TikTokにおけるマーケティング手法と企業の活用事例10選

SNSマーケティングを行うならTikTokに注目すべき

最近はSNSマーケティングを活用している企業も増えてきています。そのため消費者もお気に入りの企業が主催するSNSキャンペーンへの活用を目的にアカウントを取得することも増え、それによりさらにSNSマーケティングが盛り上がり参入する企業が増えるというサイクルが生まれています。これはSNSマーケティングを検討している企業にとっては非常にありがたいことではありますが、一方で参入している企業が増えれば増えるほど一つ一つの企業の注目度は下がってしまい、大手企業以外はSNSマーケティングでの成功は難しくなってしまう恐れもあります。特に、まだSNSのアカウントを持っていなくて今後新規でSNSアカウントを取得しマーケティングに参入しようと思っている企業にとっては非常に不利な状況であると言わざるを得ません。

しかしながら、TwitterやInstagramといった既に多くの企業がSNSマーケティングに利用しているSNSにこだわらなければ、現在アカウントを持っていない企業であっても十分に注目を集めつつ利益をあげることが可能だと言われています。そのような影響力が高く、まだそれほどライバル企業も多くはないSNSを探すのであれば、TikTokを活用するのが最もおすすめです。

なぜ今TikTokが注目を集めているのか、実際の企業が行っている成功事例や、TikTokでSNSマーケティングを成功させるために覚えておきたいポイントも含めて解説していきます。

TikTokが企業から注目を集めている理由

SNSマーケティングを行う際には、SNS自体がマーケティングに使いやすいかという特性はもちろん、SNS自体の利用者数にも注目しなければなりません。そこに着目してみると、Instagramの月間アクティブユーザー数が3,300万人であるのに対し、TikTokは950万人に留まっているので市場としては小さくSNSマーケティングを行うには不適切であると感じる人もいるかもしれません。

しかしながら、そうした印象とは裏腹に現在TikTokにおけるSNSマーケティングの可能性を感じ、次々とTikTokに参入している企業、あるいは参入する準備をしている企業は決して少なくないのです。では、なぜそこまでアクティブユーザー数の多くないTikTokがそれほどまでに注目を集めているのか、まずは理由を見ていきましょう。

手軽な投稿・視聴機能

TikTokは利用者の利便性が非常に高いSNSです。動画を投稿するために使う人が多いSNSですが、一般的にはYouTubeなどに投稿されているクオリティの高い動画を見ても分かる通り拡散されるほどのクオリティの動画を作ろうと思うと動画編集に対する特殊な技術や専用のソフトが必要になります。もちろん趣味の範囲であれば撮影した動画をそのまま投稿することも可能ですが、企業の投稿動画や周りに注目されることを目的とした動画の場合はそれはできないため、どうしても動画編集の時間がかかってしまいます。

しかしながら、TikTokは既に既存の楽曲が用意されている場合が多いSNSです。すなわち、既存の楽曲に合わせて踊るだけで手軽に動画投稿ができるため、動画編集の技術やソフトを持たない人でも簡単に動画を投稿することができます。さらに、動画に対する振付が用意されていることも多いため、TikTokを利用する人は口パクをしながら振付を真似するだけで簡単に投稿ができます。こうした理由を考えると、若者人気が高いことも頷けるでしょう。

さらにTikTokは投稿者が楽なだけではなく、視聴する際にも非常に利便性の高いSNSです。デザインが優れているため、一つの動画を見た後はどんどん次の動画を視聴することができます。通信環境にもよりますが、動画の読み込みに時間がかかることはほぼないので、視聴者の離脱率を低く抑えることが可能になります。すなわち、企業としても投稿した動画が視聴される可能性が高いため、費用対効果が非常に高いSNSであることが分かります。

また、動画投稿を主に行うSNSとしてTikTokと比較されがちなSNSはYouTubeが多いですが、YouTubeの長時間の動画とは違いTikTokの動画は最大で15秒しか投稿できません。4つまでなら動画を繋ぎ合わせることができますが、それでも動画は最大60秒にしかならないため、忙しい人でも隙間時間に簡単に視聴することができます。一つ一つの動画が短く、さらにすぐ次の動画に移れるユーザーインターフェースが組まれているため、企業にとってもユーザーにとっても動画視聴に適したSNSだといえるでしょう。

こうした優れたTikTokのユーザーインターフェースは、比較的自由に時間を使うことができる中高生だけではなく、社会人の視聴数を増やすことにも貢献しています。そもそもTikTokというと、中高生が友達と遊ぶために利用するSNSであるという印象を抱いている人も多いのではないでしょうか。もちろんそうした目的でTikTokを利用している人も少なくはありませんが、実は20代~30代のユーザーもTikTokを利用しているのです。たとえば1日に6回以上TikTokを利用するユーザーに限定して調査をすると12歳~19歳が80%近くを占めますが、1日1回以上視聴するユーザーという観点で分析すると30%が20代~30代というデータもあります。さらに週に1回以上視聴するというカテゴリに注目してみると、10代と20代の比率はほぼ同程度の25%となるため、TikTokは決して若者専用のSNSでないことが分かるでしょう。20代以上もユーザーに含まれているSNSということで、現時点ではアクティブユーザーが数が他のSNSには及ばないもののマーケティング市場としては問題ない規模であることが分かります。

他のSNSとの連携が可能

さらに他のSNSと比べるとユーザー数が少ないTikTokが注目されている理由として、他のSNSと簡単に連携できる機能が実装されているということもあります。TikTok内に投稿した動画を簡単にInstagramやTwitter上に投稿できる機能がTikTok自体に実装されているため、動画の撮影にはTikTokを使うものの基本的に投稿はInstagramやTwitterを利用するという使い方をしているユーザーも少なくはありません。可愛い動画を自分のSNSに投稿して色々な人に見てほしいが、動画を編集する技術やソフトを持っていないというユーザーにとって、非常にありがたい機能であることが分かるでしょう。

さらにこの機能によって、TikTokは結果的に爆発的な拡散力も獲得することに成功しています。TikTok内での拡散機能はそれほどではないものの、拡散能力の高いTwitterにTikTokの動画を投稿することによって、結果的にリツイートされて多くの人の目に触れさせることができるでしょう。そのため、企業としてもTikTokのアカウントを取得して動画を作成し、InstagramやTwitterにその動画を投稿することによってTikTokでキャンペーンを行う際にキャンペーン自体の認知度を大きく高めることができるでしょう。

インフルエンサーの影響力が強い

TikTokは10代~30代が主に利用しているSNSです。その中でも10代や20代の利用が多いため、インフルエンサーの影響力も他のSNSと比べて強くなります。SNSマーケティングを行う際にインフルエンサーの力を借りると非常に費用対効果が高くなるため、企業としてもインフルエンサーが力を発揮しやすいTikTokの利用が効率的だと感じるのではないでしょうか。

さらにTikTokのユーザーは年代的にインフルエンサーの影響を受けやすいだけではなく、TikTok自体も「#広告で有名になりたい」というハッシュタグがつけられた投稿動画をTikTokアプリの広告に使用するキャンペーンを行っています。すなわち、TikTok自体がインフルエンサーを育て、インフルエンサーを目指す人たちがTikTokを使うようになっていくでしょう。

このように公式アプリが積極的にインフルエンサーの活躍を盛り上げるような仕掛けを行っていくことにより、今後もますますインフルエンサーがTikTokを活躍の場とし、必然的にインフルエンサーの影響を受けやすいターゲット層の利用が増えていくことが予想されます。

利用している企業が少ない

動画の投稿にも視聴にも利便性が高く、さらに拡散力も問題なくインフルエンサーの影響力も強いためSNSマーケティングへのメリットが多いTikTokですが、それでも利用している企業が現時点ではそれほど多くありません。そもそも、SNSマーケティングというとやはりどうしても利用者の母数が多いTwitterやInstagramを活用しがちなため、どうしてもTikTokは優先順位が下がってしまいがちです。さらに視聴回数に注目せずに登録しているユーザーの年齢層に着目した場合、TikTokの大半は10代に見えるため一般的な企業としてはターゲットにしてもそれほど利益が得られないと判断してTikTokをSNSマーケティングに活用しようとは思わないのでしょう。

しかしながら、だからこそTikTokは現在SNSマーケティングへの活用が注目されているのです。20代や30代も視聴するTikTokでキャンペーンを行うことで、競合他社に埋もれることなく自社の存在感をアピールすることができます。また、10代の間で話題になることでネットニュースに取り上げられて結果的に他の世代に訴求力を高めることもできますし、10代のファンを獲得しておくことで将来の顧客として育てることもできます。

競合他社が少ない今こそ、TikTokを活用したSNSマーケティングを始める好機をなりうるのです。今はアカウントを持っていない企業も、これを機に一度アカウントを取得してみるのも良いのではないでしょうか。

実際のTikTokを活用したマーケティング事例10選

現在、TikTokを活用してSNSマーケティングを行っている企業はそれほど多くはありません。しかしながら、少ないとはいえ既にTikTokの市場に着目して順調に注目を集めている企業も存在しています。では、実際にはどのような企業がTikTokをマーケティング利用しているのでしょうか。

ここでは、TikTokを利用しているマーケティング事例を10例紹介していきます。TikTokを活用することでどのようなマーケティング戦略が可能になるのか考えながらチェックしてみてください。

ワイモバイル


ワイモバイルはTikTok内で「『#と思いきやダンス』CM出演チャレンジ」というハッシュタグをつけて動画を投稿することで、実際にテレビなどで放映されるワイモバイルのCMに出演する権利を得られるキャンペーンを開催しました。ワイモバイルのCMを見ると分かる通り、吉岡里帆さんや出川哲郎さんなど中高生に人気のある芸能人が多く出演しているため、話題を集めることは想像に難くないでしょう。

SNSマーケティングを行う上で、ハッシュタグを投稿したりコメントを残した人に対して景品をプレゼントするSNSキャンペーンを行うことは決して珍しいことではありません。しかしながら、多くの場合は自社商品のプレゼントやギフトカードなど物品のプレゼントであることがほとんどです。しかしながら、最近の「Z世代」とも呼ばれる中高生は、そうした実際の商品よりも目に見えない形での景品を重視する傾向があります。憧れの芸能人と一緒のCMに出演し、さらにもしかしたらそのCMがきっかけで自分も芸能人になれるかもしれないというチャンスは、そうした価値観を持つZ世代にとって非常に魅力的なものであることは、既に解説するまでもないでしょう。ワイモバイルのキャンペーン事例では、こうしたターゲット層の価値観を把握して最適なキャンペーンを開催しています。


もちろん、キャンペーンの景品が豪華だったり、ターゲット層の価値観に合致しているからといって、それだけでキャンペーンが盛り上がるわけではありません。ワイモバイルの事例では、さらにTikTokやYouTubeで活躍しているインフルエンサーのねおさんを起用することにより、Twitterなどでもキャンペーンの存在を周知しました。

そのため、「人気のあるCMに出演できるという意外性のある景品が、人気のあるインフルエンサーによって真似しやすいダンスとともに拡散する」という、TikTokキャンペーンの王道とも言える手法によって、ワイモバイルの知名度とともに一気にキャンペーンの存在が広まったのです。

AbemaTV

 

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最近ではライフスタイルの変化により若者がテレビを見る時間は年々減ってきていると言われています。しかし若者も絶対にテレビを見ないというわけではなく、今までのようにテレビでは視聴しないもののスマホやPCなどでインターネットテレビの番組を視聴していることはあります。そんなインターネットテレビ局の一つであるAbemaTVもTikTokをSNSに有効活用していることで知られています。

AbemaTVで人気のある番組は多くありますが、その中でも特に「今日、好きになりました。」という番組が中高生を中心に人気を集めています。しかしAbemaTVは、さらに幅広い年齢の人に番組を視聴してもらうため、まずはTikTokに限らずTwitterやInstagramなどリーチ数の多いSNSでも「今日好き」の関連投稿を多く行いました、それにより、今までAbemaTVを利用していなかった層に対してもAbemaTVと「今日好き」の存在をPRすることに成功したのです。

さらに、十分に関心が集まった頃にTikTok内で「今日、好きになりました。」の番組に関連する「今日好きダンス」を投稿しました。これにより、以前から「今日好き」のファンだった中高生はもちろん、それまでは番組の存在自体を知らなかった層からも「踊ったみた」動画が投稿されることになり、TikTok内で一大ブームを巻き起こすことに成功したのです。

実際、「#今日好き」というハッシュタグはTikTok内で急上昇ハッシュタグとして表示されるほど注目を集め、多くの人が「踊ったみた」動画を視聴するきっかけになったと言われています。有名な「恋ダンス」を含め、番組の人気が高くなれば自然と「踊ったみた」動画の投稿は増える傾向にあります。しかし、それだけでは元々も番組の視聴者内で盛り上がっているだけに留まってしまう恐れがあるため、一部で話題になったとしても注目を集める効果はそれほど期待できません。しかし、このAbemaTVの事例のように「踊ってみた」動画の前にそもそもの注目度を高める仕掛けを施すことによって、番組事態への注目度も高まり「踊ってみた」動画の投稿数を増やすこともできるでしょう。TikTokを利用するマーケティング施策の中でも、他のSNSとの関連性を利用したお手本のような事例です。

キリン

 

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幅広い世代の人から愛されている午後の紅茶ですが、実は高校生の需要に関してはそれほど目立った実績はないと言われています。紅茶を飲む高校生も少なくはありませんが、どちらかといえばスタンダードな午後の紅茶よりも、味のバリエーションが多く季節限定のフレーバーも多いリプトンの方が人気を集めているというのが実状です。

キリンは、午後の紅茶を取り巻くそうした状況を打破するためにTikTokを利用して「ほほティー」ポーズを周知させるキャンペーンを行いました。温かい午後の紅茶を頬に当てて温まるポーズに「ほほティー」という名前をつけ、TikTok内で周知するというのがキリンのマーケティング戦略です。このマーケティング戦略が功を奏し、「ほほティー」のポーズが可愛いと真似をする中高生が続出しました。必然的に、「ほほティー」の動画や写真を撮影するために午後の紅茶を購入する人も増え、午後の紅茶自体の売れ行きも伸びたと言われています。寒い季節に温まるために飲むという商品の特性と、可愛いポーズや真似しやすいポーズに影響を受けやすい若者の行動特性を上手に利用したマーケティング戦略だと言えるでしょう。

さらに午後の紅茶の「ほほティー」キャンペーンは単純に売上を伸ばすだけに留まらず、Instagramでは先ほど紹介した「今日好き」とのコラボも行われることになりました。こちらは写真を真似て投稿することによりサイン入りステッカーと商品が当たるというスタンダードなキャンペーンを行っていますが、このキャンペーンの存在によって午後の紅茶の売上がさらに伸びたことは容易に想像できるでしょう。

サントリー


中高生に人気を集めるAKBグループから、NMB48とコラボしたTikTokを行ったのがサントリーです。新商品の「南アルプスPEAKER」のプロモーションのためにNMB48の楽曲をアレンジしキャンペーン用に「ピーク」という曲を制作、さらにNMB48グループ内のユニット「Queentet」がその楽曲に合わせてダンスする動画を投稿するというキャンペーンで、プレミア感も話題を集めました。

さらにQueentetの動画を視聴するだけではなく、TikTokユーザーが動画に合わせて撮影したダンス動画の中から、Queentetの5人のメンバーが審査員となり「推しTikToker」を選ぶ「#ピーカーダンス」というコンテストをハッシュタグを活用して行いました。推しTikTokerに選ばれるとPEAKERの公式サイトで投稿したダンス動画が投稿されるということでワイモバイルのように商品としての景品はないものの中高生のニーズに合ったキャンペーンだと分析できます。

「動画を投稿して選ばれると公式サイトなどで動画が放映される」という分かりやすいゴールを作ることにより、モチベーションを高めて参加者を増やす効果も期待されました。複雑で景品が豪華なキャンペーンも人気がありますが、若年層をターゲットにする場合には効率的に応募ができて分かりやすいキャンペーンの方が人気があるといわれています。

荒野行動


スマホで遊べるバトルロイヤルゲームの「荒野行動」もTikTok内でキャンペーンを開催することによりTikTokをSNSマーケティングに活用しています。荒野行動をプレイしている時の表情を「荒野全力顔」と名づけ、それを撮影するためのオリジナルフィルターとBGMを配布し、自撮り動画を投稿することを推奨するという分かりやすくスタンダードなキャンペーンです。ゲームをプレイしている時は誰もが無防備で面白い顔になりがちですが、その顔こそが面白いとTikTokユーザーの中で荒野行動の認知度をアップさせ、今までプレイしていなかった層をゲームに流入させるためのプロモーションです。

さらにゲーム内に公式シェアアイテムの機能を実装することにより、プレイしながら撮影した荒野全力顔を簡単にTikTokに投稿できるようにユーザーインターフェースも改修しました。これにより、わざわざ撮影のために荒野行動をプレイして新たにTikTokを起動するという手間を省くことができ、多くのユーザーの参加ハードルを下げたと言われています。

TikTokを普段から楽しんでいるユーザーに対してユニークなキャンペーンを提供するだけではなく、荒野行動を普段から楽しんでいるユーザーにも関心を持たれるように投稿回数に応じて荒野行動のアプリ内で使用できるキャンペーンもゲーム内で同時に開催しました。アプリゲームが他のアプリゲームもしくはTikTokのようなSNSとコラボすることに対して難色を示すファンも多い中で、このように荒野行動の攻略にも役立つアイテムを配布することは両者に対して不快感を与えない巧みなマーケティング戦略であるといっても過言ではないでしょう。

TikTokユーザーと荒野行動プレイヤーの中で話題になり投稿回数を増やすだけではなく、VTuberをインフルエンサーとして起用して荒野応援ダンスを投稿することで、「踊ってみた」投稿を好むユーザー層へのアプローチも試みるなど、複数の層に対して荒野行動のプレイを促すことにも成功しました。結果的に、TikTok内でハッシュタグ「#荒野行動」をつけて投稿された動画の視聴回数は20億回以上再生されているため、キャンペーンがいかに大規模に成功しているかが分かるでしょう。スマホアプリに限らず最近では自分がゲームをプレイしている動画を解説する「実況動画」も流行していますが、そうした流行も踏まえた上でTikTokerにも荒野行動ユーザーにも、「踊ってみた」ダンサーにも知名度を高めることに成功した総合的なマーケティング戦略の事例です。

ローソン


ローソンのホットスナックの中でも主力商品である「Lチキ」は普段から若者需要の高い商品です。しかしながら、その需要をさらに伸ばして競合他社の類似商品に差をつけるために考案されたのが「Lチキチャレンジ」と呼ばれるマーケティング戦略です。

Lチキチャレンジでは、Lチキのテーマソングである「いつでもLチキ」に合わせて踊り「#いつでもLチキチャレンジ!」というハッシュタグをつけてダンス動画を投稿することが推奨されました。投稿することによってクーポンなどが当たったりLチキのイメージキャラクターに選ばれたりなどの特典があるわけではありません。しかしながら、単純に「人差し指でLを作りながら踊り、最後にそれを食べる仕草が可愛い」と主に女子高生の中で話題が広がり、「踊ってみた」動画を投稿する人が続出しました。

キャンペーンモデル、すなわちインフルエンサーとして中高生に人気の雑誌「Popteen」でリコリコの愛称で活躍している人気モデルの国末莉子さんを起用したことにより、さらに中高生の中で「リコリコのように踊りたい」という需要が高まったと言われています。国末莉子さんはモデルとして活躍しているだけではなく、TikTok内では45万人以上のフォロワーも抱えている人気TikTokerのため、普段は雑誌を読まないユーザーにも十分な訴求力があったと言われています。

宣伝したい商品をTikTok内でプロモーションすることによって若者需要を伸ばし売上に結びつけるという、午後の紅茶と同じように王道のマーケティング戦略です。若者の需要を回復させたい時、あるいはさらに伸ばしたい時に参考になるでしょう。

コカ・コーラ


コカ・コーラはリボンのように見えるラッピングを利用して「リボンでありがとうキャンペーン」をTikTok内で展開しました。「#リボンでありがとう」というハッシュタグを付け、誰かに対して「ありがとう」と言う動画を投稿するという分かりやすいキャンペーンです。決まった振付や音楽などはないため参加のハードルも高くなると思われがちですが、普段から使いやすい言葉であるためそれほど抵抗もなく多くのTikTokerが参加したと言われています。さらに、使いやすい言葉であるものの普段は照れて言えないという人が、キャンペーンに乗じて特定の誰かにお礼を言うことにも一役買ったと言われています。

インフルエンサーには、先ほども紹介した国末莉子さんが起用されています。動画の再生数を増やしながら、「#リボンでありがとう」の動画一例を示すことで、オリジナルのダンスやセリフを考えるのが苦手な人でも参加しやすいキャンペーンにしました。さらにこの「#リボンでありがとう」キャンペーンは、若者を対象としたキャンペーンとしては珍しく審査に選ばれたユーザーが渋谷の屋外ビジョンで投稿動画が流れるという特典の他に、参加者の中から抽選で1,000円分のQUOカードが当たるという一般的なSNSキャンペーンにも近い景品が用意されました。

実際の商品や金券などに興味を示さない傾向が強いと言われているZ世代ですが、それはあくまで他の世代と比較した場合の話であり、QUOカードが景品となっていることでキャンペーンへの参加を渋るわけではありません。このように、有形物に興味を示さないZ世代に対しても、有形物の景品をほしがるZ世代に対しても、同様にアプローチできるマーケティング戦略を選択するのも良いのではないでしょうか。

東京カレンダー


10代の中高生よりも、むしろ大学生や社会人を対象としたキャンペーンを行い新たなマーケティング戦略の事例を示したのが東京カレンダーです。東京カレンダーは食べログのような予約サイトですが、全国的な飲食店を対象としているわけではなく東京都内に絞りながらグルメ情報を発信して予約を可能にしている特徴的なサイトです。

TikTokを使ったキャンペーン内容も特徴的で、「踊ってみた」や「今日好きダンス」などダンス動画の投稿が多いTikTokにおいて、東京カレンダーは15秒の短いドラマを定期的に投稿しています。この独特な投稿はそれだけで注目を集めますが、それだけではなくドラマを最後まで見ることで実際に撮影に使用されたお店のクーポンを取得することができるというお得さも話題を呼びました。撮影に使用されるお店もクーポンもドラマごとに毎回違うため、ドラマに興味を持っているフォロワー以外にもグルメ好きのフォロワーも多いと言われています。

さらに「#東カレドラマに出たい」というハッシュタグをつけて、オリジナル楽曲の「お食事デートのさしすせそ」に合わせた投稿をしたユーザーの中から1名にドラマへの出演権をプレゼントするという、他の企業のTikTokキャンペーンと似たキャンペーンも行っています。

この事例は荒野行動の事例と似ていて、「TikTokに動画を投稿したいユーザー」と「グルメのお得な情報がほしいユーザー」の両方をターゲットに据えたマーケティング戦略です。さらにTikTok内では「東京カレンダー」の登場人物のように使えるフィルターを無料で配布し、動画投稿も自室で簡単に行えるようにすることでユーザー利便性を向上させました。都内在住のTikTokユーザーはもちろん、多くの人から注目されたキャンペーンの一つです。

ユニクロ


自社のインフルエンサーをSNS上で公募する企業も少なくはありませんが、ユニクロもTikTokを利用してグローバル・インフルエンサーを公募する「UTPlayYourWorld」という企画を開催しました。企画内容としては、日本・中国・アメリカ・フランス・台湾という5つの市場から、それぞれ1名のインフルエンサーを選出するというオーディション形式のハッシュタグチャレンジです。

ユニクロファンはもちろん、興味本位で参加する人、世界的ブランドであるユニクロのモデルとして選出されることで今後の活躍の幅を広げたい現役モデルおよびモデル志望者など多くの人から注目を集めたこのキャンペーンは、動画投稿数が約20万件という驚異的な数字を記録しました。さらに視聴回数も約3.3億回と、2019年6月25日~2019年7月11日というわずか2週間程度のキャンペーンとしては驚きの数字を記録しています。

マーケティング戦略の中にはLチキや午後の紅茶の事例のようにダイレクトに商品の認知度を高めて売上をアップさせる方法もありますが、この事例のようにインフルエンサーの選定など話題を作って次に繋がるようなマーケティング戦略を採択するのも一つの戦術でしょう。注目されている話題に敏感な若年層の利用が多いTikTokの活用方法として非常に理に適っています。

ウルトラジャパン


最後に紹介するTikTokを活用するマーケティング事例は、音楽フェスのウルトラジャパンの活用事例です。ウルトラジャパンは開催期間の前から、フェスに実際に登場する「CYBERJAPAN DANCERS」を起用し、TikTokの公式アカウントからプロモーション活動を開始しました。ユーザーがCYBERJAPAN DANCERSと同じようにウルトラジャパンの公式楽曲を使用したダンス動画を投稿し、その中から選ばれた人は当日のチケットやTシャツがもらえるという、倍率の高いフェスに参加したい人に嬉しいキャンペーン内容です。

さらに開催前に盛り上げるだけではなく、開催当日には一般参加者も含めて友達と一緒にTikTok用の動画を撮影できる特設ブースも設置することでTikTokアカウントの宣伝も行いました。プロモーション期間が長かったこと、フェスの参加者層の多くがTikTokのユーザー層と重複していたこと、さらに告知に実際に参加するCYBERJAPAN DANCERSを起用し、貴重な景品が当たるというプレゼントキャンペーンを行うという成功の要因が多く揃っているマーケティング事例です。

このウルトラジャパンや荒野行動の事例のように、リアルなイベントと融合させるTikTok内のキャンペーンやマーケティング戦略は今後ますます増えていくと予想されています。TikTokに限らずTwitterやInstagramも含めてSNSマーケティングはリアルイベントとの融合が進んでいるので、自社に活用できないのか検討してみてはいかがでしょうか。

TikTokによるマーケティングを成功させるためのポイント

TikTokは現在はそれほど競争相手も多くなく、若者に対する訴求力も発揮しながら20代~30代といった主要ターゲット層の消費行動を促進させることができるという非常に可能性を秘めたSNSです。では、そんなTikTok内でSNSマーケティングを成功させるためにはどのようなポイントを抑えておくと良いのでしょか。覚えておきたい3つのポイントをチェックしておきましょう。

地位を確立する

現在、TikTokはそれほど競合他社がいませんが非常に注目を集めているSNSです。そのため、今後どんどん競合他社が参入してきて、ユーザーの増加に伴い現在のInstagramやTwitterのようにSNSマーケティングにおける競争率の高いSNSになる可能性は高いでしょう。そのため、TikTokを活用してSNSマーケティングを行う際には早期に地位を確立させておき、主なユーザー層の大半がフォローするほどの人気アカウントに成長させることが重要です。

そのためには頻繁なキャンペーンの開催や、定期的な動画投稿数の維持などが重要でしょう。InstagramなどのSNSではユーザーの使い方を考えると多くても一日に一回の投稿に留めておくことが推奨されていますが、短い動画を視聴しやすいTikTokにおいては一日に複数回投稿してもそれほどユーザーのストレスになることはありません。東京カレンダーのようにダンス動画以外の動画を投稿したり、クオリティの高い動画を投稿したりすることでユーザーからの注目を集めてフォロワーを増やしていきましょう。

キャンペーン景品を吟味する

頻繁にキャンペーンを開催する場合でも、キャンペーンの景品は中高生の行動特性を理解して吟味しなければなりません。プレゼントキャンペーンはSNSキャンペーンの中では王道ですが、最近のZ世代と呼ばれる若者は有形物の景品には興味をあまり示さないと言われています。さらにそれ以外にもZ世代には物心ついた頃からインターネットやYouTuber、インフルエンサーという存在を身近に見ているという特徴もあります。その影響で、YouTuberやインフルエンサーのように自分の好きなことだけをして簡単に有名になっているように見える存在に自分たちもなりたいと考える若者も少なくはありません。

そのため「簡単に有名になりたい」、「投稿動画がきっかけで、オーディションなどの面倒な手続きを経なくても芸能人になりたい」と考えている中高生の心情を満たすようなキャンペーン景品を用意することも求められています。ワイモバイルやサントリー、コカ・コーラの事例のように知名度を高めることができるキャンペーンを検討してみるのもおすすめです。

ターゲティングをしっかり行う

若者の利用が多いTikTokをSNSマーケティングに活用する際、他のSNSマーケティングに比べてターゲティングを慎重に行うことも重要です。若者は選択肢が多いため好みも多様化していることが多く、ターゲティングを行わないと魅力的な景品を用意した場合であっても期待したほど動画再生回数が伸びないケースがあります。そうなると、低コストでアプローチできるのが魅力のTikTokキャンペーンの本来の目的を達成できないこともあるでしょう。

キャンペーンを行う際は、景品の有無に関わらずターゲットとする層を慎重に見極める必要があります。そのターゲット層に合わせてインフルエンサーを選定することで、動画再生数やハッシュタグ投稿数を大きく伸ばすことができるでしょう。どういった人たちに見てほしいどうがなのか、行動特性も含めて考えてみてください。

TikTokはチャンスの宝庫!活用して市場の勝者になろう

その他のSNSに比べると知名度が落ちてしまいがちなTikTokですが、だからこそ競合他社も少なくチャンスがたくさん存在しているのがTikTokです。TikTokを上手に活用してマーケティングを行うことにより、現在は競合他社に負けてしまっている企業も市場での存在感を大きく高めることもできるでしょう。今後のマーケティング戦略の選択肢の一つとして、ぜひTikTokの活用も意識してみてください。

また、TikTokを含めてSNSマーケティングを行う際にはインフルエンサーの起用は非常に重要なポイントです。ターゲット層に合ったインフルエンサーを効率的に起用したい場合には、ぜひインフルエンサーマッチングサービスの「コラボマーケティング」にも相談し、最適なインフルエンサーを選定してください。

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