バイラルマーケティングの事例集7選とステマ・バズマとの違い、SNSの運用方法

バイラルマーケティングを活用して顧客を獲得しよう

バイラルマーケティングという言葉をご存知でしょうか。マーケティング論について大学等で学んだことがある人であれば、一度は耳にしたことがある人もいるかもしれません。インターネットの発達とともに注目度が浴びてきているバイラルマーケティングは、現代の企業が顧客を獲得するために忘れてはいけないマーケティング論の一つです。バイラルマーケティングとはどういったものなのかを知り、顧客の獲得に役立てていきましょう。

バイラルマーケティングの名前の由来

ところで「バイラルマーケティング」という言葉を初めて聞いた人の中には、聞き慣れない言葉だと感じる人も多いのではないでしょうか。マーケティング論の中でもバズマーケティングやインフルエンサーマーケティングなど、初めて聞いた場合でも比較的意味を類推しやすい言葉が多いのに対し、バイラルマーケティングはなかなか意味が分かりづらい言葉です。まずは、そのバイラルマーケティングという言葉の由来を知っておきましょう。

バイラルマーケティングとは、英語でViral Marketingと記載します。このViralとは「ウイルスの・ウイルス性の」という言葉を持っている単語です。すなわちバイラルマーケティングとは、簡単な日本語では「ウイルスのように広がっていくマーケティング戦略」と訳すことができます。

バイラルマーケティングとは

では、ウイルスのように広がっていくマーケティング戦略であるバイラルマーケティングとは、具体的にどのようなマーケティングなのでしょうか。バイラルマーケティングの意味と、混同されがちなステルスマーケティング・バズマーケティング・インフルエンサーマーケティングとの違いを解説していきます。

バイラルマーケティングの意味

バイラルマーケティングとは、主にインターネットを利用した口コミによって不特定多数に広めていくように誘導するマーケティング手法のことを言います。TwitterやInstagramなどで「バイラルコンテンツ」と呼ばれるように、思わず誰かに教えたくなるような魅力的な商品や情報を投稿して自動的に拡散されていくのがバイラルマーケティングの基本的な手法です。さらに自動的に拡散されていくのを見守るだけではなく、自発的にホームページなどに「友達に教える」や「SNSで共有」というボタンを作って拡散を容易にすることもバイラルマーケティングの手法の一つだと考えられています。

バイラルマーケティングは「良い情報を知った場合、自分の周りの人や親しい人に教えてあげたい」という人間の心理を利用したマーケティング手法です。そのため情報発信力の強い数名に有益な情報を発信することで、あとは企業が情報が拡散されるように誘導しなくても顧客が自動的に情報を拡散していき、売上額に貢献してくれるというメリットがあります。

一般的なテレビで放映するような広告や雑誌や電車に掲載する広告は、不特定多数に対して発信してその中から広告に反応する人を見つけるための広告です。そのため、一度に多くの人に自社企業や商品、サービスの知名度を上げられるというメリットがある一方で不要な人に対しても掲載しているためコスパはあまり良くないというデメリットも存在しています。

一方、バイラルマーケティングは企業が意図する顧客に対してダイレクトにアプローチを仕掛けることができるため広告の精度が非常に高くなります。さらに企業が意図していなくても、顧客が情報を共有する相手は「その情報を潜在的であっても求めている顧客」である場合がほとんどです。すなわち、顧客同士のネットワークが広がっていくためテレビや雑誌の広告よりも狭い範囲での広がりに留まるものの、本当に情報を求めている人に届くため広告効果自体は高くなります。

さらにインターネットに情報が溢れている現代では、「知らない誰かが発信している情報」に対しては「これは企業のステマかもしれない」や「操作された情報で実際はそれほど優れた商品やサービスではないのかもしれない」と猜疑心を抱きがちなユーザーでも、知っている人からの情報であればそれがSNSでしか繋がりのない顔も本名も知らない友人であろうと正確で価値のある情報だと信じがちです。このことから、情報の拡散が早くターゲティングも容易なバイラルマーケティングは現代において注目を集めているマーケティング手法です。

ステルスマーケティングとの違い

バイラルマーケティングと混同されやすい手法として、ステルスマーケティングというマーケティング手法もあります。TwitterやInstagramで話題になることも多いステルスマーケティングは、確かに口コミの拡散によって売上額に貢献するという意味ではバイラルマーケティングと非常に似通っています。しかしながら、バイラルマーケティングとステルスマーケティングには大きな違いがあるので混同しないように注意しなければなりません。

バイラルマーケティングは既に紹介したように、企業の行動はバイラルコンテンツを発信して拡散しやすい環境を作ることだけに留まります。バイラルコンテンツの中に「誰かに教えたいほどの魅力」や「知っていることで優越感を覚えるような内容」といったものを盛り込む企業努力はありますが、その企業が発信したコンテンツを拡散するかどうかは消費者の自由意志に委ねられます。

一方で、ステルスマーケティングは情報の拡散に対して企業が積極的に介入していきます。企業の社員が、あたかも一般の消費者を装って「〇〇社の製品がめちゃくちゃ良かったから、みんな買うべき!」や「期間限定の○○というイベントが最高だったので、今すぐ体験した方が良い」のような情報を発信します。ステルスマーケティングは、バレなければ一般の消費者に対して「好意的な口コミが多いから信頼できる企業に違いない」という印象を抱かせることができるので効率的なマーケティング手法だと思われがちですが、一方でバレた時に「〇〇社はステルスマーケティングを平気で行う企業だから、発信する全ての情報が期待できない」と考えられて一気に顧客を失ってしまうリスクがあります。企業の社員が巧妙に自分の身分を隠して消費者になりきっているつもりでも、ふとしたことでバレて顧客を失ってしまうリスクが高いため、最近ではあまり推奨されていないマーケティング手法です。

バズマーケティングとの違い

ステルスマーケティングと同じくらいバイラルマーケティングと混同されやすいのが、バズマーケティングです。Buzz(バズ)とは日本語で「ざわつき・がやがや」という意味を持った英単語で、口コミと同じような意味で使われることもあります。造語で「バズる」という言葉もあるので、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。「バズる」は「TwitterやInstagramの投稿が非常に多くの人に拡散されて色々な人の目に留まること」という意味で使われていることからも分かる通り、バズマーケティングはインターネットも含む口コミによって多くの人に情報が共有されることにより売上を伸ばすマーケティング手法です。

「口コミによって多くの人に情報が共有されることで売上額に貢献する」という意味では、確かにバイラルマーケティングとバズマーケティングは非常に似通っています。しかしながら、バイラルマーケティングでは企業側は魅力的なコンテンツを用意して消費者が拡散しやすくなるような「仕掛け」を作るのに対し、バズマーケティングにおいては企業は積極的に自社の商品やサービスを著名人に使ってもらって拡散するような「行動」をしていきます。

すなわち「拡散したくなるようなコンテンツ」を重要視し、発信した後は基本的に企業は静観するだけのバイラルマーケティングに対し、「コンテンツを拡散するための行動」を重要視し、発信した後も企業が積極的に拡散に関わっていくバズマーケティングという考え方ができるので、両者は似ているようで大きく異なるマーケティング手法と考えることができるでしょう。

インフルエンサーマーケティングとの違い

最後に、バイラルマーケティングとインフルエンサ―マーケティングとの違いに関しても知っておきましょう。インフルエンサーマーケティングも、SNSの発達とともに非常に注目されているマーケティング手法の一つです。多数の消費者の消費行動に対して影響力を与えるインフルエンサーは、芸能人を起用するよりも安価かつ消費者の好む「口コミ感」が強いことから、ローコストでハイリターンを得ることができます。

インフルエンサーマーケティングでは、企業が用意したコンテンツのターゲットとなる層に影響力のあるインフルエンサ―を起用することで消費者の行動を企業の望ましいように誘導していきます。すなわち情報の拡散に対して企業が積極的に介入するためバズマーケティングに近いマーケティング手法だと考えられています。企業の行動に着目することによって、バイラルマーケティングとインフルエンサ―マーケティングは見分けることができるでしょう。

しかしながら、バズマーケティングとインフルエンサ―マーケティングに関しては明確な境界は存在していないと言われています。バズマーケティングは、単に企業が積極的に口コミを拡散していくだけではなく場合によってはインフルエンサーを起用することによって情報の拡散に勢いを持たせることもあるからです。すなわち、バズマーケティングとインフルエンサ―マーケティングに関しては明確な違いは存在せず、バズマーケティングの手法の一つとしてインフルエンサーマーケティングが存在していると認識する方が良いでしょう。

実際のバイラルマーケティングの成功事例7選

では、実際にバイラルマーケティングを使った企業にはどのような事例があるのでしょうか。ここでは実際にバイラルマーケティングを使いマーケティング上の目標を達成した企業の成功事例を7つ紹介していきます。バイラルマーケティングを活用したいと考えている企業は、今から紹介する7つの事例をヒントにしながら活用方法を考えてみてください。

YG Entertainment


バイラルマーケティングの成功事例として最も広く知られているのが、韓国の音楽レーベルであるYG Entertainmentの手法です。2012年に世界中で爆発的に流行したダンスですので、バイラルマーケティングやYG Entertainmentの存在は知らなくても覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。

YG Entertainmentのバイラルマーケティングは韓国の歌手であるPSYのカンナムスタイル(江南スタイル)という曲を流行させるために使われました。しかし、単にカンナムスタイルを流行させるためだけではなくK-POPを欧米に進出させるための契機としてカンナムスタイルを流行させたため、実に1年以上にわたる準備期間が用意され綿密に準備が進められました。

まず、YG Entertainmentはアメリカにオフィスを設立し、will.i.amなどの有名なアーティストやレコードレーベルと秘密裏に契約を結びました。この契約も即座に発表せず、カンナムスタイルを流行させるための最適なタイミングで発表されたためバイラルマーケティングにおけるバイラルコンテンツの一つだと見られています。

次に、YG Entertainmentは自然な手法でSNSのフォロワーを増やすことにも着手しました。SNSのフォロワーを増やす際は、フォロワー募集のハッシュタグを使ったり、Twitterであればプロモツイートなどの広告ツールを利用することが一般的ですが、YG Entertainmentはあくまでも自然なフォロワーの増加にこだわったため広告ではなく投資によってフォロワーを増やし、結果的にカンナムスタイルを発表する前にはYouTubeのチャンネル登録者数は250万人を突破していたと言われています。

さらに、そのYouTubeのチャンネルでカンナムスタイルの前に音楽動画を配信しYouTubeを定期的にチェックしているアクティブフォロワーも獲得しました。そして、その配信された動画に出演しているアーティストはほぼ全員が個別のTwitterアカウントを持ち、それぞれがYouTubeチャンネルの登録者数を増やすための行動も行っています。

もちろんこうした仕掛けだけでバイラルマーケティングを成功させたわけではありません。バイラルマーケティングにおいて最も重要なのは、仕掛けではなくユーザーの目を惹くようなバイラルコンテンツです。バイラルコンテンツにあたるカンナムスタイル自体もターゲットである若年層の目を惹くようなポップで明るい曲調を意識して作られました。曲自体が明るいだけではなくキャッチーな歌詞やテンポの良いコーラスなど、人々を惹きつけるために効果的だと言われているものを多く取り入れた動画が作成されました。その動画にはPSYはもちろん既に韓国で人気を集めている歌手やダンサーを起用し、そのファンを惹きつけたこともバイラルマーケティングの成功に貢献したという説もあります。

こうした入念な下準備の上で配信されたPSYのカンナムスタイルは、YG Entertainmentの予定通りに爆発的に拡散されてまたたくまに人気コンテンツとなりました。韓国に限らず多くのセレブが自身のSNSで拡散し、中には自分がカンナムスタイルのダンスを踊った動画を投稿するセレブもいました。そうした現象は世界中のメディアで連日取り上げられ、ギネスの世界記録にまで登録されました。

この、PSYのカンナムスタイルが爆発的にヒットするまでは欧米においてK-POPは知名度自体も低くお世辞にも人気のあるコンテンツとは言えませんでした。しかし、カンナムスタイルが流行した2012年以降は、BIGBANGやBTSといった現在でも活躍しているK-POPアーティストが欧米進出を果たして成功を収めています。これは紛れもなくYG Entertainmentによる、バイラルマーケティングを用いたマーケティング戦略の成功事例だと言えるでしょう。

ロッテ


ロッテといえば「お口の恋人」などのキャッチフレーズで有名なお菓子企業ですので、日本では知らない人の方が少ないでしょう。しかし、先ほど紹介したYG Entertainmentのように知名度の低い企業が知名度を上げる目的以外でもバイラルマーケティングは使えるということを示す好例として知られています。

近年、生活環境や嗜好の変化などから若年層において「ガム離れ」が進んでいると言われています。こうした状況に危機感を抱いたロッテは、2017年にロッテの主力製品の一つである「Fit’s」のプロモーションに敢えてテレビ広告を利用しないマーケティング手法を採用しました。

Fit’sは従来のテレビ広告ではなく、YouTubeやTwitterで動画を公開してプロモーション活動を行いました。YouTubeで公開された「2年F組Fit’s組」は10代の若者を中心に人気を集め、さらにTwitterでは動画の登場人物たちによるツイートを行うことで動画を身近に感じて親近感を抱かせるための仕掛けを施しています。

この動画には10代の中高生から人気を集める俳優やアイドルを中心に起用したこともあり、またたくまに拡散されました。実際に、映像の中に登場するダンスを一般の高校生が「踊ったみた」動画をYouTubeに公開するなど、テレビ広告によるプロモーションを行わなくても十分な広告効果が得られ、動画再生数はプロモーション開始時点から1ヵ月以内で1,000万回を超えるヒットになったと言われています。

Volvo Trucks


Volvo Trucksはトラックを扱う企業が顧客の主体となっているヨーロッパのトラックメーカーの一つです。トラックを扱う企業だけではなく、個人のトラックオーナーも顧客に含まれるB to BとB to Cを両立されている企業ですが、バイラルマーケティングを用いて企業の知名度を上げることに成功しました。

Volvo Trucksは一般のトラックオーナーに対して自社の知名度を高めるため、エンターティメント性の高い動画をYouTubeに多数投稿しました。動画の内容はVolvo Trucksで取り扱っている製品の性能を俳優やパフォーマーとコラボしながら実証するというそれほど目新しい物ではありませんが、それぞれの動画がシリーズ化されているため多くの視聴者を獲得できるというメリットがありました。特に格闘家であるジャン=クロード・ヴァン・ダムとのコラボ動画は大変人気を集め、YouTubeだけで再生回数は約9,000万回を記録したと言われています。

このVolvo Trucksの動画のように、動画をシリーズ化して知名度を上げるという手法は現在、日本のauやsoftbankなどのテレビ広告でも行われている代表的な手法です。シリーズ化するものを配信することは、途中の1シリーズを見逃したユーザーが脱落してしまうリスクもある反面、YouTubeなどで継続的に配信することでユーザーの取りこぼしを防げたり、途中から広告に関心を持った新規のユーザーが過去の動画を見ることで当時は考えられなかった拡散効果が期待できることもあるなど、メリットもあるとして近年注目を集めています。バイラルマーケティングに限らず、その他のマーケティング手法においても覚えておきたいテクニックの一つだと言えるでしょう。

The New York Times


The New York Timesといえば、アメリカの新聞社として世界中で知名度の高い会社です。アメリカ国内において、USAトゥデイとウォール・ストリート・ジャーナルに次いで第三位の地位を獲得している会社ですが、このThe New York Timesもバイラルマーケティングの手法を用いることで爆発的に購読者数を増やすことに成功しました。

The New York Timesは2017年に「The Truth Is Hard」と題したCMをアカデミー賞授賞式のTV放送で流したことによりいつも以上に注目を集めました。2016年は「アメリカ大統領選挙においてローマ法王がトランプ氏を支持を表明した」や「クリントン氏を捜査中のFBI捜査官が無理心中をした」などのフェイクニュースが注目を集めた次の年です。アメリカだけではなく日本においても2016年4月に発生した熊本自身の際に動物園からライオンが脱走したというフェイクニュースが話題になりました。さらに2016年12月にはフェイクニュースから実際の銃撃事件を引き起こした「ピザゲート事件」が起きるなど世界中でフェイクニュースへの関心が高まっていました。

翌年の2017年もフェイクニュース流行の余波は続き、「2017年はフェイクニュースとの戦い」という言葉が発表されるなど報道各社にとって厳しい一年であったと言われています。その2017年に世界的に有名な新聞社であるThe New York Timesが「The truth is more important now than ever.」というメッセージを込めた広告を発表したことは、大きな話題を集めました。この広告は当初はテレビ広告だけでしたが、次第にSNSなどでも拡散されThe New York Timesの知名度をさらに上昇させることに貢献しました。

こうしたバイラルコンテンツの影響もあり、The New York Timesの2017年第一四半期における購読者数は約28万人にものぼり、当時の過去最高記録を更新しました。

コカ・コーラ


コカ・コーラのバイラルマーケティングの事例は世界中に拡散したものとして知名度の高い事例です。2011年にオーストラリアから発信されたことで、世界50ヵ国以上に波及することとなりました。コカ・コーラが行ったキャンペーンは、売られている商品の缶やペットボトルについている「Coca-Cola」のロゴを若年層に多い「Alex」や「Amanda」といった名前や「Mom」などの名称に変えるというものです。

ロゴの変更自体は特に珍しい物ではありませんが、若年層に人気のあるコカ・コーラが行ったことで「SNSで自分の名前のロゴにカスタマイズしたコーラを持って写真を撮る」という行為が人気を集めました。日本でいう「インスタ映え」を狙って多くの若者がコカ・コーラを購入し、自分の名前のロゴとなっているコカ・コーラと一緒に写真を撮り自身のSNSにアップすることで「私もやってみたい」という気持ちを引き起こしたと言われています。

この「自分の名前が入ったコカ・コーラと自分が一緒に写真を撮る」というバイラルコンテンツは、ロッテの「踊ったみた」動画の投稿でも分かる通り自身の日常をSNSで発信することが日常になっている若年層に対して非常に効果的でした。さらに「Share a Coke」というキャンペーンのスローガンもキャッチーだと話題を呼び、「自分の名前のコカ・コーラと一緒に写真を撮る」だけではなく「撮った写真をフォロワーにシェアする」という行動も促進したと言われています。

マクドナルド


SNSで消費者の口コミを拡散させるために魅力的となってくれるバイラルコンテンツといえば、ロッテやコカ・コーラのように自身の写真や動画を投稿するものだけではなく、無料のプレゼントキャンペーンも有名です。無料プレゼントを効果的に利用したバイラルマーケティングの事例としては、2015年のマクドナルドの事例が最も有名なのではないでしょうか。

2015年、マクドナルドはアメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウルの中継の広告の最中に、そのCMに関するツイートをマクドナルドのTwitterアカウントが発信しました。そのツイートをリツイートすることで無料でプレゼントをもらえるということで拡散力が非常に高かったのは想像に難くないでしょう。ただしこのマクドナルドの事例は他社の事例とは少し異なっています。一般的に、ツイートのリツイートでプレゼントするのは、マクドナルドであれば「バーガーのクーポン券」や「ドリンク一杯無料チケット」など自社の商品やサービス、あるいは商品サンプルである場合はほとんどですが、2015年にマクドナルドが行ったキャンペーンでは他社のCMに関するツイートをすることで他社の商品をプレゼントしました。

たとえば高級車であるレクサスやi Padなど、老若男女問わず幅広い世代に人気のある商品についてツイートしたため、普段はマクドナルドを食べない層からも支持を受け広く拡散されました。スポーツの大会を中継する際のテレビ広告といえば、視聴者の休憩時間になりがちですが、このキャンペーンのおかげで試合時間中にマクドナルドがメンションされた回数は60万回を突破するなど通常のプレゼントキャンペーンでは考えられない数値を記録しました。

無印良品

無印良品といえば、全国のイオンなどショッピングセンターで見かけることも多く、消費者にとっては非常に身近なメーカーの一つです。コンセプトがはっきりとした商品作りで固定ファンも多く安定した売上額を持っているメーカーですが、さらに売上額をアップさせるために行った施策が口コミキャンペーンです。

有楽町店の10周年を記念して行われた口コミキャンペーンは「無印といえば、〇〇」という内容をTwitterやFacebookで投稿することで店頭での買い物が10%オフになるという内容でした。これにより普段は店内を見るものの購入には至らない層からの消費も伸び、キャンペーン期間中の売上額は平常時の2倍以上になったとも言われています。


さらに無印良品は、この有楽町店10周年記念キャンペーン以外にもTwitterを中心に定期的にキャンペーンを行っています。特に盛んに行われているのはアンケートキャンペーンで、回答することによって無印良品店内で使えるマイルを5,000マイルプレゼントするというキャンペーンは人気を博しています。

このアンケートキャンペーンは毎年定期的に行われているため、家具を新調したいという需要を持っているフォロワーに対し「今年もそろそろ無印がいつものキャンペーンをするはずだから、他の店舗で買うのを我慢して無印で購入しよう」という気持ちにさせることができます。キャンペーンを恒例化することは企業にとって利益率が下がった時に赤字になるリスクがあったり実店舗やコールセンターの人員の確保といった課題もありますが、競合他社に流れかねない消費者を確保できるという点で大きなメリットにもなります。

「アンケートに答えると〇〇がもらえる」というのは分かりやすくて定番のバイラルコンテンツだと言われていますが、その分定期的に消費者の生の声を聞くことができるということで、キャンペーン期間中の売上額アップだけではなく今後の商品開発においても重要なコンテンツになると考えることができるでしょう。

バイラルマーケティングを成功させるSNS運用の3つのポイント

魅力的なコンテンツを用意するさえできれば顧客が自動で拡散してくれるバイラルマーケティングは、企業にとっては拡散される手間がかからないため非常に楽なマーケティング手法だと考えられています。しかしながら、その魅力的なコンテンツを用意する初期投資の段階で躓いてしまう企業も多く、バイラルマーケティングを意図的に成功させるのは決して楽なことではありません。

では、バイラルマーケティングを成功させるためのSNS運用のポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。3つのポイントを紹介していくので、必ず押さえておくようにしましょう。

強い「バイラルコンテンツ」を作る

バイラルマーケティングはバイラルコンテンツの魅力が全てを決定するといっても過言ではありません。成功事例でも紹介したように「〇〇すれば無料になる」や「〇〇すれば半額になる」などのバイラルコンテンツは分かりやすく消費者の目も惹きやすいコンテンツですが、一方でありふれているため目新しさがなく企業の熱狂的なファン以外にはスルーされてしまう恐れもあります。また、100均などのもともと安価な商品において「1点無料」としても消費者に対して響くことはありませんし、逆にハイブランドの商品が「無料」や「半額でプレゼント」というキャンペーンを乱用しすぎてもブランドの価値を落としかねませんし、キャンペーン期間以外の顧客離れも深刻になってしまいます。

そう考えると、強いバイラルコンテンツを作ることは口で言うほど簡単なことではありません。先ほど紹介したYG Entertainmentのように数年がかりで仕掛けを用意する必要もありますし、The New York Timesのように世相を反映させた分かりやすい魅力的なキャッチフレーズが必要になる場合もあります。いずれにせよ「現在、市場で何が歓迎されて流行しているか」という分析だけではなく「バイラルコンテンツを作動させる〇ヶ月後の時期には何が流行しているか」という未来を予測する能力も必要になります。

さらに市場の分析や未来の予測、魅力的なバイラルコンテンツの作成だけではなく、バイラルコンテンツを拡散するための顧客も育てていかなければなりません。特にそもそもの知名度があまり高くない企業の場合はYG Entertainmentが事前にYouTubeのチャンネル登録者数を増やしておいたように、拡散のための準備もしておかなければなりません。

現在顧客になっていない層を取り込むために必要なアピールポイント、顧客を取り込み育成し続けるために必要な継続的な魅力、バイラルマーケティングを実施する時点での市場の予測、ある程度の企業の知名度を揃えて初めてバイラルマーケティングは成功するのです。バイラルマーケティングを成功させるためには、魅力的なバイラルコンテンツはもちろん市場や自社の分析が必要であることが分かるでしょう。

「ステマ」にならないように注意する

バイラルマーケティングに限らずバズマーケティングにも共通している注意点ですが、拡散の際にはステルスマーケティングにならないように注意しなければなりません。既に解説したように、消費者はステマに対して敏感に反応しステマがバレた時点で今までの顧客の大半を失ってしまうリスクが存在しています。

特にインフルエンサーといった著名人を起用せずコンテンツの魅力だけで勝負するバイラルマーケティングの場合、企業が意図したほどの規模で拡散されないということも珍しくはありません。しかしながら、そこで慌ててステマを行うとバレるリスクが非常に高くなります。新規に作ったアカウントで不自然に拡散すると、拡散自体が不自然なものとしてユーザーにステマが露呈してしまうでしょう。逆に社員が以前から利用している個人的なアカウントでの拡散を強要すると過去の投稿内容から一般消費者ではなく企業の関係者だとバレる恐れもありますし、社員自体がそうした強要に不満を持ってステマを強要されたことを暴露してしまう恐れもあります。

バイラルマーケティングは一度拡散されると一気に広まるメリットがある一方で、企業が意図した通りの初動が起きないリスクも多々あります。バイラルマーケティングを行う上では、いたずらに焦らないようにそのリスクも十分に理解しておくと良いでしょう。

ネガティブな口コミへの対応策を用意しておく

口コミによって消費者を拡大していくバイラルマーケティングですが、当然ながら口コミはポジティブなものばかりとは限りません。企業が努力しているつもりでも製品に対して消費者の不満が募る可能性もありますし、実店舗の対応が悪くて消費者にフラストレーションを与えてしまう可能性も十分にあります。

ポジティブな口コミの拡散力が高ければ高いほど「でもあの企業は〇〇がダメだった」といったネガティブな口コミの拡散力も高くなります。ネガティブな口コミの内容によっては、興味本位の第三者が面白半分で拡散させてしまうということもあるでしょう。

そうした口コミの拡散速度に追いつくためには、ネガティブな口コミを発見してから対応策を考えていたのでは対応が遅れてしまう恐れがあります。バイラルコンテンツを仕掛ける段階で実店舗の対応不備や防ぎきれない不良品が発見されるなど、考えられるネガティブな口コミに対する対応策は可能な限り多く用意しておくことでバイラルコンテンツのポジティブな面だけを世間に拡散させることが可能になります。

SNSを使ったマーケティングはバイラルマーケティングの活用が必須

バイラルコンテンツの作成や市場や自社の分析、フォロワーの育成に多大な労力をかける必要がありますが、SNSを使ったマーケティングにおいてはバイラルマーケティングは今や無視できないマーケティング手法の一つです。無料でプレゼントキャンペーンなど、既に意図せずにバイラルマーケティングを行っている会社もあるかもしれませんが、今後はバイラルマーケティングの前提や効果的な運用方法を知り、より拡散できるような体制を構築してからバイラルマーケティングを仕掛けていくと良いでしょう。

ただし市場の分析や各SNSの特性の把握など、SNSマーケティングにおいて考慮しなければならないことは多岐にわたっていてなかなか対応できないというのも事実です。その際は「トリドリマーケティング」などのマッチングサービスを利用していくのも効果的です。インフルエンサーの紹介など、企業がフォロワーを増やすために利用したい手法を専門家の視点から分析し、紹介してくれるでしょう。SNSマーケティングのノウハウを持っていない企業でも楽に始められますので、ぜひトリドリマーケティングの活用も検討してみてください。