オピニオンリーダーの意味とインフルエンサーとの違いは?マーケティングにおける役割と例

オピニオンリーダーの意味と役割

企業のマーケティング戦略を考える上で、頻繁に「オピニオンリーダー」という言葉を目にする機会があるでしょう。しかしながら、目にする機会はあるもののなかなか「オピニオンリーダー」という言葉の意味を正確に理解している人はそう多くはありません。オピニオンリーダーの役割まで理解し、実際の有用性まで把握している人となるとさらに限られてしまうでしょう。

しかし今更誰かに聞きづらいかもしれませんが、マーケティング戦略を考える上でオピニオンリーダーの意味や役割を理解しておくことは必須事項です。今までなんとなくの理解しかしていなかった人も、この機会にオピニオンリーダーの正確な意味や役割、現代のネット社会における有用性を再確認しておきましょう。

オピニオンリーダーの意味

オピニオンリーダーは日本語では「世論形成者」や「世論誘導者」と呼ばれることがもあります。集団の意思決定に対して大きな影響力を持つ存在のことをオピニオンリーダーと言います。ビジネス以外でも、学生時代に「クラスの〇〇さんが言うと、なんとなくクラス全体の雰囲気が決まる」というような存在の人がいたのではないでしょうか。そういった、周りの人たちの行動に対して強い影響力を持ち、意思決定を左右することができる人物を指しているのがオピニオンリーダーという言葉です。

オピニオンリーダーの役割

本来であれば自他ともに認めるオピニオンリーダーであったとしても、特に義務的に役割を担う必要はありません。先ほどの学生時代の例であれば「クラスの〇〇さんが言うことは正しい」とみんなに思われている人でも、別に毎回クラスの決定事項に対して自分の意見を表明する義務はないのと同じです。

しかし、いくら本来はオピニオンリーダーに意見を発信する義務はないといっても企業のマーケティング戦略を考える上では無視するわけにはいかない存在です。特定のコミュニティに対して強い発言力を持っているのがオピニオンリーダーですので、そのオピニオンリーダーに対して自社ブランドの商品をPRするだけで、不特定多数に対してPRするよりも強い広告効果が得られる可能性が高くなります。

すなわち、ビジネスにおけるオピニオンリーダーの役割とは「オピニオンリーダーの意図に関わらず売りたい商品の評判を広範囲に発信する人物」ということになります。

ネット社会での有用性

ネットが普及する前でもオピニオンリーダーは「雑誌でモデルの〇〇が良いって言っていた化粧水を使ってみたい」などの影響力を持っていました。そのため、以前は主に「自分のファンというコミュニティ」に対して購買意欲を左右させる力を持っている芸能人のことをオピニオンリーダーと呼ぶ動きが強かったと言われています。

しかしながら、現代はネットが普及して芸能人以外の個人でも情報の発信をすることが容易になっています。そのため「Twitterで仲の良い〇〇さんが美味しいって言ってたお菓子をコンビニで見かけたので買ってみた」のように特定の個人が自分でも意図しないうちに集団のオピニオンリーダーになっている例も挙げられます。

もちろんこうした「仲の良い誰かの口コミ」はネット社会が普及する前からも存在し、それほど影響力の大きい物ではありませんでした。しかし単なる「仲良しの〇〇さんの口コミ」が「Twitterでフォローしている美容に詳しい〇〇さんが良いって言っていた化粧水」となることで以前の雑誌やテレビで取り上げられていたオピニオンリーダーと同じか、もしくはそれ以上の発信力を持つことも珍しくはありません。

誰もが簡単に情報を発信し、そしてアクセスも容易になっているネット社会では、以前よりも格段にオピニオンリーダーの影響力は高くなっていると言えるでしょう。

オピニオンリーダーとインフルエンサーとの違い

「ネット社会で非常に強い影響力を持つオピニオンリーダーが増えている」と考えると、Instagramを中心に絶大な影響力を誇るインフルエンサーを連想する人も多いかもしれません。一般人ながら、特定の分野においては芸能人よりも強い影響力を持つこともあるインフルエンサーは、確かに現代におけるオピニオンリーダーと非常に近い意味を持っているでしょう。しかし、厳密にいえばオピニオンリーダーとインフルエンサーは定義が少し違っています。混同しないためにも、インフルエンサーの意味とオピニオンリーダーとの違いを把握しておきましょう。

インフルエンサ―の意味

インフルエンサーとは、「自分が持っているコミュニティに対して強い影響力を持っているユーザー」のことを言います。つまり、先ほどオピニオンリーダーの例として挙げた「Twitterでフォローしている美容に詳しい〇〇さん」も立派なインフルエンサーだと定義することができます。

意図せずに自分とコミュニティに対して強い発信力を持っているという点では、オピニオンリーダーとインフルエンサーは似ている存在だと言えるでしょう。実際、インフルエンサーマーケティングが発達して多くの企業がインフルエンサ―をオピニオンリーダーとして起用している現在では、インフルエンサーとオピニオンリーダーは同じ意味を持っている言葉として敢えて使い分けていない場合も少なくはありません。

オピニオンリーダーの意味とインフルエンサ―の違い

先ほど解説した通り、最近はオピニオンリーダーもインフルエンサ―もほぼ同じ意味で使われる場合が増えてきています。しかしながら、厳密に定義した場合のオピニオンリーダーとインフルエンサ―は微妙な違いがあるので覚えておきましょう。

インフルエンサ―は「特定のコミュニティに対して強い影響力を持つ人」です。冒頭で紹介した「雑誌でモデルが気に入っていると明言した化粧水」を多くのファンが真似して買うことがインフルエンサ―の条件となります。一方、オピニオンリーダーの場合は必ずしも特定のユーザーが該当するわけではありません。

たとえば、最近では「食べログ」や「@コスメ」を中心として様々な口コミサイトが存在しています。そこに書かれた匿名の口コミを見て消費行動が大きく変動することがあれば、その口コミ自体をオピニオンリーダーだと定義することができます。

つまりオピニオンリーダーは「特定の口コミ、あるいは特定のユーザーも含めた消費行動に影響を及ぼす存在」のことを言い、インフルエンサーはその中でも「消費行動に影響を及ぼす特定のユーザー」を意味します。多くのオピニオンリーダーという存在がある中での、一つの存在がインフルエンサ―だと考えると分かりやすいでしょう。

コミュニティの違いにおけるオピニオンリーダー

オピニオンリーダーとインフルエンサ―は非常に近い意味を持ちながら、それらの意味しているものが微妙に違っていることを解説してきました。では、実際にオピニオンリーダーと呼ばれる存在にはどのような存在が該当するのでしょうか。3つの具体例を紹介していくので、具体的にオピニオンリーダーという言葉の意味を理解していってください。

テレビにおける芸能人


「オピニオンリーダー」という言葉を聞いた時に真っ先に連想するのはテレビに出演している芸能人でしょう。実際に、番組の中で芸能人が食べているお菓子の通販サイトがサーバーダウンするほどアクセスが殺到したり、芸能人が持っている私物が特定されてファンによって大量に消費行動が発生するという例は枚挙にいとまがありません。

一方で、誤解されがちなのが「特定の商品のCMに出ている芸能人もオピニオンリーダーである」という考え方です。CMに出ると多くの人の消費行動に影響力を持つことになるのでオピニオンリーダーだと誤解されがちですが、混同しないように注意しましょう。CMに出た場合、確かに多くの人の消費行動に影響を与えます。しかしながら、それは特定のコミュニティに対する影響力ではなく、その時間にたまたまテレビをつけた人を含めた不特定多数に対する行動力になります。

そう考えると、オピニオンリーダーの定義にある「集団の意思決定に対して大きな影響力」から外れてしまいます。従って、CMへの出演によってどれほど多くの消費行動を促進したとしても、テレビCMへの出演がオピニオンリーダーになるわけではないので注意してください。

ネット社会におけるインフルエンサー


先ほどから取り上げている通り、ネット社会におけるインフルエンサーも立派なオピニオンリーダーの一種です。インフルエンサーマーケティングを考える上では、インフルエンサーとオピニオンリーダーはほぼ同義であると考えても問題ないでしょう。

インフルエンサーは芸能人ではなく、基本的には普段は自分の企業などに勤める一消費者の一人です。しかしながら、多くのフォロワーを持ち消費行動に影響を与えることからオピニオンリーダーの一種であると考えられています。インフルエンサーというとInstagramで活動しているユーザーを連想しがちですが、先ほどの例に挙げたTwitterやチャンネル登録数の多いYouTuberなどもネット社会におけるオピニオンリーダーであると定義されています。

包括的な意味合いを持つオピニオンリーダー

包括的、すなわち全ての意味を含めたオピニオンリーダーの本来の意味を考えると、消費行動に影響を及ぼす存在だけがオピニオンリーダーと定義されるわけではありません。集団の意思決定に対して影響を及ぼす存在がオピニオンリーダーの定義ですので、消費行動に直接影響を及ぼすとは言い難い政治家や評論家もオピニオンリーダーとなります。

また、オピニオンリーダーになるかどうかに、その主張や影響力の善悪や正誤は考慮されません。すなわち、民衆の意思決定に大きく影響を与えた、ヒトラーやムッソリーニもオピニオンリーダーの一人であると考えられます。

マーケティングにおけるオピニオンリーダーの役割

マーケティング戦略においてオピニオンリーダーの価値を真に理解するためには「イノベーター理論」の理解が重要になります。経済学を専攻したことがない人にとっては、理論の名前自体が初耳という人もいるでしょう。マーケティング戦略をより効率的に深く考えるためにも、イノベーター理論を理解してオピニオンリーダーに対する知識を深めていきましょう。

イノベーター理論

「イノベーター理論」とは、アメリカの社会学者であるエベレット・M・ロジャーズ氏が提唱した理論です。イノベーター理論では消費者を「1. イノベーター(革新者)」「2. アーリーアダプター(初期採用者)」「3. アーリーマジョリティー(前期追随者)」「4. レイトマジョリティ(後期追随者)」「5. ラガード(遅滞者)」の5つのグループに分類しています。

すなわち新商品を生み出すのが「1. イノベーター」であり、流行に敏感で新商品に対してすぐに購入する消費者が「2. アーリーアダプター」、そのアーリーアダプターの口コミなどを参考に自分も真似て流行を広めるのが「3. アーリーマジョリティー」、多くの人が使用しているのを見てから自分も買ってみようと思うのが「4. レイトマジョリティー」、世間に浸透しきって新商品という印象がなくなったり、いっそ流行が廃れてから購入し始める消費者が「5. ラガード」となります。

このイノベーション理論によると、流行に敏感で色々な人に対して口コミを広げる「2. アーリーアダプター」まで新商品やサービス、イベントを浸透させることができれば、その後は企業が大きな努力をしなくても流行は広まっていくと考えられています。もちろんマーケティング戦略上で必要な理論ではありますが、新商品だけではなく子どもの頃のクラスでの遊びの流行などの身近な現象に置き換えて考えると非常に理解しやすくなるでしょう。

イノベーター理論におけるオピニオンリーダーの役割

では、マーケティング戦略を立てる上で非常に重要な役割を持つオピニオンリーダーは、上記のイノベーション理論においてはどの立ち位置に立っている存在なのでしょうか。多くの人の消費行動に影響を及ぼすオピニオンリーダーは、イノベーション理論の中で「2. アーリーアダプター」の立ち位置にいると考えられています。すなわち、企業が新商品を開発し、それが良いものであるとオピニオンリーダーに認めさせることができれば、その後はオピニオンリーダーが率先して「3. アーリーマジョリティー」の購買意欲を促進してくれるため新商品を流行させることができます。

そのためインフルエンサ―マーケティングにおいては、アーリーアダプターであるオピニオンリーダーをいかに多く起用して多くのアーリーマジョリティーへの訴求力を確保するかが大きな課題となっていることが分かるでしょう。

オピニオンリーダーを活用したマーケティング成功の秘訣

イノベーション理論においてオピニオンリーダーはアーリーアダプターであることが分かりました。しかしながら、最近では「インフルエンサ―も企業のマーケティングに協力しているだけだから信用できない」と考える消費者も増えてきているため、単に人気のあるインフルエンサ―に新商品をPRしてもらうことでオピニオンリーダーとして起用しようと思っても、従来ほどの効果が得られないことも決して少なくはありません。

オピニオンリーダーを活用してマーケティングを成功させるためには、5つの覚えておかなければならないポイントが存在しています。人気のあるインフルエンサ―を探す際には、こちらの5つのポイントも考慮しながら探していきましょう。

KOLを判断

KOLとは元々は医療業界で使われている用語です。「Key Opinion Leader」の頭文字をとったものであり、意味はそのまま「鍵となるオピニオンリーダー」となります。医療業界においては、100人の医師に対して処方提案をするよりも「●●の疾患ならこの先生が一番詳しい」という医師に対して処方提案する方が効果的だと言われていて、そうした医師全体に対して非常に強い影響力を持つ専門医のことをKOLと呼びます。

インフルエンサ―マーケティングを考える上でも、そういった意味でKOLという言葉が使われます。色々な消費者の消費行動に対して影響を与える存在をインフルエンサ―を呼びますが、その中でも特に専門分野に特化して詳しい知識を持っているインフルエンサ―を「KOL」もしくは「KOLインフルエンサー」と呼び区別します。

具体的には「若年層の女性に対して影響力が強いので、グルメやファッション、コスメジャンルで活動しているインフルエンサー」ではなく「美容に対する専門的な知識を持ち、成分的な観点から良い化粧品かどうかを判断して発信することができるインフルエンサ―」のことを特別にKOLと呼びます。

こうしたKOLという存在は専門家と同レベルの説得力を持ちつつ、一般的な専門家よりも消費者に対して親しみやすいという特徴を持っているため大きな影響力を発揮することが可能です。すなわちマーケティングを成功させるためには闇雲に影響力の大きいインフルエンサ―を探すよりも早期の段階でKOLが誰であるかを判断し、「自社ブランドのジャンルにおけるKOLに発信してもらう」ことが非常に重要であると言われています。

ターゲットを明確化

KOLは大きな影響力を持つ一方で、その専門性の高さからターゲットが絞られてしまいがちだという側面もあります。たとえば先ほど例に出した「グルメがファッション、コスメジャンルで活動しているインフルエンサ―」であれば、グルメ商品のPRをした際に今まではグルメではなくファッションに興味があってフォローしていたフォロワーに対しても興味を抱かせることができる可能性もあります。

しかしながらKOLは多くの場合、自分が詳しい1つのジャンルに対する発信しか行いません。そのため、そのジャンルのファンの消費行動を促進することはできても、他ジャンルのファンを取り込むことは苦手としているというデメリットもあります。また、同じ医師でも「内科」と「外科」では大きく異なるように、同じコスメを得意としているKOLでも「基礎化粧品に詳しいKOL」と「ポイントメイクに詳しいKOL」では当然ながらファン層も大きく異なってきています。

KOLの起用はマーケティングを成功させるために非常に有効ですが、一方でジャンルは似ていても異なるKOLを起用してしまうと思った通りの効果が得られない可能性もあります。KOLを起用する際には、自社の商品のターゲットはどのような消費者なのかといった点や、ターゲットにダイレクトに訴求力を持っているKOLは誰なのかを慎重に見極める必要があります。

コミュニケーションの設計

インフルエンサーを起用することで、自社ブランドや商品のPRをインフルエンサーに任せることになります。しかしながら、投稿の運用に関して全てをインフルエンサーに委託してしまっては、思った通りの広告効果が得られないリスクがあるでしょう。だからといって、インフルエンサーの投稿に対して、ハッシュタグや内容、画像といったことまで全てを指定してしまってはインフルエンサーの個性を殺してしまい、元々のフォロワーから反感を抱かれてしまうリスクもあります。

企業がインフルエンサーを起用する際には、インフルエンサーの個性を活かしながらも最低限のルールは設けて広告効果を得られるようにコミュニケーションを設計していく必要があります。基本的には「投稿時間帯」や「ハッシュタグ」、「週間の最低投稿回数」などは決まりを作りつつも、自社ブランドの商品をどのようにPRしていくかや投稿の際の画像や動画の撮り方に関してはインフルエンサーの自主性に任せる方が広告効果は高くなると言われています。

芸能人を起用する際には広告の内容も指定することが多いですが、インフルエンサーの場合はむしろ自主性に任せた方が良いと言われているのは両者の大きな違いだと言うことができるでしょう。

予算を設定

芸能人とインフルエンサーはオピニオンリーダーとして非常に近い立ち位置を占めています。しかしながら、両者の大きな違いは先ほど解説した起用方法だけではなく予算にも表れます。芸能人を起用する場合、知名度や事務所の関係にもよりますが予算は多めに用意する必要があるのが一般的です。しかし、そうした事務所などに所属せず一般人であることも多いインフルエンサ―の場合、かなり予算を抑えつつも高い効果を得られることも不可能ではありません。

インフルエンサーを起用する場合、最も安価に起用するには自社の企業アカウントで直接インフルエンサーをスカウトする方法です。インフルエンサーと直接のやり取りができるため自社ブランドの要求もしっかり伝えられることができますし、かなり割安で起用することもできるでしょう。しかしながら、そうした大きなメリットがある一方で、起用するインフルエンサーの選定に莫大な人的コストがかかってしまったり、イメージに合うインフルエンサーをスカウトしようと思っても詐欺だと思われて話も聞いてもらえないというリスクもあります。

既に芸能人を起用するなどの方法で広告を出したことのある企業は、以前からの付き合いで総合広告代理店に依頼する方法もありますが総合広告代理店も多くの場合はインスタグラマーマッチングサービスに依頼する場合が多いと言われています。そのため、中間業者が増えるだけではなく何人もの人を介したやり取りになるため金銭的なコストはもちろん時間的なコストもかかってしまい、こちらの意図がインフルエンサーに対して正確に伝わらないというリスクもあるでしょう。

そのためコストパフォーマンスと作業コストを総合的に判断すると、企業が総合広告代理店を介さずに直接インスタグラマーマッチングサービスに依頼し、インフルエンサーとのやり取りを行うのが最も近道であると言えるでしょう。インスタグラマーマッチングサービスは、イメージに合うインフルエンサーの紹介だけではなく、インフルエンサーを起用する上で効果的な企画の提案なども行ってくれます。

自社のインフルエンサーマーケティングに携わる人数や予算、企業内部の理解度によっても使用する方法は異なってきますが、用意された予算の中で最大の効果を出せるようにそれぞれの方法を比較検討してみるのがおすすめです。

効果判定

では、インフルエンサーを起用した場合のマーケティングの効果判定はどのように行えば良いのでしょうか。現在、インフルエンサーマーケティングの効果判定としてよく使われている考え方は「効果判定」という考え方です。

効果判定は、インフルエンサーごとのフォロワー単価を算出し、起用時点でどの程度の経済効果が見込めるのかを計算することができる考え方です。フォロワー単価はインフルエンサーの抱えるフォロワー数によって変動し、フォロワー数10万人まではフォロワー単価2円、50万人になると3円、100万人以上で4円と考えられるのが一般的です。すなわち、フォロワー数が60万人のインフルエンサーに自社商品のPRを依頼した場合に期待できる経済効果は、インフルエンサーのフォロワーが拡散してフォロワーのフォロワーにも伝わることを考えると、「600,000×3=1,800,000円」と算出することができます。

しかしながら、これはあくまで「インフルエンサーを単純に起用した場合」の効果です。企画や起用方法によってはこの期待効果をさらにアップさせることも可能ですし、総合広告代理店やインスタグラマーマッチングサービスを使用して企業の中間マージンが発生することで期待効果から経費分は引かれることとなります。インフルエンサーを起用した場合の効果を算出する場合も、通常の企業活動と同じように必ず経費も考慮に入れて算出するようにしましょう。

企業マーケティングにおける実例1「広報・中の人」

ここまでオピニオンリーダーやインフルエンサーの定義の違いや、イノベーション理論に即したマーケティングにおける重要性を解説してきましたが、実際には現在はどのようなオピニオンリーダーやインフルエンサーが活躍しているのでしょうか。ここからは、各ジャンルの中で活躍しているオピニオンリーダーを実例を交えて紹介していきます。

まずは「広報担当」あるいはアカウントを運営している人という意味で「中の人」と呼ばれる3つの例について紹介していきます。

SHARP


SHARPの広報担当は、基本的にTwitterでの運用が多く一般ユーザーから非常に注目されているアカウントです。企業アカウントながらも緩い雰囲気で一般ユーザーの投稿をリツイートしたり自社製品だけではなく他社企業とコラボしたりと、企業らしからぬ雰囲気でSHARP製品のファンだけではなく、広報担当の呟きを見る目的でフォローしている人もいるほどです。

実際に、Forbes JAPANにおいてトップインフルエンサ―の一人に選ばれるほど人気が高く、様々な消費者に対して「電化製品はなんでも良いけど、呟きが面白いからSHARPを買ってみても良いかもしれない」との消費意欲を湧きたてる存在になっています。

キングジム


キングジムは「テプラ」や「ファイル」を代表製品とする文房具メーカーのアカウントです。SHARPと同じくTwitterをメインに活動していますが、呟きの内容は他の企業とのコラボだけではなく自社製品を使っている様子の積極的なリツイートなど、自社ブランドの知名度の向上や消費意欲の促進に対して非常に貢献しています。

文房具を購入する時、ペンであれば試し書きができる店舗も多いですが、その他の文房具に関しては使用感を確かめてから買えるケースはほとんどありません。店頭で選ぶ時に使い心地を試せないまま「デザイン的にこれが良いかもしれない」という理由で選んでしまう場合も多いでしょう。しかしキングジムのTwitterをフォローしていれば、そういった「使用感が分からない」という悩みを実際の使用動画で解消できるのでファンが増えるのも当然のことでしょう。

東急ハンズ


東急ハンズはTwitterアカウントでもInstagramのアカウントでも、実店舗で取り扱っている商品のPRをリツイートするだけではなく実店舗で行われるキャンペーンやイベントの情報を積極的にツイートしています。店舗で行われるイベントはメールマガジンなどに記載されていることも多いですが、多くの企業がメールマガジンを配信している現代では、いくら送信しても登録者に削除されてしまうケースも少なくはありません。

しかし、気軽に見ることができるTwitterで配信していれば、メールマガジンよりも多くの人の目に留まる可能性も高くなります。キャンペーンやイベントに足を運んでくれる消費者が増えれば増えるほど、生活雑貨や調理器具を始めとして色々なジャンルの商品を取り扱っている東急ハンズでは「イベントを見に来たついでに〇〇を買っていこう」と消費行動に繋がる場合も多くあるでしょう。

企業マーケティングにおける実例2「テレビ情報番組」

最近ではテレビを見ずにインターネットで情報を集める人も増え、テレビ情報番組の影響力は以前と比べて小さくなってきていると言われています。しかしながら、テレビを見る機会が減ってきているとはいえ、完全にテレビを見ないという人はそれほどいません。テレビ情報番組の中でも、多数のオピニオンリーダーが活躍しています。

ヒルナンデス!


テレビ番組の「ヒルナンデス!」はお昼の情報番組の中でも高い視聴率を誇る番組です。ウッチャンナンチャンの南原さんを中心とした芸能人が、色々な体験をしていくことで視聴者に対して「私もやってみたい」「近くに寄ることがあったら行ってみよう」という気持ちを起こさせることに成功しています。

そういった内容の番組は昼に限らずどの時間帯でも見られますが、「ヒルナンデス!」はそういった体験型の他にもお弁当を作ったり街頭アンケートの結果を発表したりと、視聴者が「作ってみよう」や「自分ならどう答えるだろう」と自分のこととしてとらえやすいような内容を多く放送しているのが特徴です。視聴者目線に非常に近い位置から放送しているため、視聴者の行動に大きな影響を与えるのも当然と言えるでしょう。

マツコの知らない世界

老若男女問わず、幅広い層に人気のあるタレントのマツコ・デラックスさんのところに色々な専門知識を持った一般人がやってきて自分の好きなものをプレゼンするテレビ番組が「マツコの知らない世界」です。対象はお菓子だったり宝石だったり、時には有名人だったりと色々なものがプレゼン対象になりますが、実際にマツコ・デラックスさんがそのプレゼン対象に触れて感想を言うことで、テレビの視聴者を「私も取り寄せてみようかな」という気持ちにさせる番組です。

ここに出てくるプレゼンターの多くは好きが高じて専門家になった人もいますが、普段は企業で働きながら自分の趣味を満喫している人がほとんどです。そのため、先ほどインフルエンサーの中でも特別な知識を持つ存在としてKOLという言葉を紹介しましたが、まさにそのKOLの位置にいる人たちだと言えるでしょう。

KOLの起用に関してはファン層を広げるというよりも実際にKOLが専門とする分野に興味・関心を抱く消費者の消費行動を促進するための起用が一般的ですが、この「マツコの知らない世界」のように不特定多数の人の目に留まる機会を得られればファン層を広げる効果も十分に期待できます。

NHKおはよう日本

NHKニュースの「NHKおはよう日本」は、毎日お出かけ前に知りたいと思える情報を発信しているニュース番組です。「NHKのニュース」というとニュースキャスターが難しい言葉で説明しているものを連想する人も多いですが、「NHKおはよう日本」は通常のニュース番組同様に天気やスポーツの情報の他に「暮らしに役立つアイテム」も紹介しています。

「こういうアイテムがあればもっと生活が楽になるのに、実際にそういった商品が存在しているか分からない」という悩みを持つ視聴者が「NHKおはよう日本」を見ると、イノベーション理論におけるアーリーアダプターの立ち位置として周りの人に紹介することもあるでしょう。NHKの番組ということで特定の企業の商品だけではなく、幅広いジャンルの企業の色々な商品を取り扱っていることも人気の秘密です。

企業マーケティングにおける実例3「口コミサイト」

冒頭で解説した通り、インフルエンサーというと「特定のコミュニティの意思決定に対して大きな影響力を持つユーザー」のことを意味しますが。オピニオンリーダーの場合は「特定のコミュニティの意思決定に対して大きな影響力を持つ存在」を意味するので、必ずしも特定のユーザーの存在が必須になるわけではありません。そういった観点から考えると、口コミサイトは現代のネット社会において新たな立ち位置の構築に成功したオピニオンリーダーだと考えることができるでしょう。

食べログなど飲食関係

「飲み会に使えそうなお店を探そう」となった時、多くの人が参考にするのが食べログやぐるなびといった飲食関係の口コミサイトなのではないでしょうか。しかし、実際にそういった飲食関係の口コミサイトを使ってお店を探す時、お店に書かれている口コミの全てに目を通してお店を決める人はほとんどいません。

むしろ、食べログを利用している人のほとんどは、口コミ自体ではなく点数に注目していると言っても良いでしょう。点数は1.0から5.0までの評価の平均を算出していますが、利用者はたとえ有料会員であっても誰がいつ、どのように評価をしたのかを知ることはできません。そういった匿名の評価の集合体であるにも関わらず「この店は評価が良いから美味しそう」「この店は点数が低いからやめておこう」のように消費者の行動に対して影響を与えるのは、特定のユーザーではないオピニオンリーダーの分かりやすい一例だと言えるでしょう。

@コスメなど美容関係

 

この投稿をInstagramで見る

 

フルーティーなハーモニーを奏でるラベンダー・アップルは、纏うだけで幸福感で満たしてくれる。 なめらかなテクスチャーが心地良い保湿アイテムを重ねて ケアしながら優しく寄り添う香りを楽しむ。 お出かけ前には、 ヴェールをかけるようにオードゥサボンを。 置いておくだけで香りが広がるアロマは、インテリアのアクセントに。 新鮮なラベンダー・アップルの香りに包まれ、毎日をもっとハッピーに。 #sabon#bodycare#fragrance#happy#lavenderapple#apple#lavender#homedecor#サボン#ラベンダーアップル#ボディケア#香り#サボンの香り#ドレッサー#幸福感#香水#保湿#ハンドクリーム#ボディクリーム#アロマ#フルーティー#美容#コスメ#インテリア#春コスメ#保湿ケア

SABON Japan(サボン ジャパン)(@sabon_japan)がシェアした投稿 –


飲食系の口コミサイトといえば食べログやぐるなびですが、美容関係の口コミサイトとして有名なのは@コスメです。@コスメでも食べログなどと同じように、商品を使った消費者の評価や感想が閲覧者の消費行動に対して大きく影響を与えています。

Aさんが「この化粧水は保湿力が悪くて肌がピリピリします」という口コミを書き込むと、実際にAさんが化粧品に対して詳しい知識を持っているのか、評価できるほど多くの化粧水を試したことがあるのかを知らないまま「肌がピリピリするなら購入はやめておこう」という気持ちになる人も多いのではないでしょうか。逆にBさんが「この化粧水でニキビの悩みとおさらばできました!」と書き込むと、ニキビに悩む人の中には試してみたいと考える人も多くなるでしょう。

このような消費者の生の声は、仮に消費者個人が特定できる状況ではなくても消費者の行動に対して大きな影響を与えます。「企業が打ち出す広告よりも消費者の声を信頼したい」というのは、このインフルエンサーマーケティング世代における大きな特徴だと言えるでしょう。

Calooなど医療関係

少し体調が悪い時、かかりつけの病院がない人はどの病院に行けば良いのか分かりません。特に近くに複数の内科がある場合、どの内科が一番「早く診察してくれて、親切で、綺麗で、分かりやすいのか」ということは判断できないでしょう。具合が悪い状態では、実際に病院を回って見極める余裕もありません。

そうした時に役に立つのがCalooといった医療関係の口コミサイトです。医師の説明に対する評価はもちろん、受付を始めとした病院全体の雰囲気や接遇態度に関する口コミも書き込まれています。引っ越しなどで新たな土地に行き、かかりつけの病院を探す際にCalooを使って探すという人も少なくはありません。

カイシャの評判など転職関係

転職の際に求人票に載っている条件だけで転職先を決める人はほとんどいません。実際に「求人票では残業がないと書かれていたのに、就職してみると残業代は出ないサービス残業ばかりだった」という声は多く聞こえてきます。しかし、転職してすぐにまた転職するということは、よほど能力がある人ではないとできないので普通の人は「仕方ない」と思いつつ、その会社でしばらく働く選択をするでしょう。

そうした転職後の後悔を少なくするために参考にしている人が多いのは「カイシャの評判」や「Vokers」といった転職に関する口コミサイトです。求人票や求人パンフレットには載っていない、実際に働いている社員の生の声が紹介されています。「求人票では社内の雰囲気は良いとあったけど、口コミを見ると上下関係が厳しすぎてギスギスしているみたいだから面接を辞退しよう」と考える人も決して少なくはありません。

マンションノートなど住宅関係

転職と同じくらい「実際に行ってみないと分からないが、行ってから後悔しても取り返しがつかない」のが住宅関係の問題です。賃貸でも戸建てでも分譲でも、知らない土地に住む際にはその土地の治安や近隣住民の雰囲気が気になる人も多いのではないでしょうか。

「マンションノート」などの住宅関係の口コミサイトでは、そうした「住む人が実際に知りたい内容」が書かれています。特に会社都合の急な転勤などで家を探している人は内覧はしても家の周辺の状況を把握する余裕はないことも多く、こうした口コミサイトを参考にしながら自分の住む場所を探すという人も多いでしょう。

オピニオンリーダーを活用して企業マーケティングを成功へ導く

以前はオピニオンリーダーという言葉が意味するのはほとんど芸能人ばかりでしたが、最近ではインフルエンサーや口コミサイトなどオピニオンリーダーの種類も多岐にわたっています。その中でも特にインフルエンサーは数も多く発信力が強いため、次世代を担うオピニオンリーダーとして、今非常に注目を集めている存在です。

オピニオンリーダーとしてインフルエンサーを活用することで企業のマーケティング戦略も成功する可能性が高くなるでしょう。一方で、記事内でも紹介した通りインフルエンサーの選定には時間的・労力的・金銭的に多くのコストがかかることも少なくはありません。

しかしながら、インフルエンサーの起用を検討した時、インスタグラマーマッチングサービスなどを使用することでインフルエンサー起用のノウハウがない企業でも簡単に起用が可能になります。「コラボマーケティング」では、自社のイメージに合うインフルエンサーの紹介はもちろん、インフルエンサーごとに適した起用方法に関してもアドバイスをしています。次世代のマーケティングを担うインフルエンサー起用のパートナーとして、ぜひコラボマーケティングをご活用ください。