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地域創生にInstagramを活用しよう

以前までは地域創生をするために必要なものは各都道府県のホームページからアクセスしやすいような市町村のホームページだったり、観光誌に掲載するような地域のお祭りの写真だったり、地元の名店を紹介するフリーペーパーだったりとインターネットの活用はあるものの紙媒体の広告によって地域創生を行うことが主流でした。
しかし徐々にフリーペーパーの配布や観光誌への掲載からインターネットでの広告にシフトしていき、最近ではホームページのみならずTwitterやInstagramなどのSNSを使って地域創生を行っている観光地も少なくはありません。SNSを有効活用して地域創生を成功させることができれば、現在は過疎地と言われる地域であっても観光客を呼びこんだり移住者を増やしたりすることもできるでしょう。なかなか人が集まらない地域こそ、他の観光地に乗り遅れないようにInstagramを利用した地域創生をしていかなければならないのです。
地域創成の目的とは?
InstagramやTwitterといった新たなツールを使ってまで地域創生を行うことに対して反対の立場をとる人も少なくはありません。特に急激に観光客が増えることでゴミのポイ捨てが起きたり道路渋滞が起きたりするなど、日常的にその土地で生活している人が不便な思いをしてしまうケースも存在しています。しかし、過疎地域であればあるほど地域創生を行わなければ人口減少が進んで限界集落となってしまうこともあるのです。
地域創生をすることにより、日本人の観光客はもちろん外国人を含めて今までその地域を知らなかった人たちを集客することが可能です。さらにその観光客は定期的に来るだけではなく、地域になじむことができれば移住者を増やすこともできるでしょう。今までは若者を中心に都会への人口流出が止まらなかった地域も、新たな移住者を迎えることで都市の整備が進み企業を誘致できれば人口流出を止めることもできるかもしれません。仮に観光客が増えることによって移住者が増えるといった効果までは得られなくても、今まで世の中にあまり知られていなかった名産品が広く知られるようになればふるさと納税の納税額が増加してこれまでは赤字だった市町村の財政が黒字に転化するということは十分に実現可能性の高い話です。
他にもふるさと納税の増加だけではなく、地方公共団体が運営するオンラインショップ経由で名産品の販売量が上がる可能性もあります。ふるさと納税よりも手軽に利用できる分、オンラインショップは幅広い世代の人たちの支持によって売上額が増加するでしょう。そうすれば地域の活性化ができるのはもちろん企業の競争力もアップするので新たな従業員を雇う余裕も生まれます。すなわち地域が活性化するだけではなく働き口が見つかるので、これまでは「地元で働きたいが就職口がないため都会に出るしかない」と考えていた層が希望通りに地域で就職し、そこで結婚や出産を行うことによって長期的には人口増加にも繋がる可能性があるのです。
「地域創生」と聞くと単に「過疎に悩む地域が観光客を呼ぶことで収入をアップさせる」という認識しか持っていない人も少なくはありません。もちろん地域創生にそうした意味がないわけではありませんが、それ以外にも長期的には企業の誘致や税収のアップ、人口の増加などが地域創生によって可能になるのです。
地域創生にInstagramを活用するメリット

TwitterやFacebookなど、多くの人が利用しているSNSには様々な種類があります。しかし、そうした多くのSNSの中でも地域創生のために使用するSNSとしてはInstagramが最も適していると言われています。では、地域創生を行う際にInstagramが適している理由には、どういったものがあるのでしょうか。Instagramを地域創生に利用するメリットを5つ解説していきます。
写真や動画で分かりやすく魅力を紹介できる
SNS全体のメリットとして、写真や動画の投稿が容易であるという利点があります。もちろん今までの観光誌やフリーペーパーでも写真の掲載は可能でしたし、ホームページ上では観光客の興味を惹くような動画を投稿することも不可能ではありません。しかし、それらの広告媒体はいずれも、観光客が能動的に情報を見なければなりませんでした。フリーペーパーが配布されている地域に行ったりホームページを閲覧することで情報を得ることはできますが、その方法では地域自体の存在を知らない観光客に対して魅力を伝えるのはほぼ不可能です。
しかしSNSならば、観光情報をフォローしているフォロワーに対して自動的に情報を届けることができます。そうしたフォロワーが自身のフォロワーに対して拡散してくれればさらに情報は多くの人の目に触れます。人口流出が続き人手が足りないことも多い自治体としては、投稿をするだけでその後の広報の手間を省くことができるのは大きなメリットだと言えるでしょう。
こうしたメリットはTwitterやFacebookといったInstagram以外のSNSでも享受することができるメリットです。しかしながらInstagramに関しては「インスタ映え」という言葉が有名になっていることからも分かる通り、Instagram利用者はその他のSNSに比べてそもそも画像や動画を見ることを目的としている人が多いと言われています。すなわちTwitterやFacebookを使うと通信量の節約のために画像や動画の表示をオフにしているユーザーに対して魅力を届けることができない可能性がありますが、Instagramを利用すればそのようにユーザー側に取捨選択をされてしまうリスクを抑えることができます。観光地の魅力や地元ならではの特産品やお祭りなど、文字だけで魅力を伝えるのが難しいものに関してはInstagramを利用することが非常に有用であることが分かるでしょう。
若者たちへの訴求力が高い
SNSを使った広告は若者たちへの訴求力が非常に高いことでも知られています。特にInstagramの場合はTwitterやFacebookに比べて10代~20代といった若年層が利用している割合も高いSNSです。若年層というと旅行する金銭的な余裕を持っていないため広報しても意味がないと考える人も多いですが、大学生を中心に長期休暇には友達と旅行に行く若者は今でも少なくありません。さらにディズニーなどの定番の旅行スポットには既に飽きてしまい、他の人が知らないようなインスタ映えスポットを探している若者も多いのです。そして、他の人が知らないインスタ映えスポットを見つけた若者は、積極的にそのスポットを拡散していく傾向があります。つまり、こうした若者を一人でも呼び込むことができれば、それだけで多くの観光客を呼べる可能性があるのです。
さらに若者は旅行に来るだけではなくオンラインショップも積極的に利用します。30代以降の年代もオンラインショップを利用している人たちは少なくありませんが、やはり全体を見ると若者の方が利用割合は高くなっています。自治体がInstagramのアカウントを作成し、名産品を紹介しながらオンラインショップのURLを一緒に投稿することで以前よりも遥かに多くの消費者がオンラインショップにアクセスしてくれるでしょう。
「お金がないので旅行に行くことはない」、「旅行離れが進んでいる」と言われがちな若者世代ですが、Instagramを日常的に使いインスタ映えするスポットや珍しいものに対して敏感な若者世代は、地域創生を考える上で欠かせない存在と言えるのです。
低コストで運用が可能
さらにInstagramには低コストで運用ができるというメリットもあります。利用自体は無料ですので、Instagramの仕組みを把握することができれば誰でもすぐに始めることができます。自治体の職員の中に個人の趣味であってもInstagramを利用したことがある人がいれば、その人に運用方法を教えてもらうのも良いでしょう。
今までも観光客を増やすためにフリーペーパーや観光誌に地元にゆかりのある芸能人を起用した経験を持つ自治体もあるかもしれません。もちろんInstagramでもそうした芸能人の起用をすることもできますが、Instagramの場合は芸能人を起用するよりも一般人ながら多くのファンに対して強い影響力を持つインフルエンサーを起用した方が効率的に観光客を呼び込める可能性もあります。こうしたインフルエンサ―の起用は芸能人に比べて低コストでの起用が可能なだけではなく、観光関連の投稿を普段からしているインフルエンサーの場合はフォロワーも観光に対する興味を強く持っているフォロワーが多いため影響力もさらに強くなります。
ネットリテラシーを理解していれば誰でも運用が可能なだけではなく、インフルエンサーの起用により多くの人に拡散してもらえる可能性が高いInstagramは、財政が厳しい自治体の地域創生において非常に役立つツールだと言えるでしょう。
外国人も閲覧しやすい
Instagramの利用者は、既に触れたように画像や動画を見ることを主な目的で使っている人も少なくはありません。そのため日本語が分からない外国人であってもInstagramがきっかけで観光に訪れてくれるということもあります。「#観光」などのハッシュタグを使っておけば、少し調べるだけで外国人でも簡単にInstagramの投稿を見にすることができます。そこで詳しく説明している日本語が読めなくても、地名を調べれば観光することができるでしょう。
以前までは多言語に対応したフリーペーパーを発行したり、ホームページも英語専用の画面を開発する必要があるなど外国人観光客の利便性を考えると様々なコストがかかってしまいました。特にホームページに関してはアクセス方法や名所といった情報量が増えるため、画像だけで直感的に操作することは厳しく英語のページを作るのがほぼ必須であるとも言われていました。しかしながらInstagramであれば、そもそも画像とハッシュタグだけを投稿しても特に支障はありません。英語を始めとした外国語にわざわざ翻訳しなくても、画像や動画を投稿するだけで簡単に外国人も集客できるのは非常に大きなメリットとなるでしょう。
旬の情報を発信できる
そして、SNSはいつでもリアルタイムに情報を発信することができるツールです。観光情報に限らず、震災などでも電話が使えない中でTwitterなどのSNSが活躍したというニュースを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。その旬の情報をリアルタイムで発信できる機能を使うことで、Instagramを地域創生に役立てることができます。
満開の桜や紅葉など、その季節でしか見られないものは観光客を集めるのに非常に役立つものです。しかしながら、遠くの地域に住んでいる人はなかなか開花情報などをチェックすることができないため「いつ行けば良いんだろう」と思っている間に旬の季節が終わってしまって観光を諦めてしまうというケースも決して少なくはありません。
しかし、Instagramを使って開花時点で情報を発信し満開になった時点で改めて投稿をすれば観光に行きたいと感じる人を増やすことができるでしょう。もちろん文字だけではなくどの程度咲いているかなどを画像や動画を含めて投稿することによって訴求力を飛躍的に高めることができます。
桜や紅葉に限らず、魚や山菜といった旬の食材の発信にもInstagramを活用することができます。画像の投稿だけではなくおすすめのレシピも一緒に投稿することによって、主婦からの注目度をアップさせることもできるでしょう。リアルタイムで情報が発信できるからこそ、多くの人を集めることができるのがInstagramなのです。
地方に特化したローカルインフルエンサーとは?メリットと活用事例7選 | インフルエンサーマーケティング研究所
ローカルインフルエンサーと呼ばれる存在はその名の通り地方の情報を積極的に発信しているインフルエンサーのことを言います。地域に密着した活動を行っているため、観光客の誘致や周辺住民へのイベントの周知などを得意ジャンルとしているローカルインフルエンサーも少なくはありません。そのため、地域の活性化に対して強い影響力を発揮して活躍することもあるでしょう。この記事ではローカルインフルエンサーが持つ特有のメリットや実際に起用している事例、そして起用する際の注意点などローカルインフルエンサーに関することを解説していきます。
地域創生にInstagramを活用するデメリット

非常に便利で地域創生を行う上でメリットの多いInstagramですが、残念ながら地域創生にInstagramを使うことによって生じるデメリットもあります。具体的にはどのようなデメリットが存在しているのか、Instagramを活用するデメリットも見ておきましょう。
画像や動画の準備に時間がかかる
趣味用であってもInstagramを使用したことがある人は実感できるかもしれませんが、Instagramに投稿するための画像や動画を用意することは意外と時間がかかってしまいます。個人が自分のInstagramに投稿する用の画像や動画であれば撮影したものをそのまま投稿しても構いませんが、観光客を呼び込む目的で投稿する場合は見やすい画像や動画を準備する必要があります。アングルやクオリティにこだわるだけではなく、他の観光地よりも観光客に興味を惹かれるように編集技術が必要になってくる場合も少なくはありません。
最近ではスマートフォンでも簡単に画像や動画を編集できる無料アプリなども多数リリースされていますが、それでも今まで画像編集を行った経験を持たない人にとってはハードルが高くなってしまうでしょう。特に少子高齢化が進んでInstagramを使ったことがある人はいない自治体にとって、定期的にクオリティの高い画像や動画を投稿することは非常に負担となってしまいかねません。
一定の年代にしか届かない
若者世代に対して訴求力が高く、観光客の集客はもちろんふるさと納税やオンラインショップの活性化効果も期待できるのがInstagramのメリットです。Instagramは多くの世代が利用しているので10代や20代といった若年層以外にもInstagramの投稿を目にして興味を持ってくれる人はいるでしょう。
ただし、60代以上の高齢者になるとInstagramの利用率は大きく下がってしまいます。金銭的な余裕もあり定年して時間的な余裕もある世代に対しての訴求力はそれほど高くはありません。そのためゴールデンウィークやお盆といった長期休暇以外の時期に旬を迎える食材や開催されるイベントがある場合、働いている世代は行きたくても行けない場合が多くInstagram上では話題になっても期待しているほど集客効果が実感できないケースも少なくはありません。
地域創生にInstagramを活用している実際の事例11選
メリットもデメリットもあるInstagramによる地域創生ですが、実際にはどのような自治体がInstagramを活用しているのでしょうか。Instagramを活用している自治体は数多くありますが、ここではその中でも特に有効活用されている事例を11個紹介していきます。
北海道
Instagramを活用した地域創生に関しては、インフルエンサーを起用することによってさらに効果が実感できるということは既に紹介しました。実は北海道は北海道在住の大食いタレントであるアンジェラ佐藤(砂糖)さんというインフルエンサーを起用することによって地域創生に役立てています。
アンジェラ佐藤(砂糖)さんは以前から食べっぷりの気持ち良い大食いタレントとして北海道内を中心に人気を集めていました。そのアンジェラ佐藤(砂糖)さんが白糠(しらぬか)のししゃもなど北海道を代表するグルメを自身のInstagramにたびたび投稿しています。さっぽろ雪まつりのPRも行うなど、道外の人はもちろん海外の人からも注目されているアカウントですので、彼女の投稿を見て実際にししゃもをお取り寄せしたいと感じる人は少なくないでしょう。
食材だけではなく、自分が行ったお店に関しても写真を撮影して感想を添えつつ投稿しています。普段から食べ物にまつわる観光情報を投稿しているアンジェラ佐藤(砂糖)さんですので必然的にフォロワーも北海道の食べ物や観光に興味を持っている人が多く、集客に一役買っていると言えるでしょう。
岩手県
インフルエンサーの起用の中でも岩手県は独特な起用をしています。基本的にインフルエンサーというと「特定の層に対して強い影響力を持つ人間」を意味しますが、岩手県は柴犬の「まる」が観光地を取材する様子を投稿することで、観光に興味がある人はもちろん犬好きからも支持を集めています。
アカウント自体は岩手県の地方公共団体ではなく民間企業が作ったものですが、自社の商品や観光だけにこだわらずにまるの可愛い写真も投稿することで特に20代~30代の女性から支持を集めているアカウントです。
20代~30代の女性は金銭的に余裕を持っている人も多く、さらにオンラインショップなどの利用にも積極的であるという特徴を持っています。まるのアカウントを熱心にフォローしているフォロワーは岩手県への観光の際にまるが紹介した場所を見るということは想像に難くないでしょう。
栃木県
栃木県といえば宇都宮市の餃子を想像する人も多いですが、那須町が運営するInstagramが現在写真家の間でも注目を集めています。日本の豊かな自然を四季折々の特徴を活かして紹介する那須町のInstagramは、見ているだけでも楽しむことができる綺麗な写真が多いのが特徴的です。
さらにハッシュタグも特徴的であり、日本語のハッシュタグの他にも「#tochigi」など外国人観光客を意識したローマ字や英語のハッシュタグもつけられています。これにより外国人も検索で見つけやすいだけではなく、「栃木」を読めない外国人でもアクセスが調べやすいなどのメリットもあります。同じ栃木県日光市には日光東照宮など外国人にも人気の高い観光地もあるので、そうした外国人に対しても非常に親切な投稿だと言えるでしょう。
神奈川県
京浜工業地帯の工場夜景を始めとして夜景が綺麗なことで有名な神奈川県のInstagramは、その特色を活かして夜景の写真が数多く投稿されているInstagramです。写真を投稿する際にほとんど文字は投稿されていますが、画像自体のクオリティが非常に高いため物足りなさを感じることはありません。
夜景だけの画像に特化してしまうと夜間にしか観光客が訪れずに名産品などの売上が伸びづらくなってしまう恐れもありますが、神奈川県のアカウントは夜景の写真を中心にしながらも名所も紹介しているため、そのリスクもほとんどありません。どの時間帯、どの季節においても魅力を発信し続けるInstagramアカウントとして、非常に注目を集めています。
岐阜県
Instagramはハッシュタグを使って多くの人を巻き込んだキャンペーンを開催することも可能です。岐阜県の下呂市は「#gerostagram」というハッシュタグをつけて投稿した写真でフォトコンテストを行うことをPRし、3ヶ月の開催期間の間に2,000件を超える投稿を集めた実績があります。
地方自治体の公式アカウントが地元をPRすることは非常に有効な活用方法ですが、それだけではなかなか外部の人に対して認知度が高まらないという一面もあります。しかし、この岐阜県下呂市のキャンペーンのようにフォトコンテストを開催することで、多くの人を巻き込んで一気にアカウントの知名度を上げることも可能になるのではないでしょうか。
静岡県
静岡県伊豆市も、岐阜県の事例と同様にInstagramの中でもハッシュタグの特性に目を付けて地方創生に挑戦しています。伊豆市といえば川端康成氏の「伊豆の踊子」が有名ですが、それにちなんで「#伊豆のお飛び子フォトコンテスト」というハッシュタグをつけて人物や動物がジャンプしているユニークな写真を投稿するキャンペーンを2016年から2017年にかけて開催しました。
ハッシュタグをつけて投稿するキャンペーンは多くの人が参加するため、ハッシュタグの知名度も飛躍的に伸ばすことができます。もちろんハッシュタグだけではなくキャンペーンを主宰している伊豆市の知名度も飛躍的に向上することになりました。また、このキャンペーンは単に写真を投稿して終わりといったものではなく、賞に選ばれた人に対しては旅行券をプレゼントするなど多くの人が興味を惹くような工夫がなされています。
兵庫県
兵庫県は2017年の1月から「#love_hyogo」というハッシュタグをつけて画像を投稿することを県が推奨しています。先ほどの伊豆市の事例のように投稿によるプレゼントキャンペーンなどは行われていませんが、ハッシュタグがつけられた投稿は兵庫県の公式Instagramでシェアされるなど多くの人の興味を惹くキャンペーンになっています。
こうしたシンプルなハッシュタグは誰でも使いやすく、テーマも自由であるため多くの人が参加できるというメリットがあります。さらに兵庫県は、このハッシュタグの知名度を上げるために兵庫県出身のサッカー選手である香川真司選手や岡崎慎司選手にもPRに協力してもらうなど、県全体をあげてInstagramを盛り上げています。
和歌山県
四季折々の写真を投稿している和歌山県は「#なんて素敵な和歌山でしょう」というハッシュタグを使って県の魅力をアピールしています。芸能人だけではなくテレビ和歌山など、多くの人がこの独特なハッシュタグを使うことで、景色の写真に限らず色々な写真が投稿されています。
また景色だけではなく和歌山らしさを発揮してパンダの写真が投稿されていることもあります。パンダも先ほどの岩手県の事例のように若い女性を中心に注目を集めやすく、多くの人から「いいね」のリアクションを得られるなどハッシュタグを盛り上げる要因の一つとなっています。
島根県
島根県浜田市も、岐阜県下呂市や静岡県伊豆市と同様にハッシュタグを使ったフォトコンテストを行った自治体です。浜田市内で撮影した写真の中でも「実際に行ってみたい」や「自分の目で見てみたい」と思わせる写真に対して、賞金や粗品を送るというキャンペーンで市内の活性化に役立ちました。
ただしこの浜田市は、あくまでInstagram内で行うことが前提のキャンペーンでありながらも従来のフォトコンテスト通りに郵送やホームページからの応募も受け付けることで多くの参加者を巻き込むキャンペーンにしました。既に解説した通り、Instagramは若年層に対する訴求力は高いものの年齢が上がるにつれハードルが高く参加したくてもできないという人も増えて来てしまいます。自治体によっては、この浜田市の事例のようにInstagramを活用しながらも今までの住民との交流も重視する方法の方が効果を発揮する場合もあるでしょう。
高知県
高知県のInstagramは、観光情報を発信しながらアクセス情報や入園料など観光の際に知りたい情報を一気に紹介している親切なアカウントとして有名です。本文に情報を記入することによって情報量が増えてしまい写真が見づらくなってしまうというデメリットも存在していますが、Instagramを見ているだけで観光に必要な全ての情報が手に入るということで閲覧者の利便性を高めることができます。
特にInstagramは、一つのアカウントだけを限定して閲覧するという使い方はめったにされません。自分が気に入っているアカウントを複数フォローして、その中で目を引く投稿だけを詳細にチェックしているというユーザーがほとんどでしょう。そうしたユーザーに対して写真とハッシュタグだけの投稿では「気になる写真を数分前に見た気がするけど、もう一度探すのも面倒」と思わせてしまう可能性があります。しかし投稿の際に写真以外にも付加価値をつけることでユーザーが簡単にアクセスできるようにすることも可能です。写真だけを押し出すのか本文で利便性を高めるのか、紹介するスポットやイベント、自治体の特色によって使い分けていくと良いでしょう。
熊本県
既に紹介しているようにInstagramを用いてフォトコンテストを行っている自治体は決して珍しくありません。しかしながら熊本県の阿蘇市はそのフォトコンテストが定期的に行われているということで注目を集めています。フォトコンテストごとにテーマも異なりますが「阿蘇の休日」や「阿蘇でおすすめのドライブスポット」のように、住民が投稿しやすいテーマを選定していることがポイントです。これにより投稿数が伸びるのはもちろん、県外の人だけではなく阿蘇市近郊に住む熊本県内の人も阿蘇に対する興味を持ち実際に行動することを可能にしています。
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地域創生にInstagramを活用する時のポイント

事例を見ても分かるように、一言で地域創生といっても地方自治体によってInstagram活用には色々な方法があります。さらに大都市からのアクセスのしやすさなどによっても活用方法は変わってくるでしょう。では、実際にInstagramを活用して地域創生を行う時にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。活用の際に覚えておきたいポイントを4つ紹介していきます。
画像や動画は分かりやすく魅力的なものを利用する
クオリティの高い画像や動画を作成するのは手間も時間的なコストもかかってしまいますが、それでも分かりやすくて魅力的なものを利用しなければ意味がありません。極端に言えば、手ブレしてしまって何を写しているのか分からない画像を投稿してもユーザーは興味を持ちませんし、動画に対しても画質が悪ければせっかくの動画が無意味になってしまいます。
自治体が主導してInstagramを活用していくのであれば、写真家に依頼するなど予算を確保してでも魅力的な画像を用意する方が効果を実感することができるでしょう。また、既に紹介した事例にもあったようにフォトコンテストを開催すれば多くの住民から写真を集めることも可能になるため、クオリティの高い画像や動画を用意する手間を省くこともできます。
観光客はどういった点に魅力を感じるのか、また自治体として観光客に伝えたい地元の魅力はどういったものなのかを常に考えながら画像や動画を用意し、観光客に対して「ここに行ってみたい」や「これを食べてみたい」と思わせるような投稿を行いましょう。
ハッシュタグを有効活用する
Instagramの特徴の一つでもあるハッシュタグに関しても重要です。静岡県伊豆市や和歌山県の独特なハッシュタグは見るだけでユーザーの興味を惹くことができるため、多くのユーザーから注目されるきっかけにすることができます。また、栃木県那須市の事例のように海外の観光客に向けて英語を用いたハッシュタグを利用するのもおすすめです。日本語で「#観光」や「#おすすめ」といったハッシュタグをつけても日本人にしか届きませんが「#welcome」などのハッシュタグも使うことで多くの外国人観光客を呼び込むことも不可能ではありません。
魅力的な写真や動画を用意しても、ハッシュタグを付けずに誰にも見てもらえなかったら意味がありません。もしくは一般的すぎるハッシュタグでは多くの投稿の中に埋もれて注目される可能性が低くなるため、これも意味がなくなってしまうでしょう。多くの人の目に触れるような独特なハッシュタグを作ったり、外国人観光客にも配慮したハッシュタグをつけて投稿を主張していくようにしましょう。
関連する投稿には「いいね」をする
Instagramのハッシュタグは誰でも自由につけることができるものです。そのため自治体が使ったハッシュタグを真似て一般の観光客が観光の際に撮影した写真や動画を投稿する可能性もあります。そうした時にすぐに「いいね」で反応できるよう、ハッシュタグは一日に数回定期的にチェックするようにしましょう。
Instagramはそもそも、自分が画像を投稿するだけではなく誰かに見てもらったりシェアしてもらったりすることを目的に使っているユーザーが多いSNSです。そうしたユーザーが投稿した写真に対して、地方自治体の公式アカウントが「いいね」などのリアクションをすることで、ユーザーはさらにその自治体に対して親近感を抱いてくれるでしょう。
フォトコンテストのように大規模なキャンペーンを行う場合、投稿数も膨大なものになるため全ての投稿に反応をするのは難しいかもしれません。しかしながら、できるかぎりハッシュタグ検索を使って自治体側からもリアクションをすることで地域創生がさらに効率的に行えるようになるでしょう。余裕があれば「いいね」だけではなくコメントも行うなど、Instagramを単なる情報発信としてのツールではなく観光客との双方向もコミュニケーションツールとして活用していくようにしましょう。
リアルなイベントとも連携する
愛知県田原市や神奈川県葉山町では、Instagramで観光情報を投稿するだけではなくリアルで行われているイベントとも連携することによって観光客の取り込みを強化しています。綺麗な写真が撮れる写真撮影会や、自治体に魅力を感じている人が集まるオフ会を定期的に開催することによって、地域の住民の交流だけではなく観光客を定期的に呼び込むことを可能にしています。
こうしたリアルイベントは自治体に対する愛着を深めて観光客を増やすだけではなく、定期的に来る観光客に対して自治体の魅力をしっかり伝えることができるため移住者を増やす効果もあると言われています。フォトコンテストなどを開催している自治体に関しては、Instagram内だけの地域創生活動に留まらずリアルなイベントとも連携していくと良いでしょう。
地域創生にはInstagramも活用して観光客を呼ぼう!
Instagramというと若者の交流手段だというイメージを持っている人も多いですが、地域創生において非常に大きな力になってくれるツールです。今までInstagramに対して特に縁がなかった自治体も、これからは地域創生のためにInstagramを活用して幅広い年代の観光客を集めるようにしましょう。
さらに、事例の中でも数点紹介したようにインフルエンサーを活用することによって自治体のアカウントや自治体自体の知名度をアップさせることもできるようになります。もしInstagramにインフルエンサーを活用してさらに効率的に観光客を集めたいのであれば、「トリドリマーケティング」に相談して適切なインフルエンサーを起用しながら観光客にアプローチしていきましょう。