コミュニティマーケティングの成功事例6選!インフルエンサーマーケティングとの違いとは

コミュニティマーケティングを知り成功しよう

マーケティングには様々な手法があります。バイラルマーケティングやバズマーケティングを始め、近年注目を集めているインフルエンサーマーケティングやステルスマーケティングなど、企業の状況や規模、取り扱っている商品やサービスの違いによって採用すべきマーケティング手法が変わってきます。

そういった様々なマーケティング手法の中でも、コミュニティマーケティングは効果が実感しやすく採用している企業も多いため、新たな市場を開拓する時や既存の商品の顧客を増やしたい人は一度特徴やメリット、デメリットを知ることが推奨されています。では、コミュニティマーケティングとはどのようなマーケティング手法なのでしょうか。混同されがちなインフルエンサーマーケティングやステルスマーケティングとの違いも併せて確認していきましょう。

コミュニティマーケティングとは

従来の考え方を採用すると、コミュニティとは自分の住んでいる地域のことを指す言葉です。すなわち、そのままの解釈だとコミュニティマーケティングとは「地域の中で流行させることで、コミュニティに対する売上額をアップさせるマーケティング手法」のようになるでしょう。しかしながら、現代におけるコミュニティマーケティングはこうした従来の考え方とは大きな違いを持っています。

現代社会におけるコミュニティとは、当然ながら地域も含まれるものの消費者同士の繋がりのことを重視します。すなわち特定の地域に住んでいるかどうかは関係なく「Aという商品のファン同士の繋がり」を一つのコミュニティとみなすのです。消費者が実際に住んでいる地域に影響されずにコミュニティに対して購買意欲が上がるような取り組みをしなければならないので、当然ながら従来のコミュニティマーケティングとは企業としての姿勢も変わってきます。

コミュニティマーケティングは、ファンに対して商品やサービスのベネフィットを伝えることで売上額を伸ばす手法ではありません。たくさんの商品があり、消費者の選択肢も爆発的に増えている現代において、それだけの取り組みでは自体に取り残されてしまいます。コミュニティマーケティングは「コミュニティに対する売上額をアップさせる」という従来の考え方から「コミュニティを通して、多くの人に認知されることによって売上額をアップさせる」という考え方に変わってきています。

すなわち、コミュニティマーケティングにおいては消費者は単に商品やサービスを享受して消費するだけの存在ではありません。消費者は商品やサービスを消費すると同時に、自らのコミュニティに対してその商品やサービスの価値を宣伝する広告塔にもなるのです。

インフルエンサーマーケティングとの違い

消費者が自らが属するコミュニティに対して商品やサービスを宣伝し、それによって消費が生まれるのがコミュニティマーケティングの特徴です。こうしたコミュニティマーケティングの構造を見ると、人気のあるインフルエンサ―に自社の商品やサービスを利用してもらうことで消費者の消費意欲を促進させるインフルエンサーマーケティングの構造と似ていると感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし、インフルエンサーは企業が選定して起用方法も企業が決定することがほとんどです。そのためテレビや雑誌の広告よりも企業が主導している印象を和らげることは可能ですが、それでも消費者はインフルエンサーに企業の意図を感じとります。インフルエンサーの投稿に「#PR」などのハッシュタグも付くことからも、消費者はいくら憧れのインフルエンサーであってもその発信する情報の全てを無条件に信頼することはありません。

しかしながら「芸能人よりも距離が近い憧れの人」がインフルエンサーであるのに対し、同じコミュニティに属している人は「インフルエンサーよりもさらに身近な知人」という立ち位置を確立しています。もちろんコミュニティにおいて発信されている情報は、単に消費者が「発信したい」という願望の元に発信したものなので企業の意図は介入していません。

すなわちインフルエンサーマーケティングは「企業が意図的に身近な人物であるインフルエンサーに自社の商品やサービスを周知させている」マーケティング手法であるのに対し、コミュニティマーケティングは「企業が意図しないところで、消費者が自主的に自分の身近な人たちに商品やサービスを認知させる」マーケティング手法であるため、似ているようでいて実際は全く違う存在になります。

さらにある調査では、インフルエンサーが投稿した商品やサービスに関して、気になってインターネットで詳細を検索する人は39%にのぼるものの、実際に購入する人は35%程度にとどまることが知られています。一方、SNSなどで繋がっている知人が愛用しているものに関してはインターネットで詳細を検索する人は27%であるものの、実際に購入する人は50%にのぼるというデータもあります。このことから、現在では既にインフルエンサーが発信する情報よりも、普段からやり取りをしている知人が紹介する情報の方が消費者の行動に影響を与えると考えられています。

ステルスマーケティングとの違い

インフルエンサーマーケティングと同様に、ステルスマーケティングもコミュニティマーケティングと混同されがちなマーケティング手法です。インフルエンサーマーケティングは人気のあるインフルエンサ―たちにPRであることを明示してもらいながら自社の商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。一方、ステルスマーケティングはインフルエンサーにPRであることを明示せずに商品やサービスを紹介してもらえないか依頼したり、企業の関係者が無関係の一般消費者を装って「この商品は絶対に買うべき」などの投稿をするマーケティング手法です。

PRであることが一見して分からないことを考えると、コミュニティマーケティングとステルスマーケティングを見分けるのは確かに非常に困難であるを言わざるを得ません。しかし、コミュニティマーケティングはあくまで自社のファンではあるものの企業の関係者ではない消費者に対して、自主的に商品やサービスを周知してもらうことによって認知度を高めるマーケティング手法です。企業がある程度の消費者の選定を行うことはあっても、周知することを強制することはありません。もちろん、企業の関係者が無関係なふりをして周知することもありません。

コミュニティマーケティングはマーケティング手法の一つとして取り入れている企業も多く、またモラル的にも問題のない手法です。しかしながらステルスマーケティングは、消費に繋がる可能性の高い効果的なマーケティング手法であるものの、バレた時に多くの消費者の信頼を失って世論からもバッシングされてしまうという恐れもあり、現在では推奨されていないマーケティング手法です。一見すると似ているマーケティング手法ではありますが、コミュニティマーケティングと混同しないように気を付けましょう。

コミュニティマーケティングでできること

では、近年注目されているインフルエンサーマーケティングよりもさらに信頼できるコミュニティマーケティングは、どのようなことが期待できるのでしょうか。コミュニティマーケティングを実際に活用する際、期待できる3つの効果を紹介していきます。コミュニティマーケティングの導入を検討している人は参考にしてください。

新たなアイデアを入手できる

コミュニティマーケティングは、企業のファンの中でも特に「積極的に情報を発信したい」、「自分が色々な商品を知っていることを周りに知らせたい」という熱意のある熱狂的なファンをターゲットに据えて行われるマーケティング手法です。そのため、当然ながら企業の商品やサービスも日常的に利用していて「ここがもう少し改善されたら良いのに」という不満や「こういうサービスがあれば、もっと積極的に利用したい」という欲求を抱えていることも少なくはありません。

すなわち、企業が単に商品やサービスを消費者に提供しているだけではなかなか入手することができない、消費者の生の声を容易に入手することができるようになります。こうした消費者の生の声を入手する方法は、街頭調査やポイント還元などのベネフィットがあるアンケート調査でも入手することは可能ですが、企業がコミュニティマーケティングのターゲットとして選んだ消費者とは当事者意識に大きな差が出ます。街頭調査の消費者は「使ったことはないけどとりあえず意見を言っていこう」と考えてしまいがちですし、ポイント還元などのアンケートに答える人は「適当に答えてポイントだけもらおう」という人も紛れ込んでしまう恐れがあります。

一方で、企業が選定した消費者に対して意見を求めると「本当に自分の声が反映されて、今でも好きな商品やサービスがさらに自分好みになってくれるかもしれない」というモチベーションを抱えた消費者たちによる意見を集めることができます。街頭調査やアンケートに比べて企業が求めるアイデアを入手できる可能性が高いことは、言うまでもありません。

コミュニティコストを削減できる

コミュニティマーケティングにおいては、企業がコミュニティを作成して一定のファンをピックアップすればその後はそれほど企業がコミュニティコストをかけなくても様々な意見を集めることができます。従来までのコミュニティのない状態であれば、企業とファンは常にマンツーマンの立場を維持しなければなりませんでした。そのため、必然的にファンが疑問に思ったことやファンからのクレーム、ファンの要望に関して全て企業が対応する必要がありました。

しかし、一度コミュニティを作成することに成功すれば、そうした対応のコストを削減することが可能です。たとえば特定の商品に対するファンの疑問に関しては、同じコミュニティに属するファンが自主的に対応してくれることもあるでしょう。ファンからのクレームも、仮にファンの勘違いによって発生しているものであれば、違うファンが「使い方が違うので、改善できるよ」と企業の代わりに答えてくれるかもしれません。

すなわち、企業は今までファンの対応にかけていた人的なコストをその他の部分に割くことができるのです。全ての消費者とのやり取りをゼロにすることは不可能ですが、ある程度は育ったファンに対応を任せることで大幅な人件費の削減効果が期待できるようになります。

議論を活発化させることができる

コミュニティマーケティングを行う際に最も期待できることは、ファンの議論を活発化させることです。従来までの企業とファンがマンツーマンでやり取りをする体制でも、古くからのファンから画期的なアイデアをもらえることはあったでしょう。しかし、それが企業と意見を発信したファン本人しか見られない場所ではなく、他の多くのファンも見られるコミュニティに投稿されることで、そのアイデアに刺激された他のファンからも有用なアイデアがもらえる可能性が高くなります。

また、ファンAのアイデアを元に商品やサービスに反映された場合、そのファンがさらに熱狂的なファンに成長してその後も有用なアイデアを発信してくれるだけではなく、ファンBやファンCといった他のファンたちも「自分のアイデアも取り入れてもらいたい」という欲求が高まり、以前よりも議論は活発化してくことでしょう。

議論が活発化することで、初心者のファンに対する古参のファンからのサポートも手厚くなりますし、ファンからの意見や要望もどんどん増えていきます。「5:25の法則」で知られているように、顧客離れを5%改善すれば利益率は25%アップすると言われているので、まさに企業にとって理想的な体制が構築されていくのです。

コミュニティマーケティングの成功事例6選

では、実際にコミュニティマーケティングを利用して成功している企業にはどのような企業があるのでしょうか。ここでは、ファンの意見を重視するコミュニティマーケティングに成功した実際の例を6つ紹介していきます。

アマゾン・ウェブ・サービス


ネットショッピングのAmazonといえば、今では利用したことのない人はほとんどいないほど知られているサービスです。そのAmazon.comが提供しているクラウドコンピューティング・サービスの会社にアマゾン・ウェブ・サービスという会社があります。もともと、アマゾン・ウェブ・サービスは単にAmazon社内のビジネス課題を解決するために生まれたサービスでした。しかし、2006年からはAmazon社内に限らず、アマゾン・ウェブ・サービス内で構築したノウハウの外部企業に対する提供を開始しました。

利用する企業の状況に合わせて初球から上級まで様々なサービスが用意されていますが、アマゾン・ウェブ・サービスの最大の特徴といえば、このサービスを利用するユーザー同士のコミュニティである「JAWS-UG」が存在していることです。これはどのユーザーも自由に参加できるコミュニティであり、さらにその中で自由に興味や関心に合わせたコミュニティを構築しながら活発に意見を発信して共有し合います。

特定の企業内のコミュニティの場合は、匿名だと言われていてもIPアドレスなどで所属部署が明らかになることもあり自由な発言が望めないことも少なくはありませんが、Amazonが提供している場ということで、そうしたしがらみにとらわれずに自由な議論ができるのがJAWS-UGの特徴です。また、初心者ユーザーが困っていることを自分の知識で解決することにより、当人や周りから感謝されて自己承認欲求が満たせるというメリットもあります。まさにコミュニティマーケティングに期待できるコミュニティコストの削減と、議論の活発化の恩恵を受けている事例だと言えるでしょう。

Salesforce


世界最大の顧客管理ソフトウェアであるSalesforceもコミュニティマーケティングによって成功した事例の一つです。Salesforceはユーザーたちが自由にチャット機能などを利用することができるソフトウェアですが、先ほど紹介したアマゾン・ウェブ・サービスと同様にユーザーコミュニティも運営しています。

このコミュニティではユーザー同士の課題解決やノウハウの共有はもちろん、ミートアップの作成や開催なども行われています。こうした専用のコミュニティ内においてSalesforceのプロダクトを利用する際に生じがちな疑問や業務上の課題などを共有することで、ユーザー同士が自由に課題を解決して提案し合える環境を作り出すことができるのです。

Salesforceに限らず、SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットサービスでは、使用を開始したばかりの初心者が問い合わせ機能を使うことが多く、それに対するサポートコストが膨大になってしまうという悩みを抱えているケースが決して少なくはありません。しかし、Salesforceのようにあらかじめユーザー同士のコミュニティを作成しておくことで、企業はサポートするためのコストを削減することができるのです。Apple社が提供しているiPhone使い方ガイドなどと同様に、初心者の質問を上級者のユーザーが解決する仕組みを構築しておくことは、一定の効果が期待できるでしょう。

スノーピーク


コミュニティマーケティングによる成功事例はAmazonやSalesforceなど海外の企業だけではありません。新潟県に本社を置くアウトドア総合メーカーであるスノーピークもコミュニティマーケティングによって成功を収めています。スノーピークは1980年代にキャンプ事業をスタートさせてから、日本のオートキャンプブームをけん引してきた老舗のメーカーの一つです。特に1998年から毎年開始されているキャンプイベントの「Snow Peak Way」では毎回30万人を超えるスノーピークの熱狂的なファンであるスノーピーカーから有益な意見を取り入れていると言われています。

1990年代後半になると日本におけるキャンプブームも終息が近くなり、それに伴いスノーピークの経営状態も悪化していました。しかしながら、スノーピーク社と顧客のミートアップイベントであるSnow Peak Wayを全国のキャンプ場で行うことにより、ファンの生の声を定期的に入手することができます。このSnow Peak Wayには店舗のスタッフや営業のスタッフだけではなく、販売や企画など様々な立場のスタッフが参加します。エリアによっては実店舗を一定期間閉鎖してまで行われるSnow Peak Wayによって当然ながら数日間の売上は大幅にダウンしてしまいますが、顧客との直接的な接点を持つことで顧客が本当に求める商品を開発し、その商品の熱狂的なファンを生み出すことが可能になります。それに伴い、一年の中で数日間実店舗を閉鎖しても問題ないほどの売上や利益を確保することができるのです。

コミュニティマーケティングというと、近年ではインターネットやSNSの発達に伴いオンラインのものも増えてきています。しかしながら、このスノーピークの事例のように取り扱っている商品やサービスによってはオフラインでのコミュニティの方が効果を発揮する場合があることも覚えておかなければなりません。

Akamai


Akamaiは一般の消費者の間ではあまり名前が知られていない会社かもしれません。Akamai社は全世界に対してコンテンツ配信サービスを提供している企業です。Akamaiの名前自体を聞いたことはなくても、既にAkamaiが発信しているコンテンツを目にしたことがある人もいるかもしれません。

こうした広い一般ユーザーに対して知名度が高くない企業の場合は、スノーピークの事例のように消費者との接点を増やすコミュニティマーケティングを活用しようとしてもあまり効果は得られません。むしろ、実際にサービスを利用しているユーザーのコミュニティを構築することで、得られる意見の絶対数は減っても意見ごとの濃度は濃くなるため有益な情報が得られるようになるでしょう。

Akamai社もAkamaiを利用している技術者に向けたコミュニティを作成して運営しています。ユーザー同士が技術的な問題や課題を解決できる場を提供することによって、サポートセンターの業務を大幅に削減することが可能になりました。Salesforceと同じく、オンライン上の利用者が多い企業はコミュニティマーケティングの利用によってコミュニティコストの削減が期待できるようになります。

COHINA

 

この投稿をInstagramで見る

 

・ 骨格スタイリスト「ひるいちか」さんと 骨格別コラボアイテム企画LIVE決定✨ ・ 【インスタライブ詳細】 日時:3/23(月) 18:00~配信予定 ・ 内容:『骨格スタイリスト』 ひるいちかさんとコラボアイテム(2020年夏発売予定)の企画ライブを実施します! 骨格別(ウェーブ、ストレート、ナチュラル)それぞれに合う、ワンピースとセットアップを予定しております🌻 ・ ・ 発売に向けCOHINAインスタライブで直接皆様の声をお伺いします!ぜひご参加ください✨ ・ ※COHINA公式Instagramで配信いたします ※配信時間は変更になる可能性がございますので予めご了承ください。

cohina.official(@cohina.official)がシェアした投稿 –


COHINAは2008年からスタートした小柄な女性が日常生活で使える服を提供するファッションブランドです。男性に比べるとアパレル店が多い女性ファッション業界ですが、一方でSサイズ・Mサイズ・Lサイズの展開が多いだけで平均身長から外れている人たちの服は探しづらいという弱点もあります。特に、XLサイズなどの大きめなサイズは、近年の食生活の欧米化などによって増えてきてはいるものの、Sサイズでも大きく感じられてしまうXSサイズ以下の女性たちに対しては「子供服を着れば解決できる」などの論調が多く、今までサイズ展開が後回しになっていました。しかし、成人女性がサイズはあうといっても、子供服を着ているとどうしても不自然になってしまいます。そうした状況を解決するために生まれたファッションブランドのCOHINAは、今まで満たされなかった小柄な女性たちの需要を満たすだけではなくコミュニティマーケティングも効果的に活用しています。

そもそも顧客が少ない市場への進出ですので、従来通りのマーケティング手法による展開だけでは「爆発的な売上もないが特に落ち込むこともなく、安定して人知れず活動する企業」に留まってしまう恐れもありました。しかしながら、COHINAは毎月Instagramを活用してライブ配信を行い、高い頻度で顧客の生の声を聞くことで顧客の需要を確実に満たすファッションブランドへと成長しました。155cm以下の女性は決して多くはありませんが、Instagramのフォロワー数は12万人を超えブランドの開設から1年間で月商5,000万円に到達するなど、熱狂的な顧客の意見を定期的に取り入れることの重要性を証明している事例だと言えるでしょう。

ミラティブ


近年の流行を効果的に取り入れたコミュニティマーケティングの事例としてはミラティブも非常に有名な事例の一つです。ミラティブは2015年8月からサービスを開始している、スマホ1台でゲーム実況ができるアプリです。従来であれば、ゲーム実況といえばハイスペックなパソコンや動画編集の技術などが必要でしたが、ミラティブであればそうした専門的な道具や知識がなくても誰でも簡単にゲーム実況ができるとして、若年層の間で人気を集めています。

ミラティブにおけるコミュニティマーケティングの手法は、「オフ会」、「グループインタビュー」、「1 on 1インタビュー」という3つの方式を用意しています。ユーザー同士の意見交換を聞きながらアプリの開発に役立てるオフ会、スタッフが複数名のユーザーに対して「ミラティブの利用によって感じた嫌なこと」や「ミラティブを良くするために必要だと思われること」を聞くグループインタビュー、そして他のユーザーがいない場所で本音を聞ける1 on 1インタビューを併用することで、ユーザー同士の感想、違うユーザーの意見の触発されることによって生まれる新たな意見、他のユーザーには聞かれたくない本音を聞くことができます。

特にグループインタビューでは他のユーザーの意見を聞くことで、本当に自分の中にある意見に気付けるユーザーも少なくないと言われていて、10回程度の参加を要請することも少なくないのが特徴です。オンラインサービスにおけるコミュニティマーケティングの活用というと、SalesforceやAkamaiのようにオンライン上だけで完結するものを連想する人も多いかもしれませんが、このミラティブの事例のように実際に一つの場所にユーザーを集めることによるメリットも忘れてはいけません。

コミュニティマーケティングのメリットとデメリット

コミュニティマーケティングによる成功事例は少なくありません。しかしながら、コミュニティマーケティングを活用したからといって必ずしも自社の売上や利益をアップさせることができるというわけでは決してありません。では、コミュニティマーケティングを実践することによるメリットやデメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれ具体的に3つずつ解説していきます。

【メリット①】顧客からのフィードバックを得られる

コミュニティマーケティングの活用によって常時コミュニティにアクセスできるようにすることで、顧客からのフィードバックを容易に得られるようになります。もちろん、これまでも「お客様窓口」や「製品に関して連絡がある場合のメールフォーム」などを公式サイトに設けている企業は多かったでしょう。しかしながら、製品に関する要望や改善点を伝えたいと思う消費者がいても、企業が想定しているほどそういった窓口を利用するハードルは低くありません。よほどクレームを入れたいような事態にならない限りは「少し不便だけど、伝えても迷惑だろうしこのまま使っておこう」と我慢してしまう消費者の方が多いでしょう。

しかし、企業が率先して「意見がほしい」とコミュニティを開設することによって今まで得られなかった顧客のフィードバックを得られるようになります。さらにメールフォームなどではなくアプリなどで簡単にアクセス可能な場所にコミュニティを開設することができれば、今までよりもより多くのフィードバックを得られるようになるでしょう。既に説明した通り、こうして得らえるフィードバックは街頭調査やアンケートとは違い、当事者意識の強い顧客からのフィードバックとなります。企業が今後の方針を決める上で役に立つものであることは言うまでもないでしょう。

【メリット②】顧客を熱狂的なファンにできる

顧客からのフィードバックを得て、それに応えることで顧客をさらに熱狂的なファンに育てていくことも可能です。もちろん有益ではない意見も全て取り入れる必要はありませんが、コミュニティ内において「ご意見ありがとうございます。」や「もっと詳しいお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか。」などのリアクションをすることで、顧客からのフィードバックが増えるという説もあります。

さらに、ある顧客の意見を採用することによって「本当に採用してくれる企業だ」、「実際に担当者が目を通してくれている」という印象を与えることができ、企業に対する信頼度をアップさせることも可能です。ファン同士での問題解決によって浮いた人件費をコミュニティのチェックに回したとしても、大きなベネフィットを得られるようになるでしょう。

【メリット③】以前とは違うファン層を獲得できる

ファンから得たフィードバックを元に開発した商品であれば、今までの顧客とは違ったファン層を獲得できる可能性もあります。企業が今まで販売していた商品とは違うものを売ることで、特に周知しなくても今までとは違うファン層からの人気を獲得できることもあるでしょう。あるいは、実際に意見を取り入れられたファンが自分の周りに対して自主的に商品をPRしてくれることも期待できます。

企業にとって、今までの顧客は安定した売上や利益を確保するために重要なことは言うまでもありませんが、競合他社に勝ち競争力を高めるためには新たなファン層を獲得しなければなりません。しかしながら、コミュニティマーケティングと似ているインフルエンサーマーケティングでは起用するインフルエンサーが今までのファン層からかけ離れすぎていると従来のファンから嫌われてしまうこともあるため、なかなか新たなファンを獲得することはできません。口コミによって知名度を広げることができるステルスマーケティングにおいても、ステルスマーケティングをする企業ということがバレた時点で多くのファンを失うためリスクの方が非常に高くなってしまいます。

すなわち、企業にとって重要度が高いタスクであると同時に非常に難易度の高い新規ファンの獲得も、コミュニティマーケティングは可能にしてくれるのです。これはコミュニティマーケティングを活用する大きなメリットと言わざるを得ません。

【デメリット①】顧客との関係構築に時間がかかる

顧客からのフィードバックを得ることがコミュニティマーケティングにおける最も大切なことですが、一方で顧客との関係を構築するのは簡単なことではありません。企業が活発な議論の場となるためにコミュニティを設置したとしても、誰も意見を発信する人がいないコミュニティだと顧客が書き込んでくれることはまずありません。コミュニティを開設するコストが無駄にかかって終わりになってしまう恐れもあるでしょう。

特に企業の商品やサービスに対して否定的な意見や改善点を持っている顧客ほど、コミュニティに書き込むことを躊躇してしまいます。マイナスな意見を書き込むことによって、今後の抽選サービスなどが不利になってしまうかもしれないと恐れて書き込みを我慢してしまう顧客も少なくはないでしょう。もちろん、顧客の書き込みを活性化させるために企業の社員が顧客のふりをして書き込むのも、一種のステルスマーケティングとなりバレた時のリスクが非常に高いので推奨されません。

コミュニティが活発化するまでは、書き込みによってポイントを付与するなどの方法もありますが顧客の数が増えるとポイントの付与も企業の負担になる可能性があります。また、この方式ではポイント付与がなくなった時点で書き込みが激減してしまう恐れもありますし、ポイント目当てで適当な意見を書き込むライト層の顧客で溢れてしまう恐れがあります。

コミュニティを開設するだけではなく、そのコミュニティをどのように維持して盛り上げていくかを考えないとコミュニティマーケティングを成功させることは不可能になってしまうのです。

【デメリット②】製品の方向性がブレやすい

顧客のフィードバックを安定して得られるようになっても、それだけでコミュニティマーケティングを成功させることはできません。同じ商品やサービスのファンである顧客同士であっても、その顧客のバックボーンが違えば当然ながら商品やサービスに求めるものも異なってきます。全ての顧客の意見を取り入れてしまっては「船頭多くして船山に上る」の状態になってしまいますし、だからといって特定の顧客の意見ばかりを優遇してしまうと、いつも意見が却下される顧客がフラストレーションを抱えて企業のファンを辞めてしまう恐れもあります。

多くの顧客から意見を集めることができるコミュニティマーケティングだからこそ、製品の方向性がブレやすくなってしまうというデメリットも抱えています。コミュニティマーケティングの運用担当者は、顧客の意見を重視しすぎて製品の方向性が従来と大きく変わってしまわないように注意しなければなりません。

【デメリット③】従来のKPI設定が通用しない

企業において活動の有用性を評価するためにはKPI指標を使用している企業も多いでしょう。しかしながら、新しいマーケティング手法であるコミュニティマーケティングですので、コミュニティマーケティングには従来のKPI設定は通用しません。コミュニティマーケティングは、仮にコミュニティが非常に活発に利用されているからといって、それに比例して売上や利益がアップしていくわけではないのです。

コミュニティマーケティングにおいては、単月の売上や利益額、コミュニティの利用数などの従来通りの分かりやすいKPI設定は意味を持ちません。それよりも、ミートアップを開催しているのであれば新規の参加者がどのくらいいるのか、イベントを実施しているエリア数は増えているのか、ファンがSNSに投稿した内容に好意的なものはどのくらいの割合なのか、ミートアップのたびに得られるフィードバックはどの程度有用なものが含まれているのかといったKPI設定を行わなければなりません。

コミュニティマーケティングは始める前に、どのような場所でどのように始めて、どうやって盛り上げるかを考えるだけでは成功できないのです。それと同時に、どのように評価して、継続すべきか否かの判断基準をどうするかを社内で十分に議論する必要があるでしょう。

コミュニティマーケティングを活用し、新たな市場を開拓しよう

デメリットも存在しているコミュニティマーケティングですが、上手に活用することで新たな市場を開拓できる可能性は非常に高くなります。今までコミュニティマーケティングを活用したことがなかった企業も、市場開拓のために一度活用を検討してみると良いのではないでしょうか。

コミュニティマーケティングだけではなくインフルエンサーマーケティングなど似ているマーケティング手法を併用することでさらに企業の知名度をアップさせることが可能になります。インフルエンサーマーケティングも併用する場合は、「コラボマーケティング」といったマッチングサービスを使うことでより効率的な運用も可能になるでしょう。様々なマーケティング手法を組み合わせて、ぜひ新たな顧客を獲得してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA