ミレ二アル世代の特徴と価値観とは?ゆとり世代との違いと消費行動からみる集客戦略

ミレニアル世代の消費行動を熟知した企業が今後を制する

「ミレニアル世代」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「〇〇世代」という区分は経済分野に限らず様々な場面でカテゴリ分けの際に使われる区分方法の一つです。2017年度までは、毎年春に日本生産性本部が出していた「今年の新入社員は〇〇タイプ」という発表が話題になることも少なくはありませんでした。

こうしたタイプは、毎年発表されることもあれば数年スパンで出てくる場合もあります。しかしながら、ただ単に適当にジャンル分けをしたわけではないので、軽視して良いわけではありません。その中でも現在注目されているのが「ミレニアル世代」という考え方です。企業にとって、このミレニアル世代の消費行動の特徴や、ミレニアル世代の考え方を知ることはマーケティング戦略の方針を考える上で非常に重要なこととなるでしょう。

ミレニアル世代の特徴とその他の世代の違い

それでは、現在抑えておきたいミレニアル世代とはどのような特徴を持った世代なのでしょうか。まず始めに、ミレニアル世代の特徴を知り、さらにその他の世代の違いも知ることでミレニアル世代についての理解を深めていきましょう。

ミレニアル世代の特徴

ミレニアル世代とはアメリカにおいて「2000年代に成人・社会人になる人たち」を指す言葉として提唱されました。すなわち1980年代から2000年代の初頭までに生まれた人たちが対象になるとされています。このミレニアル世代はデジタルネイティブ世代と呼ばれることもあり、生まれた年代によっては後程紹介する「Y世代」や「ゆとり世代」と同じカテゴリに属している人もいるでしょう。

ワシントンの「Pew Research Center」では、さらに厳密に「ミレニアル世代は1981年から1996年に生まれた世代である」と定義していますが、こちらの厳密な定義を知らずに、先ほど紹介した「1980年代~2000年代初頭に生まれた人たちは全てミレニアル世代」と考える人たちも決して少なくはありません。

そんなミレニアル世代の特徴ですが、大きな特徴として生まれた時あるいは物心がついた時には既にパソコンや携帯電話、スマートフォンが身近にある環境で育ってきたことが挙げられます。そのためIT製品に対する心理的なハードルを持っていない場合が多く、新しい製品に関しても説明書を読む前に少し触ってみようと考える人も少なくはありません。また、幼少期からIT製品を使ったやり取りに慣れているため、それ以前の世代に比べると情報リテラシーに優れている人が多い世代であるという特徴もあります。

普段からIT製品を用いてインターネットによる情報検索やSNSによる交流をしているミレニアル世代は、以前の世代と比べて個人主義であるという批判をされることも少なくはありません。確かに個人主義の一面を持っている人も多く、周りの人が困っていても助けを求められない限りは自主的に手助けをしないといった行動傾向もあります。しかしながら、個人主義な一面が強い一方で、個人の多様性に関しては非常に寛容な考え方をする人も少なくはありません。以前の世代は「人とは違うことは恥ずかしい」、「人と違った行動を取るのは間違っている」と考える人が多かったのに対し、ミレニアル世代は「人とは違っても問題がない」、「個性の一つとして尊重する」という価値観を持っています。

さらに、個人主義な一面があるミレニアル世代は自己中心的だと言われることもありますが、一方で仲間との繋がりを強く求めることもあります。自分の価値観に従った行動を人に邪魔されたくないという思いが強い反面、誰かに肯定してほしい、誰かに見てほしいという気持ちも持っています。以前の世代と違う点は、以前の世代が考える認めてほしい仲間は周りの友人や親類だったのに対し、ミレニアル世代は直接の知り合いに限らずSNS上で知り合った顔や本名を知らない人からの肯定でも満足することができます。

また2001年アメリカで起きた世界同時多発テロや2011年の日本の東日本大震災といった大きな事件の際に思春期の多感な時期だったミレニアル世代も少なくなく、その影響で社会問題への関心や社会貢献活動への意識が高いという傾向も持っています。そのため仕事のみに対して熱中するというよりは、仕事はほどほどに挑戦してボランティア活動や自己啓発に時間を割くことも厭わないでしょう。

「Y世代」や「Z世代」との違い

経済用語を学ぶ際「Y世代」や「Z世代」という言葉を聞くこともあるでしょう。では、これらの世代はミレニアル世代とはどういった違いを持っているのでしょうか。

まずY世代ですが、アメリカではミレニアル世代と同じく1980年代から2000年代初頭に生まれた人たちを指すことが多々あります。そのためミレニアル世代と生まれた時期を同じとしているので広義としてはミレニアル世代と同じ存在だとする動きもあります。ただし日本におけるY世代の考え方はアメリカとは異なり、日本では1980年初頭から1995年前後に生まれた世代をY世代だと定義しています。

これはバブルが崩壊した「失われた20年」や「就職氷河期」といった日本の景気があまり良くない時代に青年期を過ごしている人たちを意味します。それによりY世代は、既存の世代に比べて保守的な価値観を持っている人たちも少なくはありません。懸命に働いて出世をするよりも、堅実に働いてそれなりの安定した生活を求める人も多いと言われています。さらに、以前の世代は企業に対して年功序列や終身雇用を求める人が多かったのですが、Y世代の場合は転職しやすい環境やフレックス勤務、テレワークなどの柔軟な働き方を求めます。こうした既存の枠にとらわれない考え方は働き方に対してにとどまらず、同性婚の法整備や夫婦別姓などの新しい価値観を求めることも珍しくはありません。

そうしたY世代に続く世代がZ世代と呼ばれる世代です。Z世代は1990年代後半から2000年代の初頭に生まれた世代を指します。ミレニアル世代の中でも特に若い世代をZ世代と呼ぶと認識しても良いでしょう。Z世代はY世代やミレニアル世代と比べても、さらに高い情報リテラシーを持っているという特徴があります。生まれた時からインターネットが身近にあったため、そのリスクを理解している人も少なくはありません。しかしながら、一方で身近にありすぎるがために警戒心がなく大きな炎上の原因となってしまう行動をするケースもあるでしょう。こうしたZ世代は、個人主義の傾向があるミレニアル世代の中でも特にプライバシーを重視します。SNSを活発に利用している中でも、周りの人が特定されないように画像を加工するなどのネットリテラシーを持ち合わせている人が大半だと言われています。

「ゆとり世代」や「さとり世代」との違い

「〇〇世代」という考え方の中で、最も聞き覚えがあるのは「ゆとり世代」という言葉だという人も多いのではないでしょうか。もちろん「ゆとり世代」そして「さとり世代」に関してもミレニアル世代との違いを把握しておくことは非常に重要です。

ゆとり世代も、年代的にはミレニアル世代とほぼ変わりません。文部科学省の学習指導要項の変更による影響を大きく受けた1980年代から2000年代前半の生まれの人たちのことをゆとり世代と言います。しかし、ゆとり世代という言葉の使い方をする際には、消費行動や考え方の違いを分析するよりも、単にミレニアル世代の悪い部分を揶揄する時に使われることも少なくはありません。ゆとり世代の特徴として言われがちなのは「プライベートを優先し、すぐに結果を求めたがるので努力が苦手であり、頑張ったりギャンブルで成果をあげたりすることには興味を抱かず、会社の飲み会にも強制出ない場合は参加しない」といった特徴です。しかし、これは先ほど紹介したミレニアル世代の「個人主義」や「仕事はほどほどにする」といった特徴とほぼ同じ意味をしています。すなわち、ミレニアル世代の特徴を悪く言う時に使われがちな言葉がゆとり世代であると認識しても問題はないでしょう。

ゆとり世代に続くさとり世代は、1990年代に生まれた人たちのことを示す言葉です。さとり世代の特徴としては日常的な無駄遣いをしない堅実的な性格をしているが、自分の趣味に対しては散財する傾向があると言われています。会社の飲み会への参加は渋っても友人たちとは頻繁に出かけることも多く、社内で不興を買うこともあるでしょう。さらにミレニアル世代の個人を尊重する価値観も強く、気が合わないと思った人とは必要最低限の付き合いしかしないことも珍しくはありません。こうした行動に関しても、ミレニアル世代以前の世代からは我慢ができない世代であると批判されてしまうこともあります。こうしたさとり世代の堅実な性格は、SNSが発達した環境で育っただけではなく幼少期から「日本の景気は悪く、給料が下がっている」というニュースを聞いていたことも大きな影響を与えていると言われています。

ミレニアル世代の消費行動の特徴

ミレニアル世代には、広義で考えるとY世代もZ世代もゆとり世代もさとり世代も含まれます。では、そうした世代を全て包括しているミレニアル世代はどのような消費行動をするのでしょうか。ミレニアル世代の消費行動に関して、5つの特徴を紹介していきます。

【特徴①】「物質」よりも「体験」を重視

ミレニアル世代より以前の世代は、消費の中で「物質」を重視する傾向があります。「誰もが憧れるブランドの洋服を着る」や「同世代に人気のある車に乗る」や「誰よりも豪華なマイホームを建てて生活していく」など、「物質」に重きを置いた消費行動をする人が多いと言われていました。

しかしながら「若者の車離れ」などのよく耳にする言葉でも表される通り、ミレニアル世代世代はそれほど物質に重きを置いた消費行動をしません。むしろ「物質よりも体験できる内容」に注目して消費行動を取る傾向があります。「季節限定で開催されているイベントに参加して記念写真を撮ってくる」や「珍しいボランティア活動があっているから、旅行のついでに交通費や宿泊費をかけてでも参加する」ということをする人も珍しくはないでしょう。それくらい、物質を持つことよりも「今しかできない」という体験をすることに強いこだわりを持っています。

そういった物質を持つことに執着しないため「シェア」や「レンタル」に対してもそれほど抵抗感を持っていません。お気に入りの自家用車を持って整備代をかけるよりは、少しくらい気に入らない車種であっても使いたい時にだけ使えるカーシェアリングやレンタカーを選ぶ人も少なくはありません。お気に入りのアーティストのCDを買うよりは、レンタルで買って音源だけPCに取り込むという人も多いでしょう。「車で目的地まで移動すること」や「好きな音楽を聴けること」という体験さえ達成できれば、その手段や道具に対するこだわりはあまり持っていません。

【特徴②】インフルエンサーの影響を受けやすい

個人主義が多いミレニアル世代ですが、全く誰からも影響を受けずに全て自分で決定しているわけではありません。ミレニアル世代は他の世代に比べてインフルエンサーの影響を受けやすいという特徴を持っています。以前の世代であれば、テレビや雑誌の広告や憧れの芸能人の行動を見て、自分の消費行動の目標にすることも少なくはありませんでした。しかしながら、物心ついた時からインターネットに親しんでいたミレニアル世代にとって、そうした芸能人や広告は「企業のごり押し」というイメージが強く感じられてしまいます。そのため、以前の世代ほどテレビや雑誌から受ける影響は大きくありません。

そのかわり、ミレニアル世代はインフルエンサーの影響を強く受けます。「遠くの世界にいる好きな芸能人」が良いと言っているものよりも「身近に感じられるインフルエンサーが推奨しているもの」の方がミレニアル世代にとっては魅力的であり、自分も体験したいと強く感じるでしょう。そのためミレニアル世代の消費行動を促進するためにはインフルエンサーの起用が欠かせないと言われています。

【特徴③】健康志向が強い

健康に関する関心が強い世代というと、ミレニアル世代などの若年層よりも高齢者の方をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかしながら、世界同時多発テロや東日本大震災を多感な年頃に経験しているミレニアル世代にとっては、健康を大切にして長生きすることも大切な目標です。そのため、ミレニアル世代より少し上の世代である1970年代と比較すると非常に健康志向が強い人も少なくはありません。

有機栽培やオーガニック、無添加といった健康に良いと言われているものであればとりあえず試してみるというミレニアル世代もいるでしょう。「どのように健康に良いか」を理解する前に「インフルエンサーが良いと言っていたから」や「友達が使っていて、調子が良いと言っていたから」という理由で商品を購入する人も少なくはありません。

また、以前の世代であれば「健康的な食事のためには三食自炊することが大切」という価値観を持っていましたが、個人の趣味を尊重したいミレニアル世代は自炊に割く時間を非効率だと考える傾向にあります。そのため、自炊よりコストがかかっても外食で栄養が摂れる食事をし、その分の空いた時間でフィットネスや筋トレを行ってさらに健康に気を配るというのもミレニアル世代の特徴の一つです。

【特徴④】口コミに影響されやすい

インフルエンサーの影響を受けやすいミレニアル世代は、口コミに影響されることも多いと言われています。何かを購入する時にAmazonや楽天市場といった通販サイトの商品レビューを見たり、会社の飲み会の場所を決める時にも先輩社員に今まで使ったことがあるお店を聞くよりも先に食べログやぐるなびといった口コミサイトを参考にお店を決めることもあります。先ほど触れたように「友達がおすすめしていた」という理由で自分も新しい商品を購入することもあるでしょう。

自分の行動を決める時だけではなく、恋人とのデート場所を決める際にも口コミを重視します。以前の世代であれば、旅行の際に観光ガイドブックを買ってきて「どこに行くのが二人とも楽しめそうか」や「二人の興味がある場所はどんなところがあるのか」といった決め方をしていた場面でも、ミレニアル世代は「〇〇(旅行先の地名) おすすめ」や「〇〇 デートスポット」などと検索し、口コミを元に全ての旅行プランを決めることもあります。

【特徴⑤】副業やスキルアップに野心的で消費も大きい

ミレニアル世代より以前の世代の場合、自分の収入を増やしたい時には会社での仕事を頑張り残業や出張も積極的に引き受けて、出世することによって収入を増やそうとしがちです。しかし、ミレニアル世代は同様に収入を増やしたい場合でも会社だけに依存することはまずありません。むしろ会社の仕事はほどほどにして、空いた時間を副業やスキルアップに充てようとします。会社の終身雇用に対してはそれほど期待をしていないため、万が一会社が潰れても問題なく生活できるように自分の収入の基盤を複数持とうとする特徴があります。ヘッドハンティングや転職に関しても抵抗がなく、以前の世代であれば「就職した会社に恩があるから」と断っていたような場面でも、ミレニアル世代は条件によっては競合他社に転職するということへの抵抗もそれほどありません。

また、「物質」に対する消費はそれほどしないミレニアル世代ですが、副業で効率的に稼げる方法やスキルアップのために必要なものに対する消費は他の世代に比べても多いと言われています。自己啓発本を買ったり資格取得のために必要な試験があればその参考書を買うなど、物質に対する消費はそれほどしないミレニアル世代でも、自分の収入のためであれば支出を厭わないという傾向があります。

ミレニアル世代に最適な集客戦略

世代間でそれぞれ消費行動に関する考え方の違いは大きく、世代が大きく変わるたびに「最近の若い人たちは何を考えているのか分からない」という言葉は使われがちです。しかしながら、その新しい世代の中でもインターネットが身近にあるミレニアル世代は特に以前の世代との違いが大きいと考えられています。

すなわち、今までであれば世代の移り変わりをそれほど意識しなくても安定した集客ができていた企業においても、ミレニアル世代に対しては根本的に考えを買えないと新しい消費者を掴めず、消費者の世代交代の波に乗り遅れてしまうリスクが高くなっています。では、そうした以前までの世代とは大きく違うミレニアル世代に対して最適な集客戦略を打ち出すためにはどういったことを意識すれば良いのでしょうか。4つのポイントを解説していきます。

テレビや雑誌ではなくWeb中心に広告を出す

「若者のテレビ離れ」という言葉がよく知られていますが、世間的なイメージほどミレニアル世代はテレビを見ないわけではありません。むしろ最近は録画機能だけではなくAbemaTVなど気軽に見られるテレビ番組も増えているので以前までの世代に比べてテレビを見ているミレニアル世代も多いと言われています。

しかしながら、以前の世代のようにミレニアル世代はテレビの広告の影響はそれほど受けません。先ほど触れたように、ミレニアル世代にとってテレビの広告は企業がゴリ押しをしているものであり、嫌悪感を抱いてしまうことも少なくはありません。また、芸能人が推奨しているものでもミレニアル世代にとっては遠い世界のものに感じられてしまい、以前の世代ほど「自分も同じものを使いたい」という気持ちにはならないと言われています。

そのためミレニアル世代の消費行動を促進させたい時にテレビや雑誌に広告を出しても全く無意味ということはありませんが期待しているほどの効果は得られないでしょう。ミレニアル世代の消費行動を促進させるためには、テレビや雑誌ではなくむしろWeb上に広告を出す方が効果的だと言われています。Web上の広告は自分の検索履歴などを反映してミレニアル世代の好みに合った広告を提供することが可能です。そうすることで、広告に対して猜疑心の強いミレニアル世代に対しても高い広告効果を期待することもできます。

また、既存の広告だけではなく新しい広告形態であるインフルエンサーマーケティングに関しても積極的に挑戦していくことも重要です。インフルエンサーマーケティングは既に触れた通り広告らしさが少ないためミレニアル世代の消費行動に大きな影響を与えることができます。今まで広告を作る際に「ターゲットに対してどの芸能人を起用すれば高い広告効果を得られるか」を考えていたのと同じように、ミレニアル世代に対するインフルエンサーに対しても最適なインフルエンサーを起用することで高い広告効果を得ることは決して難しいことではありません。

Web上の広告もPCではなくスマホを前提に考える

ミレニアル世代に向けてWeb上で広告を出す際に、忘れてはいけないのはミレニアル世代がWebを見る際に使う媒体はほとんどの場合スマホであるということです。普段からインターネットに慣れ親しんでいるミレニアル世代ですが、実はPCを利用している割合は非常に低いと言われています。PCを使ってじっくりインターネットを閲覧するというよりはむしろ、スマホを使って場所を選ばずに自分の好きな情報にアクセスするということがミレニアル世代のインターネットの使い方です。

そのため、画像で商品やサービスの魅力を伝える際にも、動画広告を出す際にも重視しなければならないのは「スマホ画面で見やすいか」といった点です。必然的に、横長で小さい文字が多い広告よりも、スマホ画面で見やすいように縦長で大きな文字で分かりやすく商品やサービスの特徴を紹介している広告の方が好感度が高くなります。テレビやYouTubeでの広告作成に慣れた人ほど、ミレニアル世代になじみやすい広告を作る際に苦労してしまうことがあるので注意しましょう。

分かりやすい広告で「時短」をアピール

自分の趣味に割く時間を多く確保したいミレニアル世代は、会社でも飲み会や私語を含む残業などで長時間拘束されることを嫌います。広告に関しても考え方は同じであり、分かりやすい広告で時短しながら必要な情報を瞬時に入手できる広告を好むでしょう。以前の世代の場合、広告の情報量も多く詳細な説明をすることで商品やサービスの魅力を伝えるものを好む傾向がありましたが、普段から多くの情報に接しているミレニアル世代にとってそうした広告を見るのは疲れてしまいます。

ミレニアル世代に刺さる広告を打ち出すためには、短い時間の中で情報量を多くし過ぎてはいけません。むしろ端的にキーワードだけを並べたような広告でも構わないでしょう。広告の最後に「詳しくはWebで」などの案内をするのも、以前の世代にとっては「伝えきれないなんて不親切な広告だ」や「消費者に手間をかけさせるなんて大したことない企業だ」という印象を抱かれてしまいがちですが、ミレニアル世代にとっては「必要な人だけが見れば良いから親切だ」や「伝えたい相手を選んでいて、時短ができる効率的な企業で好ましい」という印象を抱くことになります。一つの広告に対しても、以前までの世代とミレニアル世代では抱く印象が大きく異なるということは常に頭に入れておかなければなりません。

「レンタル」「シェア」にも力を入れる

物質よりも経験を重要視しがちなミレニアル世代ですので、それほどものを所有することにこだわりません。特に高いものの場合、所有することでリスクを負うよりもレンタルやシェアで気軽に使える方が好ましいと考えることもあるでしょう。既に紹介したカーシェアリングやレンタカーの他にも、マイホームを買うより賃貸の方が身軽で転職しやすいためライフプランに合っていると考える人も多いですし、高価なブランド品を一つ買って大切に使うよりも、レンタルで色々なブランドを借りた方がファッションのバリエーションを作りやすいと考える人も多いと言われています。実際、合コンや街コンに行く際の、いわゆる勝負服は自分のお気に入りのブランドの服を着るのではなくレンタルでその日のためだけに用意して、使い終わったらクリーニング代を含めて返却するという消費行動を取るミレニアル世代も少なくはありません。

こうした消費行動の背景には物質よりも経験を重視するというミレニアル世代独特の考え方の他にも、車や家を買う経済的な余裕がない場合や、お気に入りの服やバッグを保管しておくスペースのある家を借りられないという背景もあります。しかし、大切なのはミレニアル世代が経済的に余裕を持っていない、あるいは所有に関して予算を割くほどの関心を抱いていないという事実ではなく、以前までの世代と比べてレンタルやシェアに対する抵抗感が少ないという点です。

企業としてはこの点を重要視して、柔軟に対応していく必要があります。今までの顧客のために一点物の商品を作成する一方で、レンタルやシェアでも使えるように安価で多くの人が使いやすい商品やサービスを増やしていく方が消費者層を拡大することができるでしょう。特に服やバッグ、靴のシェアなどは商品やサービスを開発している責任者の世代には抵抗感を抱く人も多いですが、ミレニアル世代を集客するためには積極的に取り入れていきたい価値観であることは間違いないでしょう。

ミレニアル世代を主要ターゲットにするメリットとデメリット

今までとは全く違う価値観や消費行動を取るミレニアル世代ですが、現時点ではそれほど大きな影響力を持っている消費者層ではありません。実際、扱っている商品やサービスにも左右されますが、多くの企業もミレニアル世代を意識しつつもそれ以上のもう少し金銭的に余裕がある世代を主要なターゲットとしている企業の方が多いでしょう。

しかしながら、遅かれ早かれ消費者の世代交代によってミレニアル世代が消費者の中心世代となる日はやってきます。その日がやってくる前に、現時点でミレニアル世代を主要ターゲットに据えて青田買いのようにミレニアル世代を自社の熱狂的なファンに育てておくことは重要なことです。

では、ミレニアル世代を主要ターゲットに据えるとどのようなメリットとデメリットが考えられるのでしょうか。どちらもしっかり確認しておきましょう。

【メリット①】口コミによる拡散力が高い

既に触れているように、ミレニアル世代は口コミを重視して商品やサービスを選ぶ傾向が強い世代です。口コミを積極的に閲覧してそれによって自分の消費行動を決めるだけではなく、自分からも口コミサイトやSNSに書きこんで発信することに対する意欲にも溢れています。すなわち口コミによる拡散力が高く「友達が良いと言っていたから」という理由で消費を決めると同時に「これは良いと思ったから、知り合いにも教えてあげよう」という行動に出ます。

そのためミレニアル世代をターゲットとして商品やサービスを販売すると、爆発的な勢いで売上額が増えていく可能性が非常に高いです。インフルエンサーも適宜起用しながらミレニアル世代の一部が気に入る商品を出すだけでも、周りの友人やSNSを通じて知り合った人たちへ宣伝してくれることもあるでしょう。言い換えれば、ミレニアル世代は企業がコストを払う必要がない広告塔だと考えることも可能です。

【メリット②】新商品への感度が高い

個人主義の意識が高いミレニアル世代にとって「新しい商品は周りの人が使ってみるまで手を出すのはやめておこう」という考え方はほぼありません。以前までの世代であれば、魅力的な新商品を出しても「自分だけ使うのは恥ずかしい」という理由で消費を差し控えるケースもありましたが、ミレニアル世代の場合はそうした周りの目を意識して消費行動を決定することはありません。既存の商品とは全く違う新商品に対しても、自分が良いと思った場合には積極的に購入して使用してくれるでしょう。

そのため企業も、従来であれば「まだ前回の新商品がそれほど浸透していないので、次の新商品を出すのは早急すぎるかもしれない」と発売を延期していたケースでも、新商品への感度が高いミレニアル世代を対象に考えるとどんどん新商品を発売することができます。新商品の生産個数も以前より少なくてすみますし、商品の回転スピードが従来までの比ではないため在庫を抱えるリスクも削減することができるでしょう。

しかし一方で、新商品の感度が高いミレニアル世代の中には既存の商品に飽きるのも速いという一面があります。そのため開発や発売のスピードがミレニアル世代の興味の移り変わりに追いつけない企業の場合、一度は人気を獲得することができても多くの情報の中に埋もれてしまい、忘れられてしまうリスクもあることを覚えておかなければなりません。

【メリット③】ブランドに左右されない

以前までの価値観にそれほど影響されないのもミレニアル世代の特徴の一つです。そのため、ブランドイメージに左右されて自分の消費行動を決めることはほとんどありません。以前までの世代であれば「プロポーズにはティファニーが良い」や「デートの時にはディズニーが良い」などのように世間的なイメージで自分の消費行動を決めていましたが、ミレニアル世代の場合は「プロポーズはティファニーも良いけど、自分たちの好みで選ぶ」や「ディズニーも魅力的だけど、定番スポットよりも隠れ家的なスポットに行きたい」のような考え方をして行動を決定していきます。

これは、起業したばかりの企業や今まで大手のブランド企業に勝てなかった企業にとっては非常に魅力的な消費行動の特徴だと言えるでしょう。ブランドで決めることがないミレニアル世代ですので、本当に価値のある消費やサービスを提供することができれば、中小企業であっても業界一位になることも不可能ではありません。もちろん、ブランド企業にとってもブランドの名前にふさわしい商品やサービスを提供することで、ブランド名に左右されないミレニアル世代も「やっぱりブランドには価値がある」と納得させることもできます。老舗の企業であっても新興企業であっても、どちらの立場でもミレニアル世代を主要ターゲットにすることはメリットとなりうるでしょう。

【デメリット①】既存の顧客を失うリスクがある

ミレニアル世代を主要なターゲットにするためには、今までのマーケティング戦略とは全く方向性の違う戦略が必要になる場合もあります。もちろんそれが成功することで、既存の顧客に加えてミレニアル世代も大きな顧客とすることができ、企業を成長させるきっかけにすることもできるでしょう。しかしながら、以前までの世代とは大きく考え方の違うミレニアル世代を主要なターゲットにすることで、既存の顧客を失ってしまうリスクがあります。

たとえば、先ほど「今までの顧客のために一点物の商品を作成する一方で、レンタルやシェアでも使えるように安価で多くの人が使いやすい商品やサービスを増やしていく」ことがミレニアル世代の消費行動を考えると重要であると紹介しましたが、企業の今までの経営方針によっては安価で多くの人が使いやすい商品やサービスを出した時点で「大衆に迎合している」と批判されてしまう恐れもあります。

これに限らず、ミレニアル世代にとっては有効なインフルエンサーマーケティングも以前までの世代にとっては「芸能人でもない一般人の起用は安っぽくて好きではない」という考え方をしている人も少なくはありません。企業としては、ミレニアル世代ばかりを主要なターゲットに据えてしまうと、今まで大切に育ててきた顧客を失う可能性があることも考慮し、ミレニアル世代に対して刺さりつつも既存の顧客を軽視しないマーケティング戦略を打ち立てなければなりません。

【デメリット②】悪い噂が広まるのも速い

口コミによる拡散力が高いミレニアル世代ですが、良い商品やサービスに対してだけではなく不良品やサービスのミスに関しても口コミで拡散させるという特徴を持っています。以前までの世代であれば、不良品を交換して誠実な対応をすれば終わっていたことでも、ミレニアル世代は拡散できる素材を手に入れたとばかりに悪意を持って拡散させてしまうこともあります。また、ちょっとしたミスに関してもSNSで拡散されて炎上してしまう企業も少なくはありません。

さらに怖いのは、本当に商品やサービスに欠陥があった場合だけではなく、ミレニアル世代の思い違いや悪意を持った口コミに関しても拡散される可能性があるということです。一度インターネット上に拡散されてしまった悪い噂は、訂正したとしてもなかなか消費者の印象から消えてはくれません。悪い噂を広められてしまうと、一気に窮地に陥ってしまうリスクもあるでしょう。

ミレニアル世代の消費行動特性を知って売上アップにつなげよう

まだ消費者としては若い世代のミレニアル世代ですが、時間の経過とともにいずれ消費者の中心となる世代になるでしょう。そうした時に時代に取り残された企業にならないためにも、早期にミレニアル世代消費行動特性を知り売上アップにつなげる準備をしておかなければなりません。

InstagramやTwitterを用いたインフルエンサーマーケティングもその一つです。「コラボマーケティング」など、プロが提供しているサービスを使うことで、今までよりもさらにミレニアル世代に刺さる広告を出すことも可能です。早期にミレニアル世代を自社のファンとして取り込むためにも、専門家の力も借りて早めの行動をしていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA