーザーからフレンドリーだと認識された企業はフォロワーが増えるだけではなく、各種コメント欄においてもユーザーからのコメントが増えることが予想されます。もちろんその全てのコメントが企業の今後の方向性を決めるために役立つわけではありませんが、企業にとってユーザーの生の声を聞ける機会が増えるということはそれだけで大きな意味を持つでしょう。

さらにフォロワーが増えて投稿ごとの「いいね」数が増えることで、Instagram内の検索において上位に表示されやすくなることもあります。仮に企業がInstagramを使う目的が双方向のコミュニケーションだけではなく一方的な情報発信であったとしても、ユーザーをフォローすることだけで恩恵を受けることは可能です。

Twitterでユーザーをフォローすべきか

Instagramと同じように個人が頻繁に投稿することが多いSNSがTwitterです。しかしTwitterの場合はInstagramのように情報収集や他者とのコミュニケーションツールとして使っているユーザーもいる一方で、自分が投稿したい情報を投稿するためだけの一方向のSNSとして使用しているユーザーも少なくはありません。さらにInstagramやFacebookとは違い、複数のアカウントを運用しているユーザーも多いと言われています。そんなTwitterにおいて企業がユーザーをフォローすることはどのような印象を与えるのか確認してみましょう。

Twitter利用者の意識

Instagramは積極的に自分の日常を発信していく目的で使っている人が多い一方、Twitterは自分の日常生活ではなく単に趣味の話をするために使っているユーザーも少なくはありません。Instagramは知り合いの中でも特に仲の良い人とフォローしあうために使っている人も多いですが、Twitterの場合はむしろ自分の直接的な知り合いにはアカウントを知られたくないと考えて、Twitterをやっていることを明言しない人も少なくはありません。フォローしている人の中に一人も会ったことがある人はいなく、顔はもちろん本名も年齢も住んでいる場所も知らなくても趣味の話ができれば良いと考える人も多いと言われています。

利用している年齢層としても10代~20代が多いInstagramに比べて、Twitterは30代以上が多いと言われています。さらに年齢が上がるごとに男性の割合が増えていくなど年齢層的にも男女比率的にもInstagramとは違った意味合いを持つSNSです。Instagramはお気に入りの企業のおしゃれな画像などを目当てにフォローしているユーザーが多い一方で、Twitterは画像や動画に対してそれほどこだわりを持ちません。むしろ情報収集は目的とせず、日常の中で抱いたちょっとした愚痴や友達には話しづらい趣味の話をする場だと考えているユーザーも少なくはありません。どちらかといえば受け身で情報を待ちながら発信するInstagram利用者が多い一方で、Twitterは個人が自分の考えを積極的に発信する場と考えることもできるでしょう。

もちろん趣味だけではなく日常の出来事を投稿しながらフォロワーと交流することを目的に使っているユーザーも存在しています。そうしたユーザーにとっては企業の投稿はInstagram同様に憧れであり反応したいものであることは間違いありません。しかし、あくまでそうしたユーザーは一部のユーザーであることは覚えておいた方が良いでしょう。

フォローすることでユーザーに与える印象と効果

双方向のコミュニケーションツールとしてよりは、自分が思ったことを発信するために使っているユーザーが多いため企業からフォローを返されることはユーザーにとってInstagramほど歓迎されません。企業からフォローされていることに気付いた場合でも「これからは自由に呟きたいことを呟けなくなる」や「自分の投稿にはそれほどの価値がないため、間違ってフォローしたに違いない」と考えるユーザーも少なくはありません。そもそもフォロワーが増えたことにすぐ気付くユーザーが多いInstagramに比べてTwitterの場合は企業がフォローをしたことにも気付かないユーザーも珍しくはありません。そのためInstagramのようにユーザー自身が企業にフォローされたことを自分のフォロワーに拡散することも期待できないため、企業がファンを増やして知名度を上げるためにフォローを返してもInstagramほどの効果は得られないケースも少なくはありません。

さらにそれだけではなくTwitterは情報を発信するツールとしてとらえているユーザーが多いため、自分をフォローしたアカウントに関しては企業の公式アカウントであっても、その他の個人アカウントと同じように自分の情報に対して興味を持っていると認識するユーザーが多いでしょう。すなわち企業からフォローしたアカウントに対してなんの反応もないことで「この企業はなんのためにフォローを返してきたんだろう」と不安に思わせてしまう恐れもあります。さらにユーザの性格によっては「情報を得る目的でもないのにフォローを返してくるなんて意味の分からない行動をする企業だ」と不快感を与えてしまう恐れもあります。

企業側からのフォロー返しが無条件に歓迎されることが多いInstagramと比べて、Twitterはフォローを返す前にユーザーがどういう意図でTwitterを利用しているのかを知り、フォローを返すことによってユーザーがどのようにとらえるかを想像しなければならないでしょう。ユーザーによっては趣味における憧れの人からのフォローは歓迎する一方で、企業からのフォローは迷惑だと思ってしまうユーザーもいます。普段は熱心に企業の投稿に対してコメントを残しているユーザーであっても、企業からのフォローは求めていないというケースも珍しくはありません。Instagramよりも企業がフォローを返すか否かは慎重に考えなければならないSNSがTwitterなのです。

Facebookでユーザーをフォローすべきか

最後にFacebookに関してユーザーの動向をチェックしてみましょう。InstagramやTwitterといった既に紹介したSNSは、本名ではなくアカウント名やハンドルネームで活動している人がほとんどです。インフルエンサーとして活躍している人でも、本名を公開してはいるもののSNS上では親しみやすい他の名前を名乗っているという人も少なくはありません。しかしFacebookはそうしたInstagramやTwitterなどのSNSとはい本名で登録して使うのが基本的な使い方です。本名や顔写真を公開しながら匿名性の低い状況でSNSを利用する消費者にとって、企業からのフォローはどういった印象を与えるのでしょうか。

Facebook利用者の意識

FacebookはInstagramやTwitterと違い、本名で使用している人が多いという独特の特徴を持つSNSです。本名だけではなく出身校や今までに住んでいた場所、自分や家族の顔写真や大体の居住地域などといった個人を特定させることができる情報を開示しながら使っている人も少なくはありません。そのためTwitterのように顔も名前も住んでいる場所も知らないのに趣味の共通点がある人をフォローするというよりは、仕事や学校の関係者などしっかりとした関わりがある人をフォローすることを好むユーザーが多いと言われています。またInstagramのように自分の趣味や好みを発信することはないため、特別仲が良くない人でもフォローするケースも少なくはありません。小学校の低学年の時に同じクラスだっただけで既に関わりがない人でも、Facebookの知り合いの欄に表示されたらとりあえず友達申請を送って繋がりを持つという人も少なくはないでしょう。

従って、必然的にInstagramやTwitterと比べてFacebookには公共の場所という意識が強くなりがちです。自分の趣味を披露したり、日常的な愚痴を吐き出す場としてFacebookを使っているユーザーはほとんどいません。それよりも結婚や出産、子どもの入学や進学といった節目節目のイベントを報告するための場として使っているユーザーが多いと言われています。いわば、電子版の年賀状というとイメージがしやすいかもしれません。利用者層も10代~20代や多いInstagramや30代が多いTwitterとは違い、40代以上の利用者が最も多いと言われています。さらにInstagramやTwitterに比べて60歳以上の利用者も多くインターネットに不慣れな人が使いやすいSNSだと言えるでしょう。

こうした特性を持つFacebookですので、InstagramやTwitterのように交流が盛んに行われることはありません。また、多くの人がたまにしかチェックしないFacebookですので頻繁に投稿をする人は疎まれてしまうという特性もあります。もちろんユーザーによっては毎日の出来事を日記のように投稿する使い方をしているユーザーもいますが、あくまでそういったユーザーは少数派であり多くのユーザーは節目のイベントのみで更新しています。そうした投稿に対してお祝いのコメントをする文化はありますが、やはりそこから長々とした交流が始まることはほぼありません。投稿に対してお祝いのコメントをし、それに対する返信だけで交流が終わるケースが最も多いでしょう。さらに比較的リアルタイムにコメントのやり取りをすることでLINEなどのメッセージツールと同じような使い方をすることも可能なInstagramやTwitterと比べて、Facebookはリアルタイムにコメントをやり取りすることはほぼありません。同じSNSといった括りにありながら、Facebookは独特な場であることは忘れてはいけないでしょう。

フォローすることでユーザーに与える印象と効果

公共の場として利用するユーザーが多いFacebookですので、InstagramやTwitterほどには自分のフォロワーに対するこだわりを持っていないユーザーも少なくはありません。むしろ親しい人の近況を知り自分の近況を知らせるために使っているユーザーが多いため、そもそも企業のアカウント自体をフォローしていないというケースも少なくはありません。企業のアカウントが存在するということ自体を知らない人も多いでしょう。Facebookにお気に入りの企業アカウントがあることを知っていても、情報収集のためにはInstagramやTwitterでフォローしておけば十分だと考えてFacebookでは敢えてフォローをしていないというケースも珍しくはありません。

そうした意識が強いユーザーが多いFacebookですので、企業からユーザーをフォローすることはそれほど意味がありません。そもそも企業にフォローされたことに気付かないユーザーがいることも珍しくはありませんし、めったに更新しないユーザーほど企業からフォローされても意図が分からずに困惑してしまうケースが多くなるでしょう。たとえ企業のアカウントをフォローしているユーザーであっても、企業からフォローを返されることによって自分の私生活を企業に見られているような感覚に陥ってしまうケースもあります。これはInstagramやTwitterとは違い、本名で自分の私生活を発信しているFacebook特有の感覚です。匿名性が高いInstagramやTwitterに関しては企業からフォローをされても特に何も感じないユーザーであっても、本名や顔写真を公開しているFacebookにおいては企業からのフォローを不安に思ってしまうケースも少なくはありません。企業がFacebookにおいてユーザーをフォローする場合は、Twitterよりも慎重にフォローすべきユーザーを見極める必要があるでしょう。

企業がユーザーをフォローする時に注意すること

Instagramのように企業からのフォローを歓迎するユーザーが多いSNSもあれば、TwitterやFacebookのようにユーザーの普段のSNSの使い方によって大きく反応が異なるSNSもあります。しかし、どのSNSであっても企業がユーザーをフォローする時に注意すべきことは共通しています。ここでは最後に、企業がユーザーをフォローする時に覚えておきたい4つの注意事項について理由とともに解説していきます。ユーザーのフォローを考えている企業は必ず確認し、フォローするユーザーを選定する際の参考にしてください。

無差別にフォローしない

自分のアカウントのフォロワーを増やす時に、自分から気になる相手をフォローして挨拶をすることで交流が生まれてフォロワーが増えるケースは少なくありません。しかしながら、それはあくまでインフルエンサーを含めた個人アカウントにとって有用な手段です。企業が自分のアカウントのフォロワー数を増やすために無差別に一般のユーザーをフォローしていくのは絶対におすすめできません。また、仮に企業にとってイメージが近い投稿をしているユーザーであっても急にフォローすると相手を驚かせてしまう恐れがあります。インフルエンサーであれば企業からのフォローは仕事に繋がる可能性があるため歓迎する人も多いですが、一般ユーザーの場合はどんなに素敵な投稿をしているユーザーであっても避けるようにしましょう。

企業が一般のユーザーをフォローする場合、基本的には既に自分をフォローしている自アカウントのフォロワーからフォローする人を選定すべきです。自分のアカウントをフォローしている時点で少なくとも企業を認知し関心を持っていることが分かるため、急に無関係なユーザーをフォローするよりも歓迎される可能性を上げることができるでしょう。

企業アカウントが自らのフォロワーを増やすために一般のユーザーを無差別にフォローすることは企業アカウントの特性上絶対に推奨できません。もし自分のアカウントのフォロワーを増やしたいのであれば、同じ企業アカウントをフォローして積極的に交流することでやり取りからユーザーに興味を持ってもらいフォロワーを増やすことを狙うか、公式ホームページや実店舗の入り口やレジ付近でSNSアカウントを開設したことを告知することでフォロワーを増やす方法を狙うのが良いでしょう。

積極的にコメントやシェアをしない

さらに自分に興味を持っているユーザーをフォローしてお互いにフォローし合っている状態になった場合でも、個人アカウントのように気軽にコメントやシェアをすることは推奨されません。企業アカウントは運用している期間が長ければ長いほど、個人アカウントに比べてフォロワーが多くなりがちです。文字通りに桁違いのフォロワー数を抱える企業アカウントが気軽にコメントやシェアを行ってしまうと、企業が抱える全てのフォロワーにそれが伝わってしまいます。投稿の内容によっては企業がアクションをとったことが原因で他のユーザーから嫌がらせを受けるなどアカウントが炎上してしまう恐れもあります。

悪意がある行為でなくても、企業の行動が原因で個人アカウントが炎上してしまうと個人アカウントのユーザー本人はもちろん周りの第三者からも配慮がない企業として悪いイメージを抱かれてしまう恐れがあります。そもそもユーザーに対して情報発信をしながら身近な存在になりユーザーからのエンゲージメントを高めたいと考えている企業にとって、自らの行動が原因で悪いイメージを抱かれてしまうのは本末転倒でしょう。

もちろんTwitterのように情報発信を目的に使っているSNSに関しては、企業がフォローをしたものの特にコメントなどもないことで不安感を抱かせてしまう恐れもあります。そうしたSNSにおいては最初はお気に入り登録をしたり挨拶をすることが推奨される場合もありますが、それでも個人アカウント同士のように頻繁に交流を持つことは避ける方が無難でしょう。

企業アカウントからコメントをするということは特定のユーザーを喜ばせて熱狂的なファンに育てることができる一方で、同時にそのファンのアカウントの炎上リスクが高まってしまう恐れがあります。また企業が意図している場合でも無意識であっても特定のファンに対してだけ交流が多すぎることで他のファンから贔屓をしていると思われてしまうリスクもあります。

個人ユーザーがインフルエンサーのように企業にとって単なる一般ユーザーとは違う立ち位置にいるユーザーであっても、交流は他のユーザーの目に入らないダイレクトメッセージなどの機能を使って行う方が望ましいでしょう。SNSの基本としては双方向のコミュニケーションツールではあるものの、企業アカウントとして使う場合にはその前提に則った使い方が必ずしも望ましいものではない場合もあることは覚えておかなければなりません。

他の企業に関する投稿には反応しない

頻繁に一般ユーザーの投稿をチェックしていると、自社企業の商品に関しての投稿が目に入ることもあるでしょう。その場合は「いつもご愛顧ありがとうございます」などのコメントを投稿したり、「いいね」をすることで相手に対する感謝の気持ちを表現するのは決して悪いことではありません。交流が過多になったり特定のユーザーのみに偏っていないことに注意しながら自社の商品やサービスに関する投稿へのリアクションをすることは決して悪いことではありません。

ただし、あくまで歓迎されるのは自社の商品やサービスに関する投稿のみです。他の企業の商品やサービスに対してユーザーが言及している場合、仮にそれが普段から交流をしている親しいユーザーであっても反応してはいけません。ユーザーの投稿自体が冗談じみているものであっても、それに対して軽い調子で企業が反応することは好ましくありません。他の企業に言及している内容が肯定的なものであっても否定的なものであっても、あるいは自社企業と比較することによってどちらかをあげているものであっても投稿内容に他企業の名前が含まれている時点でその投稿の中で交流することは諦めた方が賢明です。

企業アカウントによっては、普段から競合他社や全く業界が違う企業とSNS上で頻繁に交流している企業もあるでしょう。しかし、そういった親しい企業の名前をフォローしているユーザーが出している場合でも投稿に対する反応は好ましくありません。企業との交流はあくまで一対一でお互いに行うものでありそこにお互いのフォロワーがコメントをするのは良くても、ユーザーを介しながら企業同士が交流すると炎上リスクも含めてユーザーに望ましくない結果を招いてしまう恐れがあります。

また、ユーザーによっては本来はA社の商品に対する感想をB社の商品だと勘違いして感想を投稿してしまうこともあるでしょう。そういった誤った投稿を見ると、感想の内容が好意的なものであれば特に訂正して本来のA社に届けてあげたいと感じるかもしれません。しかし、そうした投稿であっても「うちの会社ではない」という内容でリアクションすることは推奨されません。ユーザーの知り合いである他のユーザーが訂正してくれることを願いつつ、自分からは積極的にアクションを起こさないように注意しましょう。

アンフォローは好ましくない

個人がSNSを利用している場合であれば「一旦はフォローしたが、期待していたような投稿内容がないためフォローを外す(=アンフォローする)」ということは決して珍しいものではありません。本来SNSは自分の好きな情報を取捨選択できるというメリットを持っているSNSですので、個人の裁量で自由にフォローあるいはアンフォローをしても良いでしょう。ただし、企業アカウントの場合はそういうわけにはいきません。Instagramが目立っていますが、TwitterでもFacebookでも企業アカウントにフォローされたことを喜ぶユーザーも存在しています。敢えて自分の投稿内容で喜びを表現していなくても、こっそりフォローされたことを喜んで水面下で企業へのエンゲージメントを高めているユーザーもいるでしょう。

そのため、企業は一旦フォローしたユーザーをアンフォローすることは好ましくありません。もしユーザーから企業の投稿に対して執拗に嫌がらせを受けている場合はその限りではありませんが、そういったよほどの事情がない限り一旦フォローしたユーザーのフォローを解除するということは悪いイメージを与えてしまう恐れがあります。間違ってフォローした場合でも、フォローした時点で通知を受け取る設定にしているユーザーも少なくはないので、アンフォローしてしまうとユーザーに不信感を与えてしまう恐れがあります。個人アカウントのように自分の好みに応じて安易にフォローあるいはアンフォローをしないように気を付けましょう。

ただし、企業アカウントは個人アカウントと違い自分のファンに対して情報発信することを目的としていることが多いアカウントです。周りの人も公式マークがついたアカウントを見ると、そういう認識でアカウントを見るでしょう。その時にフォロー数よりもフォロワー数が少ないと、人気がない企業だと思われてしまう恐れがあります。また、Twitterのようにフォローできる人数に制限があるSNSの場合は本当にフォローしたいアカウントがフォローできなくなってしまう恐れがあります。

そうした状況に陥ってしまった場合は、やむをえずフォローを整理しなければならない場合もあります。しかしその時も闇雲にフォローを整理するのではなく「以前はフォローしてくれていたが、今は自社アカウントをフォローしていないユーザー」や「頻繁に投稿していたが、ここ半年くらいはSNSの更新が途絶えているユーザー」などフォローを外しても支障がないユーザーを優先的に選んでアンフォローしていくようにしましょう。

フォローを返したユーザーから執拗な誹謗中傷などの嫌がらせを受けた場合、フォロワー数よりも圧倒的にフォロー数が多くて企業アカウントとしての体裁に問題がある場合、フォロー数の上限に引っかかってしまったという場合を除いては企業アカウントは気軽にフォロー・アンフォローをしないように注意しながら運用していきましょう。

SNSごとの特性を知り、ユーザーと交流を深めよう

一言でSNSといっても、SNSごとにユーザーの利用意識も違えば企業アカウントに対する認識も異なってきます。しかしながらそのSNSごとの特性を正確に把握することによって今までよりもユーザーと頻繁に交流してユーザーのエンゲージメントを飛躍的に高めることも不可能ではありません。アカウントを持っている企業は単に情報を発信するだけではなく、SNSの特性に合わせた使い方をすることでユーザーと交流を深めていきましょう。

ユーザーと交流を深めていくことによって、今までよりもさらに企業アカウントへの注目度も高まりインフルエンサーマーケティングの効果が期待できるようになることもあります。その場合はインフルエンサーを闇雲に起用するのではなく「トリドリマーケティング」など専門家の力を借りて起用するインフルエンサーを選定しましょう。そうすればSNSの特性を把握して運用する以上のメリットを享受することも可能です。ぜひユーザーのエンゲージメントを高めながら情報を発信していってください。

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